ドゥームレジスター

バルッ!!

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森の向こうから現れた魔獣の群れは、前日の戦いを思い出させるほど凄まじい勢いだった。だが、その中心には異様な存在があった。漆黒のローブをまとった人影が、魔獣たちを従えるかのように静かに立っている。

「なんだ、あいつ……?」
大地はその人影を見つめ、初めての恐怖とは異なる不安を覚えた。それは単なる魔獣の暴走ではなく、明確な意志を持つ存在がこの攻撃を指揮していることを示していた。

「フィーネ、あれは……?」
「魔獣を操る『契約者』かもしれない。この地に現れるとは……!」

「契約者?」
「魔獣と契約を結び、それを自在に操る異端者だ。通常の魔獣よりも厄介な相手だぞ。」

フィーネの言葉に、部隊全体に緊張が走る。


魔獣の群れが吠え声を上げながら突進を開始した。フィーネが剣を抜き、部隊に号令をかける。
「全員、陣形を保て!大地、少女を守りながら後方に下がれ!」

「でも――」
「指示に従え!」

大地は少女を安全な場所に連れて行こうと決心し、その場を離れようとした。しかし、魔獣の一体がそれを見逃さずに突進してきた。

「くそっ……!」

とっさに木剣を構えた大地の中で、再びあの力が湧き上がる。視界が鮮明になり、時間がスローモーションのように感じられた。

「止まれ!」

彼が叫ぶと同時に、魔獣の動きが止まり、周囲の時間が一瞬凍りついた。驚きと共に木剣を振り下ろすと、魔獣は静止したまま崩れ落ちた。

時間が動き出すと、大地は力の余波に耐えられず、その場に膝をついた。

「また……この力……。」


戦況が激化する中、ローブの人影が静かに歩みを進めてきた。フィーネが剣を構えながら前に出る。
「お前は何者だ。この村を襲った目的は何だ!」

ローブの男はフィーネの問いに答えることなく、笑みを浮かべる。
「目的?我々の主が目覚めるその日まで、この地を浄化しているだけだ。」

「主だと?」

「お前たちには理解できないだろう。この地はやがて真の力を持つ者によって支配される。今はその序章に過ぎない。」

男は手を上げると、背後の魔獣たちがさらに凶暴化し、襲いかかってきた。

「全員、耐えろ!」
フィーネの声が響き渡る中、大地も立ち上がり、再び木剣を握りしめた。

「やるしかない……!」


大地はローブの男を見据えながら、再び自身の力を引き出そうと集中した。しかし、力を使うたびに体が悲鳴を上げる感覚があった。

「くそっ……もっと俺が強ければ!」

そのとき、黒い本が再び現れ、静かに光り始めた。

《神野大地、貴方の力は未だ完全に解放されていません。この場で覚醒を果たすには、大いなる覚悟が必要です。》

「覚悟って……!」

《貴方が本当の意味でこの力を受け入れるならば、より大きな力を解き放つことができるでしょう。しかし、それにはリスクも伴います。》

大地は迷った。力を使えば戦況を変えられるかもしれないが、自分自身の命も危険に晒される。しかし、周囲で戦う仲間や、怯える少女の姿が彼の心を揺さぶった。

「……いいさ。それでも、この力を使う!」

黒い本が強烈な光を放つと、大地の体が青白い輝きに包まれた。その瞬間、木剣が完全に変化し、透き通るような時の刃が姿を現した。

「これが……俺の力……!」


新たな力を手に入れた大地は、突進してくる魔獣たちを次々と撃破し、仲間たちを守るために前線へと向かった。

フィーネが驚きの目で彼を見つめる。
「大地……お前、一体……。」

「説明は後だ!今はやるしかない!」

ローブの男は大地の動きに気づき、不敵な笑みを浮かべた。
「面白い……だが、その力がどこまで通じるか試させてもらおう。」

大地とローブの男の戦いが始まる。男が魔力で放つ攻撃を、大地は時の刃で防ぎながら、徐々に間合いを詰めていく。

そして、男が次の呪文を唱えようとした瞬間、大地の刃が閃き、男のローブが切り裂かれた。

「ぐっ……!」男は後退しながら、にやりと笑う。
「やはり、お前はただの人間ではないようだ。だが、これで終わりではない。」

男は魔力を使って瞬時に姿を消した。


魔獣が消え去り、戦闘が終わると、大地はその場に崩れ落ちた。

「やった……のか……?」

フィーネが駆け寄り、大地を支える。
「よくやった。だが、無茶をするなと言っただろう。」

「すまない……でも、誰も傷つかなかったなら、それでいい。」

フィーネは小さく微笑み、仲間たちに声をかけた。
「傷ついた者を助け、砦に戻る準備をしろ!」

大地はぼんやりと夜空を見上げながら、自分の中に眠る力と、それがもたらす重責を改めて感じていた。

「これが……俺の使命なのか……。」

新たな覚醒を果たした大地は、さらなる運命の波に立ち向かうことになる――。
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