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第一章 初恋
第四話 勉強会
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一学期末のテストが近づく6月後半。今日は、細田君の家でみんなで勉強会をすることになった。これには、いろいろな苦労というか、道のりがあった。
部活の見学に行った後から、細田君と目が合うことが多くなった気がする。今迄はそんなことなかったのに、今更なんでなんだろうと思っていたものの、理由はよくわからなかった。そんなある日、琴美が今回のテストがかなり不安だから勉強を教えてほしいと言われた。それを聞いたまな香が、なら何人か呼んで勉強会をしようと言い出した。琴美も賛成してたのもあって、私もその話に乗ることにした。
その日のうちに、私は栞ちゃんにまな香は冬也と細田君に参加を募ってみた。ありがたいことに全員来てくれることになった。最初は図書館はどうかという話になっていた。でも、教えるのには不向きではないかという理由で誰かの家はどうかという話になった。私の家は、近々母が帰ってくるから難しかった。他もそれぞれに家は難しそうだという中、細田君だけは大丈夫だと言ってくれた。よって、場所と人数は決まった。
問題は、日程の問題だった。日程だけがどうにも合わず、気づけば6月も半ばになっていた。連絡を取りやすくするために作ったグループも1週間前に
私『いつなら大丈夫そう?』
まな香『いつでも大丈夫』
冬也『日曜のがありがたいかな、日曜ならいつでも大丈夫』
琴美『私も同じくいつでも』
栞『私もいつでもいいよ!!』
勇利『ごめん、ちょっとわかんないや
確認でき次第連絡する!!』
のまま止まっている。
これは結構厳しい家だったりするのかもしれないと、気の毒になっていた。でも、遊ぶわけでもないしあくまでも勉強会だから許してくれるのではないかと思っていた。冬也に、何となく聞いてほしいと頼んでみた。
すると、その日の放課後すぐに通知が鳴った。画面を見るとそれはやはり細田君からだった。
勇利『ごめんお待たせしました!!今月の最終週の日曜はどうかな?』
私『了解!私は大丈夫だよ』
その後、みんな「ok!」とスタンプを送信した。やっと日にちも決まって、あとはその日が来るのを待つだけになった。
「あっそうだ。雪菜、もしかしてだけど、あとは当日まで大丈夫とか思ってんじゃないよね?」
と、帰り道でいきなりまな香に言われた。
「え、そうだけど。何か間違ってる?」
私は全くわからずにきょとんとしていた。まな香は信じられないといった呆れた顔をされた。
「あのね!初めて私服見てもらうタイミングですっごいダッサイ格好なんてできないでしょ?ただの勉強会だなんて思わないほうがいいと思うよ」
「そ、そうなのかな。さすがにジャージとかで行くつもりはないけどそんなに気合入れるつもりもないかな」
「あーもーほんとにそうゆうとこだよ。たまーにあんたがフラれる原因もそうゆうとこにあるんだよ。とにかく、勉強会の前の日は、うちで服決めるからね。ハイ決定。」
と、強引に話を進められその日はお互い親が帰ってきていたためにそれぞれの家に帰った。
そして、勉強会の前日私は、ある程度の服をもってまな香の家に行った。まな香に服を見せると即座にこれとこれを着てみろと言われて着替えた。そして着替えてみせるとこれこっちに変えてと、言われてまた着替えた。これを10回は繰り返して、やっと決まった。午前中から始めたはずだったのに、気づけば3時になっていた。2人で近くのカフェに行ってお昼を食べて、テスト範囲の確認と一緒に行く時間を決めて家に帰った。
このようなことがあって、勉強会をすることになり細田君の家のある街に向かう電車に乗っている今に至る。もうすぐそっちの駅に着きます、と送信した。なぜかその指が少し震えていた。
部活の見学に行った後から、細田君と目が合うことが多くなった気がする。今迄はそんなことなかったのに、今更なんでなんだろうと思っていたものの、理由はよくわからなかった。そんなある日、琴美が今回のテストがかなり不安だから勉強を教えてほしいと言われた。それを聞いたまな香が、なら何人か呼んで勉強会をしようと言い出した。琴美も賛成してたのもあって、私もその話に乗ることにした。
その日のうちに、私は栞ちゃんにまな香は冬也と細田君に参加を募ってみた。ありがたいことに全員来てくれることになった。最初は図書館はどうかという話になっていた。でも、教えるのには不向きではないかという理由で誰かの家はどうかという話になった。私の家は、近々母が帰ってくるから難しかった。他もそれぞれに家は難しそうだという中、細田君だけは大丈夫だと言ってくれた。よって、場所と人数は決まった。
問題は、日程の問題だった。日程だけがどうにも合わず、気づけば6月も半ばになっていた。連絡を取りやすくするために作ったグループも1週間前に
私『いつなら大丈夫そう?』
まな香『いつでも大丈夫』
冬也『日曜のがありがたいかな、日曜ならいつでも大丈夫』
琴美『私も同じくいつでも』
栞『私もいつでもいいよ!!』
勇利『ごめん、ちょっとわかんないや
確認でき次第連絡する!!』
のまま止まっている。
これは結構厳しい家だったりするのかもしれないと、気の毒になっていた。でも、遊ぶわけでもないしあくまでも勉強会だから許してくれるのではないかと思っていた。冬也に、何となく聞いてほしいと頼んでみた。
すると、その日の放課後すぐに通知が鳴った。画面を見るとそれはやはり細田君からだった。
勇利『ごめんお待たせしました!!今月の最終週の日曜はどうかな?』
私『了解!私は大丈夫だよ』
その後、みんな「ok!」とスタンプを送信した。やっと日にちも決まって、あとはその日が来るのを待つだけになった。
「あっそうだ。雪菜、もしかしてだけど、あとは当日まで大丈夫とか思ってんじゃないよね?」
と、帰り道でいきなりまな香に言われた。
「え、そうだけど。何か間違ってる?」
私は全くわからずにきょとんとしていた。まな香は信じられないといった呆れた顔をされた。
「あのね!初めて私服見てもらうタイミングですっごいダッサイ格好なんてできないでしょ?ただの勉強会だなんて思わないほうがいいと思うよ」
「そ、そうなのかな。さすがにジャージとかで行くつもりはないけどそんなに気合入れるつもりもないかな」
「あーもーほんとにそうゆうとこだよ。たまーにあんたがフラれる原因もそうゆうとこにあるんだよ。とにかく、勉強会の前の日は、うちで服決めるからね。ハイ決定。」
と、強引に話を進められその日はお互い親が帰ってきていたためにそれぞれの家に帰った。
そして、勉強会の前日私は、ある程度の服をもってまな香の家に行った。まな香に服を見せると即座にこれとこれを着てみろと言われて着替えた。そして着替えてみせるとこれこっちに変えてと、言われてまた着替えた。これを10回は繰り返して、やっと決まった。午前中から始めたはずだったのに、気づけば3時になっていた。2人で近くのカフェに行ってお昼を食べて、テスト範囲の確認と一緒に行く時間を決めて家に帰った。
このようなことがあって、勉強会をすることになり細田君の家のある街に向かう電車に乗っている今に至る。もうすぐそっちの駅に着きます、と送信した。なぜかその指が少し震えていた。
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