ドゥームレジスター

バルッ!!

文字の大きさ
41 / 55

0041

しおりを挟む
影の封印を守り抜いた一行は、砦に戻り、これまでの戦いの記録を整理していた。しかし、彼らの安堵は長くは続かなかった。影の断片が消えたことで、世界に平和が戻るかと思われたが、状況は逆に不穏な方向へと進んでいた。

砦の見張り台から緊急の報告がもたらされた。
「空が赤く染まり、北東の地平線に巨大な影が現れています!」

大地たちは砦の外に出て、空を見上げた。そこには、これまで見たこともないほど大きな赤い光が空を覆い、影のようなものが地平線を越えて漂っている。

「これは……どういうことだ?」
ロイクが驚愕の声を漏らす。

エリオットが眉をひそめ、古代の文献を急いで確認する。
「この現象……古代の記録にある『原初の兆し』と酷似している。」

「原初の兆し?」
フィーネがエリオットを見つめて問いかける。

エリオットは険しい顔で頷いた。
「原初の王が完全に目覚める前兆だ。影の封印を守ったことで、封印の力が逆に解放される圧力を生み出している可能性がある。」


その時、砦に一人の老人が訪れた。彼はボロボロのローブを纏い、長い杖を携え、目には不思議な光が宿っていた。

「貴方たちが封印を守った者たちか……。」
老人が低い声で話し始めた。

「そうだ。だが、封印が守られたのに、なぜこんなことが起きている?」
大地が剣を握りしめながら問いかける。

老人は静かに頷き、答えた。
「封印を守ることは、原初の王の力を抑え込むことだ。しかし、その力が長い年月を経て膨大に蓄積されてしまった結果、封印そのものが耐えきれなくなりつつある。」

「つまり、封印を守ったことで逆に原初の王を目覚めさせる力が高まったということか。」
エリオットが冷静に分析する。

老人はさらに話を続けた。
「原初の王を完全に目覚めさせず、封印の力を調和に導くためには、世界に散らばる古代の『調和の柱』を再起動させる必要がある。」

「調和の柱?」
フィーネが疑問の声を上げる。

「調和の柱は、封印が作られた当初に設置された装置だ。それは世界全体の力を均衡させる役割を持つ。しかし、長い年月の間にその機能が失われてしまった。」


一行は老人から聞いた情報を元に、調和の柱を探す旅に出ることを決意した。柱の位置は地図には記されておらず、古代の伝承や文献を頼りに進む必要がある。

「私たちが次に行くべき場所はどこだ?」
ロイクがエリオットに問いかける。

エリオットが古代の文献を読み進め、答えを導き出した。
「まずは『忘却の海』と呼ばれる場所だ。そこに調和の柱の一つが眠っていると言われている。」

「忘却の海か……また厄介な場所になりそうだな。」
ロイクが苦笑する。

「だが、どれだけ厳しい道でも進むしかない。この世界を守るために。」
大地が力強く答えた。


一行は準備を整え、北東に位置する忘却の海を目指して出発した。そこは広大な砂漠と塩の大地が広がり、過去に多くの探検者たちが迷い込んだ場所として知られている。

「忘却の海は単なる自然の脅威だけじゃない。何かしらの仕掛けがあるはずだ。」
エリオットが慎重に言う。

「どんな試練が待っていても、俺たちは乗り越える。」
大地が剣を握りしめ、仲間たちを鼓舞した。

赤い空の下、新たな戦いの始まり
忘却の海を進む中、一行は不気味な静寂に包まれていることに気付く。空に漂う赤い光が大地を染め、異様な雰囲気を漂わせていた。

「ここが……忘却の海か。」
フィーネが低く呟く。

突然、周囲の塩の地面が動き出し、白い砂嵐が一行を包み込む。その中から巨大な影が現れ、その姿はまるで地そのものが生きているかのようだった。

「また敵か!」
ロイクが盾を構えた。

「これが調和の柱を守る存在かもしれない……!」
エリオットが冷静に分析する。

「行くぞ!この試練を乗り越えないと前に進めない!」
大地が叫び、一行は再び武器を構えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...