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第2部
第2話 嵐の前の静けさ
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「起きろ、ベルゼブル」
「……あ?」
深い眠りの隙間から、その声は届く。心地よい睡眠は、突然に終わりを迎えるらしい。一度覚めてしまったこの思考回路は、再びの眠りに適していないようだった。
「ルシファーか。なんの様だ?」
「会議。面倒なことが起こりそうなんだ」
ルシファーの顔は、どうやら緊急事態のそれを示唆する様な感覚を表しているらしい。また前回のような件が起こってしまうのならば、今度こそはどうしようもない。
「アスタロトはもう来ているのか?」
「あぁ。いつものとこで待ってる」
横になっていたソファから身を起こし、いつも会議が行われている獄の深層にある一部分を目指して脚を動かした。
「で、緊急つーのは?人間か俺ら、どっちの問題だ?」
「俺ら悪魔サイドの問題だ。アスタロトにはもう伝えているから今この場で言わせてもらうよ」
三代支配者の序列において、頂点に君臨するルシファーの語る緊急事態。それが到底どんなものなのかは想像もできないが、彼の語る通りに、面倒であることに変わりはなさそうだ。
「……いや、なんだよ早く言えよ」
「ああ、すまない。それで本件なんだが……どうやら、サマエルの消息が掴めなくなっているらしい」
「何……?」
サマエル。奴は、悪魔の内でも我々三代支配者や6柱にも劣らぬ力を持った脅威である。そんな存在の居場所が掴めないというのだ。
「殺されたのか?」
「いや、アガリアレプトの調べた限りでは、死んではいないらしい。だが、何故か居場所が掴めないんだ。あれほどの脅威を秘めた存在故に、定期的な監視を行っていたのだが数日前から情報が途絶えている」
アガリアレプトの能力は、あらゆる機密の解明。だが、そもそも問題提起として存在しない事柄や、高度な未来予知に使うことは出来ない。簡単にまとめるならば、アガリアレプト自身が認知している生物の全てが認知できない事柄を知ることはできないという事になる。
「つまりサマエルは……誰も知らない場所に居るという事か」
「もしくは、サマエル自身が存在を隠すなんらかの能力を持ち合わせているか。だな」
我々にとって強大な脅威であるサマエルの失踪。脅威が消えたという点ならば素直に喜ぶべきなのだろうが、あの生物が起こしている問題である時点でなにかがあると深読みをしてしまう。
そんなことを考えているうちに、いつもの場所へと到着した。既に席へ着いていたアスタロトは、以前会ったときとなんら変わらぬ表情で酒を少しずつ喉に落としていた。
「遅かったな、ベルゼブル。疲れは取れたか?」
「あー、ちょっとだけな」
覚めてしまった意識では、あくびの一つも飛び出さないらしい。己の席へと座り、肘をついて退屈な視線を眼前へと向ける。
「まあ、対処はこれから考えればいいんだが……とりあえず俺はアガリアレプトに行かせよう。アスタロトもベルゼブルも、いつでも動けるようにしておいてほしい」
「あぁ、分かった」
「承知した」
サマエルに対する我々の対応は、一時的な監視のみだ。向こう側から行動を起こさなければ、普段はいがみ合っているだけで済むのだからこれほど楽なことはない。
「ところで、サタナキアから『すいーつたべほーだい』というものの誘いを受けたのだが……なんだこれは?」
グラスを傾けながら、会議を雑談へとシフトチェンジさせたアスタロト。本当に一瞬で終わってしまった会議に、集まる必要はあったのだろうかと己自身の中で問うのだった。
とある金曜日の二十時。半年前まで空を映していた3課の壁は、なんとか時間をかけて再生したのだった。
この空間も、夏の暑さに対しては快適だった。しかし、時が経つにつれて寒くなるのがこの日本である。
その壁は季節の経過とともに、あまりに絶望的な風を迎え入れる兵器へと姿を変えたのだった。
そして、晴れて暖房という名の文明の利器を存分に扱える我々は、さらに重ねて日本文化の象徴とも言える『机と布団が合体したアレ』に終結していた。
「おいトウヤ肉無えんだよ‼︎さっさと入れろや‼︎」
「うるせぇなどんだけ食うんだお前‼︎」
「野菜も食わねばバランスが悪いぞ」
「君ら楽しそうだねぇ」
中心に構えた、大鍋の中。沸騰するダシが素晴らしい風味に満たされた3課では、冬といえば鍋という言葉に相応しい空間が完成していた。
普通に想像していたが、ベリアルが肉しか食わないので、どれだけ投入しようと鍋内の肉が減る勢いは止まることを知らないらしい。
蓮磨がベリアルの皿に野菜の類を強引に詰め込むが、奴は一口すら口に運ぶことなく眼前の肉をかき込んでいくのだった。
「俺も肉食いてえのに……」
「大丈夫だトウヤ、まだまだあるからな」
「たいちょお……‼︎」
素晴らしき気遣いにより、まだまだチャンスはあるらしい。というか、チャンスなんて単語が出る時点でおかしいとは思うのだが……
「ウラヤちゃん、デザートのプリン冷蔵庫入れようとしたんだけど入るスペース無いよ」
「ありゃ。それじゃあ、二段目のペットボトルはまた冷やせばいいので、今は抜いといてください」
背景で、マモンと浦矢が何やら話していた。あいつらいつの間にあんなに仲良くなったんだよ。
「トウヤ、よそ見してるとベリアルに全部食われるぞ」
「そうだった‼︎つかてめぇふざけんな生焼けじゃねえかそれ‼︎めっちゃ赤えよ⁉︎」
「オレ様だから大丈夫だ」
「俺が大丈夫じゃねえんだよ‼︎」
こんなペースで食われると、割と本気で肉にありつけなくなるかもしれない。それは余りにも残念がすぎるので、ここからは本気で行かせて貰うとしよう。
「山藁さん‼︎うどんを‼︎」
「え、もういっちゃう感じ?」
今回は、なんと特売で手に入れた冷凍うどんがあるのだ。冷凍したものを煮るためには、一度蓋を閉めてしばらく煮込まなければならない。だからこそ、蓋が開くタイミングまでベリアルの魔の手から逃れた肉たちを安心して火に通すことが出来るのだ。
「んだ、休憩か。じゃあ俺はこれを貰うぜ」
そういうと、ベリアルは机の端の方に置かれたトレイの上に向けて手を動かしていた。
「お前それガチの生肉だからやめとけ‼︎」
「うるせえな、だったらさっさとフタ開けろや」
常識知らずというべきか。いや、そんな次元で止まりそうにないな。
その場にいたのは、鍋奉行も泣いて逃げ出すレベルの単なる暴君であった。コイツに美味いものを与えてはいけないと、改めて悟る。もう食パンの耳とか食わせて生活しようかな。
しかし、人の食事の味を知った熊が人里に降りてくるように、コイツもいつかは冷蔵庫を漁り始めるだろう。これはもう諦めるしか無いのだろうか。
「トウヤくん、そろそろ出来るけど」
「……よし、お願いします山藁さん」
山藁さんの手が、鍋のフタを掴む。そして、ゆっくりと開いたその隙間に箸を突っ込んで念願の肉を掴み取り出す。
ここまでの過程が、どれだけの苦労を強いたものなのか。あまり伝わらないだろうが、本当に恐ろしいものなのだ。
なんかもう、ベリアルは偉大なる公爵なんて二つ名を捨てて『グルメ』とか名乗ればいいのにとか思ってしまうのである。
「よしッ‼︎肉ゲット‼︎」
「トウヤ、それネギだぞ」
「……堕……天使、ねえ」
とある大図書館の一角に、建物の二階分はある梯子を立ててそこに座り込み本を開く。
その姿は、日常とはあまりに馴染まない存在であった。古くボロボロになった古紙で作られたページをまた一つとめくった先を、ふと声にして並べてみせた。
「ボティス、カイム、ガープ……」
いつまでも続く英字の羅列。その中のとある一列に、笑みを溢した。
「ベルゼブル、アスタロト、ルシファー、ベリアル」
そして、次々と指でなぞった羅列は、最後の一区切りを迎えた。
『サマエル』
「……あ?」
深い眠りの隙間から、その声は届く。心地よい睡眠は、突然に終わりを迎えるらしい。一度覚めてしまったこの思考回路は、再びの眠りに適していないようだった。
「ルシファーか。なんの様だ?」
「会議。面倒なことが起こりそうなんだ」
ルシファーの顔は、どうやら緊急事態のそれを示唆する様な感覚を表しているらしい。また前回のような件が起こってしまうのならば、今度こそはどうしようもない。
「アスタロトはもう来ているのか?」
「あぁ。いつものとこで待ってる」
横になっていたソファから身を起こし、いつも会議が行われている獄の深層にある一部分を目指して脚を動かした。
「で、緊急つーのは?人間か俺ら、どっちの問題だ?」
「俺ら悪魔サイドの問題だ。アスタロトにはもう伝えているから今この場で言わせてもらうよ」
三代支配者の序列において、頂点に君臨するルシファーの語る緊急事態。それが到底どんなものなのかは想像もできないが、彼の語る通りに、面倒であることに変わりはなさそうだ。
「……いや、なんだよ早く言えよ」
「ああ、すまない。それで本件なんだが……どうやら、サマエルの消息が掴めなくなっているらしい」
「何……?」
サマエル。奴は、悪魔の内でも我々三代支配者や6柱にも劣らぬ力を持った脅威である。そんな存在の居場所が掴めないというのだ。
「殺されたのか?」
「いや、アガリアレプトの調べた限りでは、死んではいないらしい。だが、何故か居場所が掴めないんだ。あれほどの脅威を秘めた存在故に、定期的な監視を行っていたのだが数日前から情報が途絶えている」
アガリアレプトの能力は、あらゆる機密の解明。だが、そもそも問題提起として存在しない事柄や、高度な未来予知に使うことは出来ない。簡単にまとめるならば、アガリアレプト自身が認知している生物の全てが認知できない事柄を知ることはできないという事になる。
「つまりサマエルは……誰も知らない場所に居るという事か」
「もしくは、サマエル自身が存在を隠すなんらかの能力を持ち合わせているか。だな」
我々にとって強大な脅威であるサマエルの失踪。脅威が消えたという点ならば素直に喜ぶべきなのだろうが、あの生物が起こしている問題である時点でなにかがあると深読みをしてしまう。
そんなことを考えているうちに、いつもの場所へと到着した。既に席へ着いていたアスタロトは、以前会ったときとなんら変わらぬ表情で酒を少しずつ喉に落としていた。
「遅かったな、ベルゼブル。疲れは取れたか?」
「あー、ちょっとだけな」
覚めてしまった意識では、あくびの一つも飛び出さないらしい。己の席へと座り、肘をついて退屈な視線を眼前へと向ける。
「まあ、対処はこれから考えればいいんだが……とりあえず俺はアガリアレプトに行かせよう。アスタロトもベルゼブルも、いつでも動けるようにしておいてほしい」
「あぁ、分かった」
「承知した」
サマエルに対する我々の対応は、一時的な監視のみだ。向こう側から行動を起こさなければ、普段はいがみ合っているだけで済むのだからこれほど楽なことはない。
「ところで、サタナキアから『すいーつたべほーだい』というものの誘いを受けたのだが……なんだこれは?」
グラスを傾けながら、会議を雑談へとシフトチェンジさせたアスタロト。本当に一瞬で終わってしまった会議に、集まる必要はあったのだろうかと己自身の中で問うのだった。
とある金曜日の二十時。半年前まで空を映していた3課の壁は、なんとか時間をかけて再生したのだった。
この空間も、夏の暑さに対しては快適だった。しかし、時が経つにつれて寒くなるのがこの日本である。
その壁は季節の経過とともに、あまりに絶望的な風を迎え入れる兵器へと姿を変えたのだった。
そして、晴れて暖房という名の文明の利器を存分に扱える我々は、さらに重ねて日本文化の象徴とも言える『机と布団が合体したアレ』に終結していた。
「おいトウヤ肉無えんだよ‼︎さっさと入れろや‼︎」
「うるせぇなどんだけ食うんだお前‼︎」
「野菜も食わねばバランスが悪いぞ」
「君ら楽しそうだねぇ」
中心に構えた、大鍋の中。沸騰するダシが素晴らしい風味に満たされた3課では、冬といえば鍋という言葉に相応しい空間が完成していた。
普通に想像していたが、ベリアルが肉しか食わないので、どれだけ投入しようと鍋内の肉が減る勢いは止まることを知らないらしい。
蓮磨がベリアルの皿に野菜の類を強引に詰め込むが、奴は一口すら口に運ぶことなく眼前の肉をかき込んでいくのだった。
「俺も肉食いてえのに……」
「大丈夫だトウヤ、まだまだあるからな」
「たいちょお……‼︎」
素晴らしき気遣いにより、まだまだチャンスはあるらしい。というか、チャンスなんて単語が出る時点でおかしいとは思うのだが……
「ウラヤちゃん、デザートのプリン冷蔵庫入れようとしたんだけど入るスペース無いよ」
「ありゃ。それじゃあ、二段目のペットボトルはまた冷やせばいいので、今は抜いといてください」
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「トウヤ、よそ見してるとベリアルに全部食われるぞ」
「そうだった‼︎つかてめぇふざけんな生焼けじゃねえかそれ‼︎めっちゃ赤えよ⁉︎」
「オレ様だから大丈夫だ」
「俺が大丈夫じゃねえんだよ‼︎」
こんなペースで食われると、割と本気で肉にありつけなくなるかもしれない。それは余りにも残念がすぎるので、ここからは本気で行かせて貰うとしよう。
「山藁さん‼︎うどんを‼︎」
「え、もういっちゃう感じ?」
今回は、なんと特売で手に入れた冷凍うどんがあるのだ。冷凍したものを煮るためには、一度蓋を閉めてしばらく煮込まなければならない。だからこそ、蓋が開くタイミングまでベリアルの魔の手から逃れた肉たちを安心して火に通すことが出来るのだ。
「んだ、休憩か。じゃあ俺はこれを貰うぜ」
そういうと、ベリアルは机の端の方に置かれたトレイの上に向けて手を動かしていた。
「お前それガチの生肉だからやめとけ‼︎」
「うるせえな、だったらさっさとフタ開けろや」
常識知らずというべきか。いや、そんな次元で止まりそうにないな。
その場にいたのは、鍋奉行も泣いて逃げ出すレベルの単なる暴君であった。コイツに美味いものを与えてはいけないと、改めて悟る。もう食パンの耳とか食わせて生活しようかな。
しかし、人の食事の味を知った熊が人里に降りてくるように、コイツもいつかは冷蔵庫を漁り始めるだろう。これはもう諦めるしか無いのだろうか。
「トウヤくん、そろそろ出来るけど」
「……よし、お願いします山藁さん」
山藁さんの手が、鍋のフタを掴む。そして、ゆっくりと開いたその隙間に箸を突っ込んで念願の肉を掴み取り出す。
ここまでの過程が、どれだけの苦労を強いたものなのか。あまり伝わらないだろうが、本当に恐ろしいものなのだ。
なんかもう、ベリアルは偉大なる公爵なんて二つ名を捨てて『グルメ』とか名乗ればいいのにとか思ってしまうのである。
「よしッ‼︎肉ゲット‼︎」
「トウヤ、それネギだぞ」
「……堕……天使、ねえ」
とある大図書館の一角に、建物の二階分はある梯子を立ててそこに座り込み本を開く。
その姿は、日常とはあまりに馴染まない存在であった。古くボロボロになった古紙で作られたページをまた一つとめくった先を、ふと声にして並べてみせた。
「ボティス、カイム、ガープ……」
いつまでも続く英字の羅列。その中のとある一列に、笑みを溢した。
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そして、次々と指でなぞった羅列は、最後の一区切りを迎えた。
『サマエル』
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