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目覚めたら狐耳美少女でした。
しおりを挟む「……う、うぅ……なんだこの頭の痛さは……。昨夜、俺は……」
頭を抱えながら、男は起き上がった。
重いまぶたをこじ開けて、ようやく視界がはっきりすると、そこは――見慣れた自宅、兼・研究所だった。
「……ここは……俺の研究所……だな? 机も棚もそのままだ。よし。なら昨日は夢だったということに――」
そのとき、目に飛び込んできたものがある。
床いっぱいに描かれた、見覚えのない巨大な魔方陣。
その中心に、狐のお稲荷様らしき像がちょこんと座っていた。
「…………ああ?」
理解が追いつかない。
「な、なんだこれは!? 誰だこんなふざけた陣を……っていうか、俺はこの上で寝てたのか!?」
自分でも信じられないが、どうやら事実らしい。
昨晩は魔術ギルドの仲間との飲み会で、泥酔した記憶はある。
そこまでは覚えている。問題はそのあとのことだ。
「まさか……酔っ払って帰ってきて、自分で陣を書いた……とか?」
自分の頭を疑いたくなる。
そんなときだった。
「おいおい、やっと起きたのかい、マスター!」
甲高い、やけに元気な声が部屋中に響いた。
「……!? だ、誰だ!?」
リドは反射的に魔力を練る。だが、どこからともなく聞こえるその声の主が見つからない。
――ふと、視線の先にある鏡が目に入った。
そこに映っていたのは、信じられない光景だった。
「…………えっ」
鏡に映っていたのは――
橙色のふわふわ髪に、もふもふの狐耳、黄金の瞳。肌は透き通るように白く、小柄な少女
だが、その顔にはどこか見覚えがある。
「…………俺、か?」
その瞬間、床の魔方陣が淡く光り、キーンという音とともにお稲荷像が口を開いた。
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「ふざけるなああああああああああああ!!!!!」
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