ドゥームレジスター

バルッ!!

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黒い結晶から溢れ出した影は次第に形を整え、人型に変わっていった。その姿はゼフェルやアークスを思わせるが、さらに禍々しいオーラを放っていた。全身は漆黒の霧で覆われ、無数の赤い目がその霧の中で光り輝いている。

「これは……ただの敵じゃない。」
フィーネが剣を構えながら低く呟く。

「この存在、まるで封印そのものが実体化したようだ……。」
エリオットが結晶を見つめながら言った。

黒い影が静かに口を開く。その声は、複数の異なる音が重なり合ったような不気味なものだった。
「私は『原初の断片』――封印に眠る力が形を持った存在だ。お前たちが封印を守ろうとする限り、私はお前たちの敵となる。」

「封印そのものが敵になるなんて……こんなことがあり得るのか?」
ロイクが困惑した声を上げる。

「原初の王が完全に目覚めていないのに、封印が動き出している……何かが計画より先に進んでいる。」
エリオットが険しい表情で推測を口にする。


原初の断片が両腕を広げると、周囲の空間が歪み始めた。その歪みの中から黒い刃が無数に生まれ、一行に向かって放たれる。

「来るぞ!全員防御を固めろ!」
フィーネが叫び、全員が防戦体勢に入る。

ロイクは盾を構え、次々と飛んでくる黒い刃を防ぐが、その一撃一撃が重く、盾を持つ腕が痺れ始める。

「この力……防ぐだけじゃ持たない!」
ロイクが苦しげに言う。

エリオットが魔法を展開し、刃を相殺しようとするが、黒い霧が魔法を飲み込むように広がり、消えてしまう。

「魔法も通じない……。」
エリオットが焦りの表情を浮かべた。

「なら、俺が行く!」
大地が剣を構え、原初の断片に向かって突進する。


大地は「時の輪廻」の力を発動し、時間を操る力で敵の攻撃をスローモーションにする。その隙を突いて剣を振り下ろし、原初の断片の霧を切り裂こうとした。

しかし、原初の断片はその霧を自在に操り、大地の剣を受け流すかのように動いた。

「そんな……時の力すら効かないなんて!」
大地が驚きの声を上げる。

原初の断片は冷たく笑いながら言った。
「時間の流れを操る力……それすらも、この存在には通用しない。お前たちの力は、原初の王の力の前では無力だ。」


「このままじゃ勝てない……でも、俺にはまだ力がある!」
大地は剣を握り直し、黒い本の声を再び耳にした。

《神野大地、貴方が手にした力の全てを統合し、調和の完全なる形を解放する時が来ました。それが『原初の調和』――全ての力をひとつにする究極の力です。》

「原初の調和……分かった。俺がやる!」

大地が剣を掲げると、青白い光が剣から放たれ、それが次第に広がっていった。その光はこれまでの力を超え、周囲の闇を切り裂くかのように輝き始めた。

「これが……調和の力だ!」

剣を振り下ろすと、光の波動が原初の断片を包み込み、霧の体を強制的に固定した。その霧は抵抗しようとするが、調和の力がそれを浄化し始める。

「今だ!全員で攻撃を集中しろ!」
大地の声に応じて、フィーネ、ロイク、エリオットがそれぞれの力を解放し、一斉に原初の断片に攻撃を叩き込んだ。


原初の断片は悲鳴を上げながら崩壊し、黒い結晶はその輝きを失って静かに砕け散った。広間全体に静寂が訪れ、一行はようやく安堵の息をついた。

「やったのか……?」
ロイクが盾を下ろしながら呟いた。

「封印は守られた。でも、まだすべてが終わったわけじゃない。」
フィーネが剣を収めながら答える。

エリオットが結晶の破片を調べ、険しい表情を浮かべた。
「これで原初の王の覚醒は防げたはずだ。でも、封印そのものが危険な状態であることに変わりはない。」


砦に戻る道中、大地は空を見上げながら呟いた。
「これが本当に最後だったのかな……。」

フィーネが大地の肩に手を置き、力強く言った。
「最後かどうかは分からない。でも、私たちがここまで来られたのは、お前の力と意志のおかげだ。これからも一緒に戦おう。」

「そうだね……。どんな未来が待っていても、俺たちは立ち向かえる。」
大地は剣を握りしめ、決意を新たにした。
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