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第1部
第5話 聖なる装甲
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牢が並ぶ中には、あらゆる悪魔が並べられていた。何処の者なのかすら判別不能なまでに肉体を破壊され、血液に塗れたものがいつまでも腐敗している。清潔だった筈の建物とは思えない光景が、この先に延々と連なっていた。
「アンドロマリウス」
「はい」
ベルゼブルの声に反応し、背後の空間から姿を見せる蛇。アンドロマリウスは邪悪なる存在を感じ取り、発見する能力。いわば、罪人センサーのようなものだ。
ボティスは蛇と一体化している姿だが、アンドロマリウスは蛇と人間の双方が本体となり別行動を行なっている。ここに現れたのは、蛇の方だ。
「アガリアレプトから概要は聞いてるな?」
「はい。しっかりと標的はこの建物内に」
「分かった。案内しろ」
アンドロマリウスは、直線にあるエレベーターに乗り30階を押すよう伝えた。最上階に居座るとは、権力を持て余した存在を具現化したようなものだなと苦笑する。
先程と同じようにエレベーターへ乗り込み、長い移動に暇を持て余してため息に似たものを吐き出した。ふと、ガラス張りの外側にて、入り口付近から現れた6柱とボティスの姿を確認。駆けつけたDRの増援に囲まれていたので、彼らがどう切り抜けるかを傍観することにした。
「んー?野郎ばっかりだね、ウチ何もできないや」
けらけらと笑いながら言葉を飛ばしたサタナキア。彼女の能力は、女性を意のままに操ることができる能力だ。どうやらこの場には出番がないらしい。
「私が手を出すと、大量虐殺ですよ」
ルキフグが続ける。彼女の能力はあらゆる宝物の管理という、戦闘には無縁に聞こえるが、それ故にどの宝物の扱いにも慣れている。しかし一般の武具を扱った事がないので、宝物に値するレベルの武具のみを扱えるといった具合だ。
すると、1人の隊員らしき男が装備を構えて叫ぶ。
「動くな‼︎貴様ら、あろうことかDR本部に奇襲を掛けるなど何のつもりだ⁉︎」
続くように四方八方の銃口がこちらを向き、完全に戦闘を避けられない体制になっていた。
「えーなに?アンタらが撒いた餌にわざわざかかってあげたのにー、超不服なんですけど」
「面倒ですね。サルガタナスが居れば簡単に帰れるのですが」
フルーレティは天に向けて手を翳し、振り下ろす。
「まあ、流石に死人は出ないでしょう」
頭上から降り注ぐ氷の球。俗に言う、豹だ。
冷たい空気が一瞬で地を制し、その気温は零を簡単に下回った。
「なっ……なんだ⁉︎」
「総員、一時撤退せよ‼︎車の中だ‼︎」
次々と車両の中に身を隠すDR隊員一同は呆気なくその道を6柱に開いた。
「よっわーい。人間ほんと不便だよねー」
「サタナキア、あんまり煽るなよ」
髪をくしゃくしゃと掻くアガリアレプトに満面の笑みを浮かべたサタナキアは、フルーレティにハイタッチを求めたが軽くスルーされた。
「さて、帰りますよ。ボティス、まだ歩けますか」
「はっ……はい」
すると一歩踏み出した先に一台の自動車が停車する。なんとなく、見覚えのある面々がフロントガラスの先に映っていた。
「おや、こちらの餌も現れるとは」
エレベーターは29階を通り越し、眼前の亀裂から扉を両サイドにスライドさせて景色を見せる。
どうもこういうギラギラとした悪趣味なものは苦手なのだが、王故に求められる場面は多々ある。
別に、上位で君臨していようとどうするかというのは自身の勝手なのだ。イメージに囚われて生活すると言うのは、あまりに滑稽な王ではないだろうか。
いや、他者の作った概念に頼るのは、王として如何なものか。
相変わらず、エントランスとなんら変わり映えしない人間が地を這っている。その顔はアンドロマリウスが指すものだと理解を完了させた。
「シャックス。もういいぞ」
「承知いたしました」
奪っていた視覚と聴覚を返還し、逃げ惑い叫ぶその人間へ言葉をかけた。
「よぉ」
「うっわぁ⁉︎」
突然取り戻した感覚に順応するには時間が少々必要になるだろうが、まあ構わない。
「お前、俺のこと知ってるか?」
「誰だ貴様は‼︎ここは上位の者のみが立ち入る事ができる神聖な場だぞ‼︎」
肉の塊に油をかけたような、今すぐにでも引火してしまいそうなその生物は、畏怖に満ちた表情で尻を滑らせ後退りをした。
「俺は獄の三代支配者ベルゼブル。なんでこうなったか分かってんだろ、なあ」
眼前にしゃがみ込んで、顔を見合わせる。見れば見るほど、裕福な生活をしているのだろうというのが滲み出ていた。
「あっ……悪魔か⁉︎それに三代支配者とは……アガリアレプトめ、裏切ったな⁉︎今すぐにでもボティスを——」
男の首を掴み、立ち上がる。汗なのか何なのか、随分と滑るが、爪を立てていれば引っかかって落とすことはないだろう。
「いつからアガリアレプトがてめえの側に付いてると思ってやがる?勘違いにくだらねえ交換条件でボティスを毎日毎日実験台にして……」
息苦しそうに暴れるそれから手を離し、汚れた手をポケットの中に突っ込む。見下ろした表情の下で、しっかりと血が流れていた。
「あぁ……その通りだ。奴は良い実験台になった」
「てめぇ……」
「だからこそ、貴様らを殲滅できる兵器が生まれたのだよ」
男はしわがれた声で震えながら内ポケットに手を伸ばす。軽快なアラーム音と共に、何かが動いている気配を感じた。
「おいおい、6柱が4人もいるじゃねえか。コイツは大ピンチだ」
ガラスの先に並んだ影を見つめるベリアルが不穏そうな顔で苦笑する。フルーレティを殺すほどの攻撃ができない現在のベリアルに、6柱4人は圧倒的不利を見出す他なかった。
「行くぞお前ら‼︎」
隊長の声で、4人と1匹が車から飛び降りる。その先に対峙した6柱に、ベリアルの声が響いた。
「よぉ。アガリアレプトの罪は冤罪だったのか」
「まぁ、こちらが勝手に疑っていただけでしたね。彼は彼なりの正義を貫いただけ、とでも言いましょうか」
「フルーレティ、なんかそれ恥ずかしいからやめろ」
アガリアレプトのツッコミはフルーレティの言葉を遮り、本来我々がすべき会話話題をに移行した。
「というか、ベリアルはDRに味方するというのですか?」
「いや、まずはどういった理由で今回この件を引き起こしたのか聞こうじゃないか」
隊長が、いつものあのメガホンで語りかける。フルーレティはまだ聞く耳を持つかもしれないが、その他は初見だ。全く詳細が掴めない。
「DR本部。つまりこの建物の地下7階……そこに、何があるかご存知ですか?」
フルーレティは戦闘を開始する気はないようで、話し合いに徹してくれるらしい。他の6柱も、すぐに手を出してくることはなさそうだ。
「いや……地下3階以下は上層部の極秘故我々は知らない。そこがどうかしたのか?」
「そうですか。アガリアレプト、彼は嘘をついて」
「いない。これは真実だ」
アガリアレプトの能力で確かめられた真偽は、勿論事実。アガリアレプトの能力は、使い方次第でとんでもなく強力なカードになるものだ。
「DR地下7階には、牢獄があるのですよ」
「なんだと⁉︎」
隊長はじめ、今まで沈黙していた我々隊員全員が顔を驚きで満たした。自身が属する職務の上層が隠していたものがあまりに予想の斜め上をなぞったからだ。
「その牢には、ありとあらゆる悪魔が繋がれていました。我々6柱も、アガリアレプト支配下のボティスが拘束されていなければその存在には気付きませんでしたよ」
長髪の女性の形をした悪魔の背後から、蛇を模した女の悪魔が現れる。あれが、アガリアレプト支配下のボティス。
つまり、一番最初にブエルが送り込まれてきたのはボティスが拘束されていたかららしい。
「そんな……⁉︎DRがなんでそんな事を⁉︎」
浦矢が叫ぶ。すると、まるでクイズ番組の答え合わせをするかのように、その質問にフルーレティが答えた。
「ここ近年で現れた、対悪魔専用兵器……確かに微々たる効果しか発揮できませんが、何故か悪魔の身体に損傷を負わせる事ができる。それはつまり、さらった悪魔を実験台にして開発されたということではありませんか」
隣で、アガリアレプトが頷く。どうやら、それが真実のようだった。
「なんでだよ……‼︎デビルレストレインだろ⁉︎悪魔を抑えるだけなんじゃなかったのかよ‼︎」
ふと、その声が溢れた。それが怒りなのかなんなのかは分からないが、一つわかることは、それがDRという組織に向けられて発した言葉だということだ。
「詳しいことは、帰ってからゆっくりアガリアレプトに調べてもらいます。ですが、DRのトップが今現在ベルゼブル様と対峙しておられるでしょう。殺すと言うわけにはいかないでしょうが……」
フルーレティのその言葉は、空より飛来した物体が地にめり込んだ衝撃で轟音を立てて掻き消された。
ガラス片を撒き散らしたその姿は、二つあった。
「ベル様……⁉︎」
「この野郎……‼︎」
その二つのうち一つは、ベルゼブル。三代支配者の一人で、ルシファー、アスタロトと並ぶ実力者だ。
もう一つの影と、どうやら取っ組み合っているらしい。土煙に隠れた先で、交戦が行われていた。
「どうなさいましたかベルゼブル様‼︎」
「ルキフグ、フルーレティは交戦しろ‼︎サタナキアとアガリアレプトはボティスを連れて早く帰れ‼︎」
ベルゼブルの影から巨大な羽根に似た形の影が生え、交戦する影を吹き飛ばす。その隙に体制を整えて、ベルゼブルはフルーレティとルキフグを側につけた。
「ベルゼブル様、敵の正体は?」
「分からねえ。だが、あれは悪魔じゃねえな」
土煙は町中を包み込み、完全に視界を奪う。そして、時々身体に当たる砂が痛いくらいまでに規模が発達しているらしい。
「おいトウヤ、今なら3課の誰にも見られず変身できるぜ」
「でも、フルーレティにすら勝てなかったんだろ。俺らが何できんだよ」
フルーレティの攻撃を避ける事が精一杯だったのが昨日のことで、勿論何も変わっていない今の我々に何かができるのかと言われれば何もできないだろう。というか、一情報量と敵が多すぎて根本から何もできなさそうだが。
「簡単だ。お前、オレ様を食うときは時時間がなくてコアだけ食うだろ?」
「そもそも全部は入らなかったんだけどな」
だが、確かにブエル戦バアル戦と続いてコアのみを使用して戦っている。ブエル戦の際、ベリアルは『この際不完全でも良い』といってコアだけを落としたのだ。
「そう。お前はオレ様を食える口のサイズじゃねえ。だから、まずオレ様のコアをお前の体内に送る」
「何も変わってねえじゃん」
「落ち着け。んで、お前の体内でオレ様はブエルコア使ってこの姿に戻る」
確かにそうすれば、口から全て摂取せずとも体内にベリアル全体を取り込む事ができるだろう。この話の流れだと、そうすればベリアルは強くなれる筈だ。
「ただし、オレ様が復活するまでの間この身体の主導権はお前が握ることになる。能力は引き継がれているが、思考や戦術に関してはどうしようもねえ。だからお前は、オレ様が戻ってくるまで生きているだけでいい」
「……分かった。コアをくれ」
ベリアルが赤黒い球に変化し、その姿で右掌に乗る。それを一気に口の中へ放り込み、大きな音を喉で立てて胃の中に送り込んだ。
「……おお、この身体ってこうなってんのか」
「いやぁ、トウヤが反抗してこなくなってオレ様は楽だぜ。さぁて、始めるか」
思考の中でベリアルがずっと謎の念を唱える。結構うるさいのだが、少しの我慢は仕方ない。
「ていうか、俺の中でお前が復活したら俺の胃袋どうなんの?」
『気にすんな。ってか話しかけんな』
「マジかよ……」
がくりと落とした肩を持ち上げて、ベリアルの視力を手に入れた視界で繰り広げられる交戦を観戦することにした。
どうやら交戦している相手の胸にはDRの紋章が刻まれているらしく、DRが作った兵器の類かと見受けられる。
「フルーレティ、足を奪え‼︎」
「承知」
空より飛来した巨大な豹の群れは、兵器の足元を直撃。氷に浸かり完璧に動けなくなったその兵器は、尋常でない蒸気の噴射で足元の冷気を消滅させた。そして、その反動で土煙は穴が空いたように消え去る。
姿を見せたその身は純白に包まれており、人間一人分といったサイズだった。
「ベルゼブル様、こいつは兵器ではありません」
「何……?」
フルーレティの声に疑念が生まれる。仁王立ちで構えるその兵器らしきものは、機械音を発した。
「聞け、悪魔よ。これはDR開発の対魔専用装甲兵器『EXSARD』だ」
どうやら、DRが開発した対悪魔専用のアーマードスーツらしい。しかし、三代支配者のベルゼブルに苦戦を強いているというのは、あまりに強いと言うことの証明なのではないだろうか。
「ダッセェなぁ‼︎」
「なに、この名に拘る必要など無いだろう」
ベルゼブルは、指を鳴らして炎の槍を生み出す。矛先を構えてエクサードに攻撃を仕掛けるも、耐熱効果があるのか掻き消されてしまった。
「上層が実験を繰り返して練り上げた最高傑作。この装甲は、悪魔のいかなる攻撃も通さん」
「やれ、お前ら‼︎」
その号令に合わせて、エクサードの背後より日本の剣撃が飛ぶ。
だが、それすらも両手の装甲を破ることは出来ないようだ。
「何ッ……⁉︎」
「くっ……‼︎」
後退りをするフルーレティとルキフグ。彼らが所持するは、ルキフグの能力で保管されていた剣たち。それすらも容易く防いでしまうこの装甲には、傷一つ付いていなかった。
「おいトウヤ。できたぜぇオレ様の修復‼︎」
そのベリアルの声と共に、戦いを傍観していた己の身に激痛が走る。おそらく、体内に生成されたベリアルの身体が胃袋を突き破ったのだろう。
「がっ……‼︎」
『安心しろ、すぐ変わるから痛覚はオレ様が負担してやる』
地に伏していると、身体の肋骨が集中している辺りから無数の紫色をした骨が飛び出していた。ベリアルとなったこの身体を俺自身がコントロール出来るまでは、かなりの時間がかかりそうだ。
「……よぉし、なかなかいいじゃねえか」
意識は遠のき、身体に現れていた痛覚、即ち触覚が消えた。内面から意識を飛ばしているだけでも分かるが、どうやらかなりパワーその他諸々が上がっているらしい。
『で、結局誰を攻撃すべきなんだ?』
「新手の輩は悪魔じゃねえなら食えねえしなぁ。かといってベルゼブルらが負けたらDRに回収されて食えなくなる」
どうやらベリアルが今現在味方すべきは、ベルゼブルと6柱だと判断したらしい。
俺は今、とりあえず危機っぽいので変身した。
確かにDRの計画を知って失望はしているが、自身がDRの隊員であることに変わりはないので完璧に反逆となってしまう。
だが、この身体をコントロールする権を今は持ち合わせていないのでどうすることもできないのだ。
「さぁ、食えねえけどテイスティングの時間だぜ」
「アンドロマリウス」
「はい」
ベルゼブルの声に反応し、背後の空間から姿を見せる蛇。アンドロマリウスは邪悪なる存在を感じ取り、発見する能力。いわば、罪人センサーのようなものだ。
ボティスは蛇と一体化している姿だが、アンドロマリウスは蛇と人間の双方が本体となり別行動を行なっている。ここに現れたのは、蛇の方だ。
「アガリアレプトから概要は聞いてるな?」
「はい。しっかりと標的はこの建物内に」
「分かった。案内しろ」
アンドロマリウスは、直線にあるエレベーターに乗り30階を押すよう伝えた。最上階に居座るとは、権力を持て余した存在を具現化したようなものだなと苦笑する。
先程と同じようにエレベーターへ乗り込み、長い移動に暇を持て余してため息に似たものを吐き出した。ふと、ガラス張りの外側にて、入り口付近から現れた6柱とボティスの姿を確認。駆けつけたDRの増援に囲まれていたので、彼らがどう切り抜けるかを傍観することにした。
「んー?野郎ばっかりだね、ウチ何もできないや」
けらけらと笑いながら言葉を飛ばしたサタナキア。彼女の能力は、女性を意のままに操ることができる能力だ。どうやらこの場には出番がないらしい。
「私が手を出すと、大量虐殺ですよ」
ルキフグが続ける。彼女の能力はあらゆる宝物の管理という、戦闘には無縁に聞こえるが、それ故にどの宝物の扱いにも慣れている。しかし一般の武具を扱った事がないので、宝物に値するレベルの武具のみを扱えるといった具合だ。
すると、1人の隊員らしき男が装備を構えて叫ぶ。
「動くな‼︎貴様ら、あろうことかDR本部に奇襲を掛けるなど何のつもりだ⁉︎」
続くように四方八方の銃口がこちらを向き、完全に戦闘を避けられない体制になっていた。
「えーなに?アンタらが撒いた餌にわざわざかかってあげたのにー、超不服なんですけど」
「面倒ですね。サルガタナスが居れば簡単に帰れるのですが」
フルーレティは天に向けて手を翳し、振り下ろす。
「まあ、流石に死人は出ないでしょう」
頭上から降り注ぐ氷の球。俗に言う、豹だ。
冷たい空気が一瞬で地を制し、その気温は零を簡単に下回った。
「なっ……なんだ⁉︎」
「総員、一時撤退せよ‼︎車の中だ‼︎」
次々と車両の中に身を隠すDR隊員一同は呆気なくその道を6柱に開いた。
「よっわーい。人間ほんと不便だよねー」
「サタナキア、あんまり煽るなよ」
髪をくしゃくしゃと掻くアガリアレプトに満面の笑みを浮かべたサタナキアは、フルーレティにハイタッチを求めたが軽くスルーされた。
「さて、帰りますよ。ボティス、まだ歩けますか」
「はっ……はい」
すると一歩踏み出した先に一台の自動車が停車する。なんとなく、見覚えのある面々がフロントガラスの先に映っていた。
「おや、こちらの餌も現れるとは」
エレベーターは29階を通り越し、眼前の亀裂から扉を両サイドにスライドさせて景色を見せる。
どうもこういうギラギラとした悪趣味なものは苦手なのだが、王故に求められる場面は多々ある。
別に、上位で君臨していようとどうするかというのは自身の勝手なのだ。イメージに囚われて生活すると言うのは、あまりに滑稽な王ではないだろうか。
いや、他者の作った概念に頼るのは、王として如何なものか。
相変わらず、エントランスとなんら変わり映えしない人間が地を這っている。その顔はアンドロマリウスが指すものだと理解を完了させた。
「シャックス。もういいぞ」
「承知いたしました」
奪っていた視覚と聴覚を返還し、逃げ惑い叫ぶその人間へ言葉をかけた。
「よぉ」
「うっわぁ⁉︎」
突然取り戻した感覚に順応するには時間が少々必要になるだろうが、まあ構わない。
「お前、俺のこと知ってるか?」
「誰だ貴様は‼︎ここは上位の者のみが立ち入る事ができる神聖な場だぞ‼︎」
肉の塊に油をかけたような、今すぐにでも引火してしまいそうなその生物は、畏怖に満ちた表情で尻を滑らせ後退りをした。
「俺は獄の三代支配者ベルゼブル。なんでこうなったか分かってんだろ、なあ」
眼前にしゃがみ込んで、顔を見合わせる。見れば見るほど、裕福な生活をしているのだろうというのが滲み出ていた。
「あっ……悪魔か⁉︎それに三代支配者とは……アガリアレプトめ、裏切ったな⁉︎今すぐにでもボティスを——」
男の首を掴み、立ち上がる。汗なのか何なのか、随分と滑るが、爪を立てていれば引っかかって落とすことはないだろう。
「いつからアガリアレプトがてめえの側に付いてると思ってやがる?勘違いにくだらねえ交換条件でボティスを毎日毎日実験台にして……」
息苦しそうに暴れるそれから手を離し、汚れた手をポケットの中に突っ込む。見下ろした表情の下で、しっかりと血が流れていた。
「あぁ……その通りだ。奴は良い実験台になった」
「てめぇ……」
「だからこそ、貴様らを殲滅できる兵器が生まれたのだよ」
男はしわがれた声で震えながら内ポケットに手を伸ばす。軽快なアラーム音と共に、何かが動いている気配を感じた。
「おいおい、6柱が4人もいるじゃねえか。コイツは大ピンチだ」
ガラスの先に並んだ影を見つめるベリアルが不穏そうな顔で苦笑する。フルーレティを殺すほどの攻撃ができない現在のベリアルに、6柱4人は圧倒的不利を見出す他なかった。
「行くぞお前ら‼︎」
隊長の声で、4人と1匹が車から飛び降りる。その先に対峙した6柱に、ベリアルの声が響いた。
「よぉ。アガリアレプトの罪は冤罪だったのか」
「まぁ、こちらが勝手に疑っていただけでしたね。彼は彼なりの正義を貫いただけ、とでも言いましょうか」
「フルーレティ、なんかそれ恥ずかしいからやめろ」
アガリアレプトのツッコミはフルーレティの言葉を遮り、本来我々がすべき会話話題をに移行した。
「というか、ベリアルはDRに味方するというのですか?」
「いや、まずはどういった理由で今回この件を引き起こしたのか聞こうじゃないか」
隊長が、いつものあのメガホンで語りかける。フルーレティはまだ聞く耳を持つかもしれないが、その他は初見だ。全く詳細が掴めない。
「DR本部。つまりこの建物の地下7階……そこに、何があるかご存知ですか?」
フルーレティは戦闘を開始する気はないようで、話し合いに徹してくれるらしい。他の6柱も、すぐに手を出してくることはなさそうだ。
「いや……地下3階以下は上層部の極秘故我々は知らない。そこがどうかしたのか?」
「そうですか。アガリアレプト、彼は嘘をついて」
「いない。これは真実だ」
アガリアレプトの能力で確かめられた真偽は、勿論事実。アガリアレプトの能力は、使い方次第でとんでもなく強力なカードになるものだ。
「DR地下7階には、牢獄があるのですよ」
「なんだと⁉︎」
隊長はじめ、今まで沈黙していた我々隊員全員が顔を驚きで満たした。自身が属する職務の上層が隠していたものがあまりに予想の斜め上をなぞったからだ。
「その牢には、ありとあらゆる悪魔が繋がれていました。我々6柱も、アガリアレプト支配下のボティスが拘束されていなければその存在には気付きませんでしたよ」
長髪の女性の形をした悪魔の背後から、蛇を模した女の悪魔が現れる。あれが、アガリアレプト支配下のボティス。
つまり、一番最初にブエルが送り込まれてきたのはボティスが拘束されていたかららしい。
「そんな……⁉︎DRがなんでそんな事を⁉︎」
浦矢が叫ぶ。すると、まるでクイズ番組の答え合わせをするかのように、その質問にフルーレティが答えた。
「ここ近年で現れた、対悪魔専用兵器……確かに微々たる効果しか発揮できませんが、何故か悪魔の身体に損傷を負わせる事ができる。それはつまり、さらった悪魔を実験台にして開発されたということではありませんか」
隣で、アガリアレプトが頷く。どうやら、それが真実のようだった。
「なんでだよ……‼︎デビルレストレインだろ⁉︎悪魔を抑えるだけなんじゃなかったのかよ‼︎」
ふと、その声が溢れた。それが怒りなのかなんなのかは分からないが、一つわかることは、それがDRという組織に向けられて発した言葉だということだ。
「詳しいことは、帰ってからゆっくりアガリアレプトに調べてもらいます。ですが、DRのトップが今現在ベルゼブル様と対峙しておられるでしょう。殺すと言うわけにはいかないでしょうが……」
フルーレティのその言葉は、空より飛来した物体が地にめり込んだ衝撃で轟音を立てて掻き消された。
ガラス片を撒き散らしたその姿は、二つあった。
「ベル様……⁉︎」
「この野郎……‼︎」
その二つのうち一つは、ベルゼブル。三代支配者の一人で、ルシファー、アスタロトと並ぶ実力者だ。
もう一つの影と、どうやら取っ組み合っているらしい。土煙に隠れた先で、交戦が行われていた。
「どうなさいましたかベルゼブル様‼︎」
「ルキフグ、フルーレティは交戦しろ‼︎サタナキアとアガリアレプトはボティスを連れて早く帰れ‼︎」
ベルゼブルの影から巨大な羽根に似た形の影が生え、交戦する影を吹き飛ばす。その隙に体制を整えて、ベルゼブルはフルーレティとルキフグを側につけた。
「ベルゼブル様、敵の正体は?」
「分からねえ。だが、あれは悪魔じゃねえな」
土煙は町中を包み込み、完全に視界を奪う。そして、時々身体に当たる砂が痛いくらいまでに規模が発達しているらしい。
「おいトウヤ、今なら3課の誰にも見られず変身できるぜ」
「でも、フルーレティにすら勝てなかったんだろ。俺らが何できんだよ」
フルーレティの攻撃を避ける事が精一杯だったのが昨日のことで、勿論何も変わっていない今の我々に何かができるのかと言われれば何もできないだろう。というか、一情報量と敵が多すぎて根本から何もできなさそうだが。
「簡単だ。お前、オレ様を食うときは時時間がなくてコアだけ食うだろ?」
「そもそも全部は入らなかったんだけどな」
だが、確かにブエル戦バアル戦と続いてコアのみを使用して戦っている。ブエル戦の際、ベリアルは『この際不完全でも良い』といってコアだけを落としたのだ。
「そう。お前はオレ様を食える口のサイズじゃねえ。だから、まずオレ様のコアをお前の体内に送る」
「何も変わってねえじゃん」
「落ち着け。んで、お前の体内でオレ様はブエルコア使ってこの姿に戻る」
確かにそうすれば、口から全て摂取せずとも体内にベリアル全体を取り込む事ができるだろう。この話の流れだと、そうすればベリアルは強くなれる筈だ。
「ただし、オレ様が復活するまでの間この身体の主導権はお前が握ることになる。能力は引き継がれているが、思考や戦術に関してはどうしようもねえ。だからお前は、オレ様が戻ってくるまで生きているだけでいい」
「……分かった。コアをくれ」
ベリアルが赤黒い球に変化し、その姿で右掌に乗る。それを一気に口の中へ放り込み、大きな音を喉で立てて胃の中に送り込んだ。
「……おお、この身体ってこうなってんのか」
「いやぁ、トウヤが反抗してこなくなってオレ様は楽だぜ。さぁて、始めるか」
思考の中でベリアルがずっと謎の念を唱える。結構うるさいのだが、少しの我慢は仕方ない。
「ていうか、俺の中でお前が復活したら俺の胃袋どうなんの?」
『気にすんな。ってか話しかけんな』
「マジかよ……」
がくりと落とした肩を持ち上げて、ベリアルの視力を手に入れた視界で繰り広げられる交戦を観戦することにした。
どうやら交戦している相手の胸にはDRの紋章が刻まれているらしく、DRが作った兵器の類かと見受けられる。
「フルーレティ、足を奪え‼︎」
「承知」
空より飛来した巨大な豹の群れは、兵器の足元を直撃。氷に浸かり完璧に動けなくなったその兵器は、尋常でない蒸気の噴射で足元の冷気を消滅させた。そして、その反動で土煙は穴が空いたように消え去る。
姿を見せたその身は純白に包まれており、人間一人分といったサイズだった。
「ベルゼブル様、こいつは兵器ではありません」
「何……?」
フルーレティの声に疑念が生まれる。仁王立ちで構えるその兵器らしきものは、機械音を発した。
「聞け、悪魔よ。これはDR開発の対魔専用装甲兵器『EXSARD』だ」
どうやら、DRが開発した対悪魔専用のアーマードスーツらしい。しかし、三代支配者のベルゼブルに苦戦を強いているというのは、あまりに強いと言うことの証明なのではないだろうか。
「ダッセェなぁ‼︎」
「なに、この名に拘る必要など無いだろう」
ベルゼブルは、指を鳴らして炎の槍を生み出す。矛先を構えてエクサードに攻撃を仕掛けるも、耐熱効果があるのか掻き消されてしまった。
「上層が実験を繰り返して練り上げた最高傑作。この装甲は、悪魔のいかなる攻撃も通さん」
「やれ、お前ら‼︎」
その号令に合わせて、エクサードの背後より日本の剣撃が飛ぶ。
だが、それすらも両手の装甲を破ることは出来ないようだ。
「何ッ……⁉︎」
「くっ……‼︎」
後退りをするフルーレティとルキフグ。彼らが所持するは、ルキフグの能力で保管されていた剣たち。それすらも容易く防いでしまうこの装甲には、傷一つ付いていなかった。
「おいトウヤ。できたぜぇオレ様の修復‼︎」
そのベリアルの声と共に、戦いを傍観していた己の身に激痛が走る。おそらく、体内に生成されたベリアルの身体が胃袋を突き破ったのだろう。
「がっ……‼︎」
『安心しろ、すぐ変わるから痛覚はオレ様が負担してやる』
地に伏していると、身体の肋骨が集中している辺りから無数の紫色をした骨が飛び出していた。ベリアルとなったこの身体を俺自身がコントロール出来るまでは、かなりの時間がかかりそうだ。
「……よぉし、なかなかいいじゃねえか」
意識は遠のき、身体に現れていた痛覚、即ち触覚が消えた。内面から意識を飛ばしているだけでも分かるが、どうやらかなりパワーその他諸々が上がっているらしい。
『で、結局誰を攻撃すべきなんだ?』
「新手の輩は悪魔じゃねえなら食えねえしなぁ。かといってベルゼブルらが負けたらDRに回収されて食えなくなる」
どうやらベリアルが今現在味方すべきは、ベルゼブルと6柱だと判断したらしい。
俺は今、とりあえず危機っぽいので変身した。
確かにDRの計画を知って失望はしているが、自身がDRの隊員であることに変わりはないので完璧に反逆となってしまう。
だが、この身体をコントロールする権を今は持ち合わせていないのでどうすることもできないのだ。
「さぁ、食えねえけどテイスティングの時間だぜ」
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絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
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