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第27話
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現在、上空にいます。多分四国辺りを飛んでいる頃だと思うのですが、隣から不穏な空気が滲み出ている為早期到着を求めます。
目に入れたくないのだが、隣の席で体内の吐瀉物と交戦を繰り広げる斗真の姿が存在しているのである。本当に眠ってしまおうかと考えたが、残り30分程度での到着。なんという微妙な。
実際吐き出す様子を繰り返しているが、全く姿を現さないまま1時間近く飛んでいるのだ。いや、できる事なら姿は見たくないのだが。
おそらく返事をする余裕もないだろうと声をかけることすらしていないが、目を瞑ろうと謎の呻き声に合わせるようビニールのカサカサとした音が絶えず響いている。かなり苦痛な時間を過ごしているのは分かるが、何故そこまで弱いのだろうか。
アスファルトを踏み、ようやく地に戻ってきた我々一同は傍観していた。
その青い海を。風が吹けば感じる塩の香りを。照りつける日差しを。結局吐かなかった斗真を。
「なんか…ふぉんって…降りたら降りたでしんどい…」
もう手遅れなのだろうか。宿に置いて行きたいまであるのだこの男。
「月見くん結局耐えたんだ…」
少し離れた場所で状況を把握していた紫苑さんは苦笑と大荷物を提げてこちらを見ていた。初っ端から本当に申し訳ない限りである。
「すいません馬鹿がご迷惑お掛けして…」
「ものすごい酔ってたもんね…」
この後、1日目に課された自由行動なるものに移るのだがこの面子である。勿論なにも考えなどあるはずもない。特に何かを探すわけでもなく、ただただ脚を動かしていた。
「…沖縄って何があるんだっけ?」
「首里城くらいしか知らないんだけど。」
空港から拝借したパンフレット的なものを眺めていても、食にまつわる事が殆どを占めていた。というか海鮮がとんでもなく食欲を唆るのだが。
「全員初めてだしこうなるのは予想してたけど…」
「こうなったら無難に水族館か?」
完全復活を遂げた斗真から発せられた言葉は、疲れを感じさせないほどまでに完治した様だった。
「いや…ここから美ら海水族館まで徒歩で行くなら丸一日以上かかるから無理かと。」
本島全体のマップ的なパンフレットを開きながら語るに、現在は首里城付近にいる事がなんとなく見て取れた。
「それじゃ、首里城‼︎行きますか?」
今日一日余り言葉を発していない御影ちゃんが唐突に切り出した様だ。もしかして俗に言う歴女というやつなのだろうか。
歩き始めて早2時間ほどが経過した。運動不足の極みと言っても過言ではない我々は体力の危機に瀕していた。
「相変わらずだなお前ら…」
「うるせ…常人なら2時間歩いたら疲れるでしょ…」
「んなわけねえだろ鳴上を見ろ。全然平気だろうが。」
紫苑さんはどちらかというと運動不足サイドではないだろう。そんな事を言う間もないほど疲労に蝕まれている様だ。これ二泊三日持最後までつのだろうか。
「まーまー、気にしないでゆっくり行けばいいよ!ほらもうすぐ着くよ、多分!」
そう言うとお構いなしで歩調を早めていった。それに続く様斗真もこちらを見ながら紫苑さんについて行った。
「…あの二人、案外くっつきそうだな…」
「あれ、日向ちゃん男女間の恋愛もイケるの?」
「元からそれ以外が存在してませんが。」
ふと木々の隙間から赤い瓦屋根が見えた様な気がして、紫苑さんの言葉をもう一度脳内で唱えたのちにゆっくりと姿勢を整えて歩き出した。
俺一人かよとほざいていた斗真もなにかと楽しそうな様子で、この後も少しばかり安心して楽しめそうな気がした。
目に入れたくないのだが、隣の席で体内の吐瀉物と交戦を繰り広げる斗真の姿が存在しているのである。本当に眠ってしまおうかと考えたが、残り30分程度での到着。なんという微妙な。
実際吐き出す様子を繰り返しているが、全く姿を現さないまま1時間近く飛んでいるのだ。いや、できる事なら姿は見たくないのだが。
おそらく返事をする余裕もないだろうと声をかけることすらしていないが、目を瞑ろうと謎の呻き声に合わせるようビニールのカサカサとした音が絶えず響いている。かなり苦痛な時間を過ごしているのは分かるが、何故そこまで弱いのだろうか。
アスファルトを踏み、ようやく地に戻ってきた我々一同は傍観していた。
その青い海を。風が吹けば感じる塩の香りを。照りつける日差しを。結局吐かなかった斗真を。
「なんか…ふぉんって…降りたら降りたでしんどい…」
もう手遅れなのだろうか。宿に置いて行きたいまであるのだこの男。
「月見くん結局耐えたんだ…」
少し離れた場所で状況を把握していた紫苑さんは苦笑と大荷物を提げてこちらを見ていた。初っ端から本当に申し訳ない限りである。
「すいません馬鹿がご迷惑お掛けして…」
「ものすごい酔ってたもんね…」
この後、1日目に課された自由行動なるものに移るのだがこの面子である。勿論なにも考えなどあるはずもない。特に何かを探すわけでもなく、ただただ脚を動かしていた。
「…沖縄って何があるんだっけ?」
「首里城くらいしか知らないんだけど。」
空港から拝借したパンフレット的なものを眺めていても、食にまつわる事が殆どを占めていた。というか海鮮がとんでもなく食欲を唆るのだが。
「全員初めてだしこうなるのは予想してたけど…」
「こうなったら無難に水族館か?」
完全復活を遂げた斗真から発せられた言葉は、疲れを感じさせないほどまでに完治した様だった。
「いや…ここから美ら海水族館まで徒歩で行くなら丸一日以上かかるから無理かと。」
本島全体のマップ的なパンフレットを開きながら語るに、現在は首里城付近にいる事がなんとなく見て取れた。
「それじゃ、首里城‼︎行きますか?」
今日一日余り言葉を発していない御影ちゃんが唐突に切り出した様だ。もしかして俗に言う歴女というやつなのだろうか。
歩き始めて早2時間ほどが経過した。運動不足の極みと言っても過言ではない我々は体力の危機に瀕していた。
「相変わらずだなお前ら…」
「うるせ…常人なら2時間歩いたら疲れるでしょ…」
「んなわけねえだろ鳴上を見ろ。全然平気だろうが。」
紫苑さんはどちらかというと運動不足サイドではないだろう。そんな事を言う間もないほど疲労に蝕まれている様だ。これ二泊三日持最後までつのだろうか。
「まーまー、気にしないでゆっくり行けばいいよ!ほらもうすぐ着くよ、多分!」
そう言うとお構いなしで歩調を早めていった。それに続く様斗真もこちらを見ながら紫苑さんについて行った。
「…あの二人、案外くっつきそうだな…」
「あれ、日向ちゃん男女間の恋愛もイケるの?」
「元からそれ以外が存在してませんが。」
ふと木々の隙間から赤い瓦屋根が見えた様な気がして、紫苑さんの言葉をもう一度脳内で唱えたのちにゆっくりと姿勢を整えて歩き出した。
俺一人かよとほざいていた斗真もなにかと楽しそうな様子で、この後も少しばかり安心して楽しめそうな気がした。
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作者ツイッター: twitter/minori_sui
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