ドゥームレジスター

バルッ!!

文字の大きさ
23 / 55

0023

しおりを挟む
石碑の光が広間全体を包み込むと、冷気が急激に濃密になり、広間の奥から巨大な影が現れ始めた。それは、氷の結晶が形をなしていくようにして生まれた人型の存在だった。

全身が純白の氷でできており、剣のように尖った腕を持つその姿――圧倒的な威厳と冷たさが広間に漂う。

「これは……氷の守護者だ。」
エリオットが息を呑むように言った。「この封印を守る最後の試練だろう。」

守護者の目にあたる部分が青白く光り、低く響く声が広間にこだました。
「この力に触れる資格を示せ。未来を凍らせることなく、調和を保つ意志を示せ。」

「また試練か……!」
ロイクが盾を構え、身構える。

「ここを越えなければ次へ進めない。やるしかない。」
フィーネが鋭い声で剣を構えると、大地も一歩前に出て剣を握りしめた。


氷の守護者がゆっくりと手を上げると、その周囲に無数の氷の刃が浮かび上がり、一斉に大地たちに向かって放たれた。

「避けろ!」
フィーネが叫ぶと、全員が素早く動いて氷の刃をかわした。だが、刃は広間全体を覆うように飛び交い、動きを制限する。

「くそっ、こんな動きじゃ……!」
ロイクが盾で刃を防ぎながら後退する。

「奴の動きを封じないと、全滅しかねない!」
エリオットが魔法を詠唱し、氷の守護者に向かって風の刃を放つが、その体に傷一つつけることはできなかった。

「大地、あの守護者にはお前の力しか通じないかもしれない!」
フィーネが叫ぶと、大地は深呼吸をし、自らの中に眠る力を解放する決意をした。


「俺の力……氷の調和をもっと引き出せるはずだ!」
大地が剣を握りしめると、その剣が青白い光をさらに強く放ち始めた。剣先から冷気が広がり、周囲の氷の刃を巻き込みながら溶かしていく。

「この力で……終わらせる!」

大地は「時の輪廻」の力を同時に発動させ、時間を止める感覚の中で守護者の動きを見極めた。そして、剣を振り抜き、冷気の刃を放つ。

その一撃が守護者の体に命中すると、守護者が一瞬怯むように動きを止めた。

「今だ、全員攻撃しろ!」
フィーネが叫び、一行は一斉に守護者に向かって突撃した。


だが、守護者はすぐに体勢を立て直し、巨大な氷の壁を生み出して一行を弾き返した。そして、体の冷気を最大限に放出し、広間全体を凍りつかせた。

「くそっ、あの壁をどうにかしないと……!」
ロイクが盾を構えながら叫ぶ。

そのとき、大地の中に新たな感覚が芽生えた。黒い本が再び光り、声が響く。

《神野大地、貴方は「氷の調和」において、未来の流れを凍らせる力を持っています。それを制御し、守護者を封じるのです。》

「未来の流れを……凍らせる?」

《この力を使えば、守護者の動きを一瞬の中に閉じ込めることが可能です。ただし、それには強い意志と覚悟が必要です。》

「覚悟なら……できてる!」


大地は剣を構え、全力で氷の調和の力を引き出した。剣から放たれる冷気が空間を凍らせ、守護者の動きを一瞬止める。

「今しかない!」

時間が凍りついた中で、大地は剣を振り抜き、守護者の胸に一撃を放った。その衝撃で守護者の体が砕け散り、青白い光が広間全体を包み込む。

「やった……のか?」

守護者が静かに崩れ去り、その中心から光の玉が浮かび上がった。それは冷たい輝きを放ち、広間全体の冷気を和らげていった。


広間の中心に戻ると、石碑が再び光を放ち、文字が浮かび上がった。

「『氷の守護者、その力は凍える未来を止め、命を守る道を示す』……。」
エリオットが文字を読み上げると、大地は剣を見つめた。

「命を守るための力……それが俺に与えられたものなんだな。」

フィーネが剣を収め、一行を見渡した。
「これで二つ目の封印を解放した。だが、敵はこれ以上黙ってはいないだろう。」

「ローブの男たちの計画を止めるには、この力をもっと使いこなさないといけない。」
大地は深く息を吸い込み、決意を新たにした。


一行が封印の広間を出ようとしたその時、遠くから不気味な震動が伝わってきた。それは、またしても新たな敵の兆候だった。

「何かが近づいている……。」
フィーネが険しい表情で呟く。

「急ごう。この封印の情報を持ち帰らなければ。」
エリオットが言い、一行は足早に広間を後にした。

だが、その背後にはさらに大きな試練と、ローブの男たちの新たな計画が待ち受けているのだった――。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...