ドゥームレジスター

バルッ!!

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翌日、大地が訓練場に向かおうとした矢先、砦の警鐘が激しく鳴り響いた。その音は、訓練生たちの間に緊張と混乱を引き起こした。

「警鐘!?何かあったのか……!」
大地は驚いてフィーネを探す。すると、彼女が鋭い表情で駆け寄ってきた。

「大地、訓練は中止だ。すぐに砦の内側に戻れ。」

「何が起きたんだ?」

「魔獣の大群だ。この砦に向かってきている。」

その言葉に、大地は思わず息を呑んだ。これまでに戦ったのは模擬戦だけで、実際の戦闘など想像もしていなかった。

「でも……俺も戦うよ。このまま逃げるなんてできない。」

「お前が戦っても足手まといになるだけだ。ここは私たちに任せろ。」

フィーネの冷たい言葉に一瞬たじろぐものの、大地は反論した。
「訓練で教えてくれたのは、仲間を見捨てるなってことだっただろ!?」

フィーネは短くため息をつき、大地を見つめる。
「……無理はするな。それだけは約束しろ。」

「わかった。」



砦の壁から外を見ると、遠くの森の中から無数の赤い目がこちらを睨んでいるのが見えた。それは魔獣の大群だった。狼のような姿のもの、巨大な鳥、さらには見たこともない怪物が混じっている。

「こんなの、どうやって止めるんだ……。」
大地は恐怖に震えながらも、木剣を握りしめた。

「全員、配置につけ!」
司令官の声が砦全体に響き渡る。騎士たちは弓矢を構え、魔法使いたちは呪文を詠唱し始めた。

魔獣の大群が砦に迫ると同時に、戦いが始まった。矢が空を舞い、魔法の光が爆発する中、大地は必死で仲間たちの動きを追っていた。

「大地、ここを守れ!」
ロイクが叫びながら、近くの防御陣に駆け込んできた。彼は一瞬も怯むことなく魔獣を迎え撃っている。

「俺だってやるしかないんだ……!」


大地が必死に魔獣を相手にしている最中、突然、彼の中で奇妙な感覚が広がった。まるで時間が引き伸ばされるような感覚と共に、視界が鮮明になる。

「また、この感じ……!」

彼が無意識に力を発動させた瞬間、周囲の時間が一瞬止まったかのように静まり返る。動きを止めた魔獣たちを目にし、大地は恐る恐る木剣を振り下ろした。

時間が再び動き出すと同時に、目の前の魔獣が倒れる。

「俺の力……これなら戦えるかもしれない!」

しかし、力を使うたびに大地の体には強い負担がかかり、呼吸が乱れ始めた。それでも、彼は前に進むことを選んだ。


戦いが激化する中、一際巨大な魔獣が現れた。それは黒い鱗で覆われた四足の怪物で、砦の壁を乗り越えようと咆哮を上げている。

「フィーネ、あれは何だ!?」
「デス・ハウンドだ。並の騎士では歯が立たない……!」

砦の兵士たちは次々と魔獣に倒され、状況は絶望的だった。大地は体の震えを抑えながら、黒い本を取り出した。

「頼む……この力で何とかしてくれ!」

黒い本は静かに光を放ち、女性の声が響いた。
《神野大地、貴方の力は「時の刃」として完全に覚醒しました。この力を持って、敵を切り裂いてください。》

「時の刃……?」

木剣が青白い光に包まれ、まるで実体を持った剣のように輝き始めた。

「これなら……いける!」

大地はその剣を振りかざし、デス・ハウンドに向かって突き進んだ。すべての時間が一瞬止まり、次の瞬間、魔獣の咆哮と共にその巨体が地に崩れ落ちた。

戦いの終焉
デス・ハウンドの撃破をきっかけに、砦を襲っていた魔獣たちは次第に退却していった。疲労困憊の大地はその場に倒れ込む。

「やった……終わったのか……?」

フィーネが大地に駆け寄り、その肩を叩く。
「よくやった、大地。お前がいなければ、この砦は守れなかった。」

「俺一人じゃ無理だったよ……みんながいたからだ。」

砦を覆う緊張が少しずつ解け、勝利の安堵が広がっていった。しかし、大地の心には新たな不安が芽生えていた。

「この力、本当に使いこなせるのか……?」

だが、彼が答えを見つける前に、さらなる運命の波が静かに迫りつつあった――。
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