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第16話 術後5日目 ~総合病院:退院日(鼻のメンテナンス準備大作戦)~
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退院を控え、私は自宅での鼻ケアという新たなミッションに立ち向かうことになった。看護師さんから渡されたメンテナンス用品リストを見て、まるで秘密基地の装備一覧を眺めているような気分。
1.綿球(鼻の救世主)
「鼻の乾燥を防ぐため、綿球を購入しました」——と書くのは簡単だが、ドラッグストアの綿球コーナーは地味に修羅場。大きさ、材質、ブランドが群雄割拠している。私は「ふわふわ度」と「コスパ」のバランスで中間グレードを選択。鼻にとって最初のVIP待遇だ。
2.鼻洗浄液(家計を直撃する液体ゴールド)
毎日2回の鼻洗浄。病院では生理食塩水だった。市販500mlが200円……一見安いようで、恐るべき計算式がこちら。
1日2回 × 500ml = 1,000ml
1,000ml ÷ 500ml = 2本/日
2本 × 200円 = 400円/日
400円 × 30日 = 12,000円/月
月12,000円! 我が家のエンゲル係数ならぬ「ハナゲル係数」が跳ね上がる。家族会議の議題が「鼻 vs 食費」になる前に、救世主が現れた。ハナクリーンの専用洗浄剤である。ぬるま湯に溶かして使い、1袋で300ml作れる——魔法の粉か。
ただし看護師さんの指令は「1回500ml」。仕様は「1袋300ml」。この数学的矛盾に対し、私は大胆に解を出した。2袋=600mlで作る。少し多めだが、毎回きっちり500mlを量るより圧倒的に楽だ。
結果、
1日2回 × 2袋 = 4袋/日
4袋 × 60日(2か月) = 240袋
となる。Amazonで「サーレMP 180回分(お買い得)」を購入。残りは後で足す作戦だ。なお「お買い得です」は妻への予防線である。高い買い物の鉄則:まずお得感を提示。
3.DIY測量システム(ペットボトル改造計画)
専用のメジャーを買えば早いのだが、手作り派の血が騒いだ。1リットルのペットボトルにマジックで「600ml」の目印を入れる。そこまでぬるま湯→粉を2袋ドバッ→優しくシェイク。毎回の準備が30秒は短縮され、妙な達成感がある。小学生の自由研究の延長線上に、今日の鼻ケアがあるのだ。
完了——のはずが、その後の現実
準備は万端。だが生活で回し始めて分かったこともある。
1週間後
・綿球:思ったより消費が早い(1日10個ペース)
・洗浄剤:2袋だと少し“しょっぱい”日がある(ぬるま湯の温度や溶け具合で体感が変わる)
・ペットボトルの目印:徐々に薄れる(油性マジック推奨)
1か月後の追加購入リスト
・綿球(追加)
・油性マジック(目印補修用)
・予備ペットボトル(衛生管理のため定期交換)
教訓
鼻のメンテは、意外に奥が深い。準備段階で「完璧!」と思っても、運用で改善点が見えてくる。今では朝夕の鼻洗浄が日課となり、ペットボトルの目印を見るたびに「俺って天才かも」と小さくうなずく。そして——月12,000円の呪縛から解放された安堵感は大きい。家計を守りつつ鼻の健康も守る。これぞ現代の賢い患者、である。
(注)洗浄液の濃度や使用量、作り方は必ず製品の説明書・医療者の指示に従ってください。ぬるま湯は熱すぎず冷たすぎず。ツーンと来たら濃度や温度を見直すのが合図。
1.綿球(鼻の救世主)
「鼻の乾燥を防ぐため、綿球を購入しました」——と書くのは簡単だが、ドラッグストアの綿球コーナーは地味に修羅場。大きさ、材質、ブランドが群雄割拠している。私は「ふわふわ度」と「コスパ」のバランスで中間グレードを選択。鼻にとって最初のVIP待遇だ。
2.鼻洗浄液(家計を直撃する液体ゴールド)
毎日2回の鼻洗浄。病院では生理食塩水だった。市販500mlが200円……一見安いようで、恐るべき計算式がこちら。
1日2回 × 500ml = 1,000ml
1,000ml ÷ 500ml = 2本/日
2本 × 200円 = 400円/日
400円 × 30日 = 12,000円/月
月12,000円! 我が家のエンゲル係数ならぬ「ハナゲル係数」が跳ね上がる。家族会議の議題が「鼻 vs 食費」になる前に、救世主が現れた。ハナクリーンの専用洗浄剤である。ぬるま湯に溶かして使い、1袋で300ml作れる——魔法の粉か。
ただし看護師さんの指令は「1回500ml」。仕様は「1袋300ml」。この数学的矛盾に対し、私は大胆に解を出した。2袋=600mlで作る。少し多めだが、毎回きっちり500mlを量るより圧倒的に楽だ。
結果、
1日2回 × 2袋 = 4袋/日
4袋 × 60日(2か月) = 240袋
となる。Amazonで「サーレMP 180回分(お買い得)」を購入。残りは後で足す作戦だ。なお「お買い得です」は妻への予防線である。高い買い物の鉄則:まずお得感を提示。
3.DIY測量システム(ペットボトル改造計画)
専用のメジャーを買えば早いのだが、手作り派の血が騒いだ。1リットルのペットボトルにマジックで「600ml」の目印を入れる。そこまでぬるま湯→粉を2袋ドバッ→優しくシェイク。毎回の準備が30秒は短縮され、妙な達成感がある。小学生の自由研究の延長線上に、今日の鼻ケアがあるのだ。
完了——のはずが、その後の現実
準備は万端。だが生活で回し始めて分かったこともある。
1週間後
・綿球:思ったより消費が早い(1日10個ペース)
・洗浄剤:2袋だと少し“しょっぱい”日がある(ぬるま湯の温度や溶け具合で体感が変わる)
・ペットボトルの目印:徐々に薄れる(油性マジック推奨)
1か月後の追加購入リスト
・綿球(追加)
・油性マジック(目印補修用)
・予備ペットボトル(衛生管理のため定期交換)
教訓
鼻のメンテは、意外に奥が深い。準備段階で「完璧!」と思っても、運用で改善点が見えてくる。今では朝夕の鼻洗浄が日課となり、ペットボトルの目印を見るたびに「俺って天才かも」と小さくうなずく。そして——月12,000円の呪縛から解放された安堵感は大きい。家計を守りつつ鼻の健康も守る。これぞ現代の賢い患者、である。
(注)洗浄液の濃度や使用量、作り方は必ず製品の説明書・医療者の指示に従ってください。ぬるま湯は熱すぎず冷たすぎず。ツーンと来たら濃度や温度を見直すのが合図。
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