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第2部
第18話 我慢比べ
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「能天使指揮官カマエル、いっきまーす」
その一言に、カマエルの身体が音速を超えて迫る。やはり力の差は歴然というか、文字通り天と地の差があるらしい。
左眼を狙う蒼い長剣の矛先を掠め、耳の付け根から血が吹き出した。まだ反応できたから良かったものの、これを何度も喰らうことになれば確実に死が見えるだろう。
標的を捉えるためならば、多少の犠牲は仕方ないと。確かに、野生の生態系においては当然と言われればそうなのだろう。だが、それをこうも簡単に、しかも天使なんて語った存在が行なっているというのは如何なものか。
「天使さんよぉ……お前、悪魔より人殺してそうだな……」
「マジ無駄話多いな。もっと集中して殺されろクソボケ。それに、人間だった頃聖人だったから天使サマになったんだよ。そのあと何しようとアタシらの勝手だ」
確かに、何か納得せざるを得ないものがある。カマエルの言葉は、己の持つ理念に似たものを感じたからだろう。
他者の幸せを潰した先に、己の幸せを得る。このように、死後の充実した生活を求めて偽善に染まるというのだ。結構類似しているのではないだろうか。
「実際、悪魔よりも天使や神のが人殺した数は多いんだよ。仕事上マジで仕方ねえってのはあるけど、人間に対しての絶対的な信仰対象になるため必要なものだからな」
「それは信仰じゃあねえな、単なる脅迫だろ。『私たちはいつでもお前らを殺せます。だから崇めろ讃えろ』って、小学生かよ」
サマエルと戦った際も同じだが、何故か戦闘になると相手を煽りたくて仕方がなくなる。実際、隙を生むチャンスを狙っているのか相手の弱点を探っているのか自分でもわからないのだが。
「んじゃあ、そろそろ話やめてマジメにやるか」
「嫌だな、こんな軽々と大量に殺しちまう奴と戦いたかねえなぁ……」
未だ、全身にガラスを突き刺して呻く人々を横に置いて開戦する。獄の慣れ親しんだ悲鳴とはまた違う阿鼻叫喚が、妙に心地悪かった。
「安心しろ、マジで楽に逝かせてやっからよ」
瞬間的速度の移動から、踵落とし。このままではモロに食らうが、相手が近づいているのもまた一つのチャンスである。近距離戦に慣れ親しんだ己がどうすべきかは、簡単に分かる。
しかしそれが通用するかは、別の話だが。
縦一直線を目掛けて描かれる弧の技であるこれは、身体を上から見た際に見える箇所を出来るだけ少なくする事が最適解とされている。これだけで、攻撃が当たる箇所をかなり絞り込めるからだ。直立できる体制に限られるが、今はそれが可能だった。
狙いは、当然と言わんばかりに脳天。攻防一体の鎧とまではいかないが、その直線上に向けて針を突き出す。イッカクやカジキマグロに似た容量で、脚を貫いて仕舞えば良いのだ。
「なっ……めてんじゃねぇぞクソカスがッ‼︎」
脳天を上から狙っていたのなら、この針は膝の裏に突き刺さるだろう。出来ることなら、貫通してくれと願う。
だが虚しくも、針は踵によってへし折られる。かなりの強度を有していた筈のものが、たったの蹴り一撃で破壊されてしまったというのだ。
「嘘だろどんな脚してんだお前‼︎」
「マジでマジにマジかってくらい甘ぇんだよ‼︎ふざけんのも大概にしやがれッ‼︎」
「あーうるせえな大真面目だわ命かかってんだよこっちは‼︎」
必死の抵抗として、砕けた瓦礫と血に塗れたフロアの一面に、針山を作るように有象無象を召喚する。これも効果があるかは分からないが。
「だったらそんなゴミみてえな針使ってんじゃねえよ‼︎マジで拳使えや拳ぃ‼︎」
「塵も積もれば、だぜ。ゴミも使い方次第で武器に変わんだよ‼︎」
針は、単なるフィールドではない。布石だ。
本当に効果があるかも分からないそれに賭けるための、一つの過程でしかない。
「流石にこれは痛えだろ」
四方八方に、やたらめったらと召喚していたわけではない。向こう側が空中移動出来ると知っているのに、地を固める意味はないだろう。
布石に撒いた針は、入り組んで形を成す。粘土で遊ぶ幼稚園児のように、教育番組の工作のように。容易に、それを形成した。
「お手製ミニチュア投石器……お前の言う通りゴミで作られてっけど、毎秒数十発発射の超高性能だ。一度作ったら量産も出来る」
そして、針を並べてベルトコンベアのように動かす。運ばれる弾丸は、この辺りに嫌ほど撒かれた透明のものだ。
「さぁーて、原始人レベルの小賢しい悪魔と天使さまの我慢比べスタートだ」
合図に指を鳴らし、一斉に飛び出すガラス片たち。流石に死ぬことは無いだろうが、少しでもダメージが通ればそれで良い。この攻撃が終わった瞬間に、少しの隙が生まれる筈だ。
「テメェの言う通りだわ‼︎最高に小賢しいわマジで‼︎」
蒼い長剣を振りまわし、ガラス片を弾いていくカマエル。だが、状況は一変して防御に徹するばかりだ。時間が経てば立つほど攻撃範囲が広がるこちらに対して、それに応じて防御範囲の広くなるのだから無理はない。上に逃げようと、それ自体が隙となり一発を喰らうと理解しているのだろう。
「いちいち弾いてるってことは、天使さまもやっぱ刺さったら痛えんだな」
「あーそうだよッ‼︎マジ痛えもんは痛えわ‼︎」
段々と攻撃の範囲を広げていくにつれて、カマエルは苦渋の表情を見せる。所々防ぎきれない箇所も生まれているらしく、赤い液体も姿を見せ始めた。
六機目製作完了、攻撃範囲百八十度……
九機目製作完了、攻撃範囲二百七十度……
「うん、弾切れ‼︎」
集めていたガラス片が想像よりも少なかったようだ。途中から瓦礫を使っていたものの、ガラス片のサイズに特化した器に合うものは割と無かった。
「息切れてんじゃねえか。天使さん大丈夫かー?」
「うるっせえ……マジ殺すぞクソカスがぁ……」
それなりの出血に耐えながらこちらへ足を進めるカマエルは、なかなかタフな奴だと認めざるを得ないものだった。普通に致命傷レベルだなと、直感に思うものがあるのだ。
ふと、カマエルが身体を動かした事によってあるものが千切れる音を立てた。それは、割と大切なものだ。
「おぉ……中々……」
「なっ……⁉︎」
まあ、全身が傷だらけになるまでガラス片を浴び続けていたのだ。よく無事だったなとは思っていた。だが、ここで限界を迎えたらしい。
ギリギリ耐えていたと思われる、カマエルの服の一部。肩の辺りだった。
布切れは、はらりと重力に引き寄せられて。カマエルの胸部が公衆の面前へ姿を見せた。
塵となって飛び散る布切れに包まれていた二つが、こぼれて落ちる。血と瓦礫と有象無象が散らばるこの場にて、たった一人の貞操がとんでもないことになっていた。
「テメェ……狙ってやがったのか⁉︎マジ殺すッ……‼︎」
「いや別にそんなつもりは無かったけど……なんかごめん。着痩せするタイプなんだな」
「ふっざけんなマジでブチ殺す‼︎何見てんだどっか行けクソカスが‼︎」
毎度の如く蛇足にしかならない言葉を溢すも、帰ってくる言葉は代わり映えしない。
頬を染めたまま座り込んだカマエルを見下ろし、明らかに攻撃できない体勢の乙女へ少しばかり同情してみたりする。
サマエルとの戦闘で穴が空いてしまった上着をカマエルに羽織らせて、その場凌ぎの形を作った。放っておけばどうにかなりそうだったのに、自身の中にある良心がそうさせたのだろうか。先程まで己の命を狙っていた相手だというのに、なかなか馬鹿げた行動だなと痛感した。
「なっ……にしてんだテメェ⁉︎」
「いやー……なんか傷心の乙女を見てるとこっちの罪悪感がすごいからさ」
「しょッ……⁉︎」
キャラでもないことをしてしまったかな、と。
DRに囚われ、蓮磨と出会い羽島を倒したり。サマエルに殺されかけたり。こんな日常とも呼び難い日々を過ごしている間に、自身の持つ『強欲』という称号が、まるで過去の産物になってしまったかのように変化してしまった。
人様にくれてやるなんて事、今までは一度もなかった傲慢な存在だった。だが、その名と違った方向へと自身は変わっているのだろう。そろそろ『強欲』を名乗るのは、やめた方がいいのかもしれない。
「んじゃ、俺行くとこあるから。病院直して怪我人治しとけよ」
背景のカマエルに手を振り、3課に向けて脚を進める。口の中にほんのり残ったカスタードの匂いが、辺りに広がる血の匂いでかき消されるのを不快に感じつつも、その場を後にした。
「クソッ……マジでふざけんな……」
その一言に、カマエルの身体が音速を超えて迫る。やはり力の差は歴然というか、文字通り天と地の差があるらしい。
左眼を狙う蒼い長剣の矛先を掠め、耳の付け根から血が吹き出した。まだ反応できたから良かったものの、これを何度も喰らうことになれば確実に死が見えるだろう。
標的を捉えるためならば、多少の犠牲は仕方ないと。確かに、野生の生態系においては当然と言われればそうなのだろう。だが、それをこうも簡単に、しかも天使なんて語った存在が行なっているというのは如何なものか。
「天使さんよぉ……お前、悪魔より人殺してそうだな……」
「マジ無駄話多いな。もっと集中して殺されろクソボケ。それに、人間だった頃聖人だったから天使サマになったんだよ。そのあと何しようとアタシらの勝手だ」
確かに、何か納得せざるを得ないものがある。カマエルの言葉は、己の持つ理念に似たものを感じたからだろう。
他者の幸せを潰した先に、己の幸せを得る。このように、死後の充実した生活を求めて偽善に染まるというのだ。結構類似しているのではないだろうか。
「実際、悪魔よりも天使や神のが人殺した数は多いんだよ。仕事上マジで仕方ねえってのはあるけど、人間に対しての絶対的な信仰対象になるため必要なものだからな」
「それは信仰じゃあねえな、単なる脅迫だろ。『私たちはいつでもお前らを殺せます。だから崇めろ讃えろ』って、小学生かよ」
サマエルと戦った際も同じだが、何故か戦闘になると相手を煽りたくて仕方がなくなる。実際、隙を生むチャンスを狙っているのか相手の弱点を探っているのか自分でもわからないのだが。
「んじゃあ、そろそろ話やめてマジメにやるか」
「嫌だな、こんな軽々と大量に殺しちまう奴と戦いたかねえなぁ……」
未だ、全身にガラスを突き刺して呻く人々を横に置いて開戦する。獄の慣れ親しんだ悲鳴とはまた違う阿鼻叫喚が、妙に心地悪かった。
「安心しろ、マジで楽に逝かせてやっからよ」
瞬間的速度の移動から、踵落とし。このままではモロに食らうが、相手が近づいているのもまた一つのチャンスである。近距離戦に慣れ親しんだ己がどうすべきかは、簡単に分かる。
しかしそれが通用するかは、別の話だが。
縦一直線を目掛けて描かれる弧の技であるこれは、身体を上から見た際に見える箇所を出来るだけ少なくする事が最適解とされている。これだけで、攻撃が当たる箇所をかなり絞り込めるからだ。直立できる体制に限られるが、今はそれが可能だった。
狙いは、当然と言わんばかりに脳天。攻防一体の鎧とまではいかないが、その直線上に向けて針を突き出す。イッカクやカジキマグロに似た容量で、脚を貫いて仕舞えば良いのだ。
「なっ……めてんじゃねぇぞクソカスがッ‼︎」
脳天を上から狙っていたのなら、この針は膝の裏に突き刺さるだろう。出来ることなら、貫通してくれと願う。
だが虚しくも、針は踵によってへし折られる。かなりの強度を有していた筈のものが、たったの蹴り一撃で破壊されてしまったというのだ。
「嘘だろどんな脚してんだお前‼︎」
「マジでマジにマジかってくらい甘ぇんだよ‼︎ふざけんのも大概にしやがれッ‼︎」
「あーうるせえな大真面目だわ命かかってんだよこっちは‼︎」
必死の抵抗として、砕けた瓦礫と血に塗れたフロアの一面に、針山を作るように有象無象を召喚する。これも効果があるかは分からないが。
「だったらそんなゴミみてえな針使ってんじゃねえよ‼︎マジで拳使えや拳ぃ‼︎」
「塵も積もれば、だぜ。ゴミも使い方次第で武器に変わんだよ‼︎」
針は、単なるフィールドではない。布石だ。
本当に効果があるかも分からないそれに賭けるための、一つの過程でしかない。
「流石にこれは痛えだろ」
四方八方に、やたらめったらと召喚していたわけではない。向こう側が空中移動出来ると知っているのに、地を固める意味はないだろう。
布石に撒いた針は、入り組んで形を成す。粘土で遊ぶ幼稚園児のように、教育番組の工作のように。容易に、それを形成した。
「お手製ミニチュア投石器……お前の言う通りゴミで作られてっけど、毎秒数十発発射の超高性能だ。一度作ったら量産も出来る」
そして、針を並べてベルトコンベアのように動かす。運ばれる弾丸は、この辺りに嫌ほど撒かれた透明のものだ。
「さぁーて、原始人レベルの小賢しい悪魔と天使さまの我慢比べスタートだ」
合図に指を鳴らし、一斉に飛び出すガラス片たち。流石に死ぬことは無いだろうが、少しでもダメージが通ればそれで良い。この攻撃が終わった瞬間に、少しの隙が生まれる筈だ。
「テメェの言う通りだわ‼︎最高に小賢しいわマジで‼︎」
蒼い長剣を振りまわし、ガラス片を弾いていくカマエル。だが、状況は一変して防御に徹するばかりだ。時間が経てば立つほど攻撃範囲が広がるこちらに対して、それに応じて防御範囲の広くなるのだから無理はない。上に逃げようと、それ自体が隙となり一発を喰らうと理解しているのだろう。
「いちいち弾いてるってことは、天使さまもやっぱ刺さったら痛えんだな」
「あーそうだよッ‼︎マジ痛えもんは痛えわ‼︎」
段々と攻撃の範囲を広げていくにつれて、カマエルは苦渋の表情を見せる。所々防ぎきれない箇所も生まれているらしく、赤い液体も姿を見せ始めた。
六機目製作完了、攻撃範囲百八十度……
九機目製作完了、攻撃範囲二百七十度……
「うん、弾切れ‼︎」
集めていたガラス片が想像よりも少なかったようだ。途中から瓦礫を使っていたものの、ガラス片のサイズに特化した器に合うものは割と無かった。
「息切れてんじゃねえか。天使さん大丈夫かー?」
「うるっせえ……マジ殺すぞクソカスがぁ……」
それなりの出血に耐えながらこちらへ足を進めるカマエルは、なかなかタフな奴だと認めざるを得ないものだった。普通に致命傷レベルだなと、直感に思うものがあるのだ。
ふと、カマエルが身体を動かした事によってあるものが千切れる音を立てた。それは、割と大切なものだ。
「おぉ……中々……」
「なっ……⁉︎」
まあ、全身が傷だらけになるまでガラス片を浴び続けていたのだ。よく無事だったなとは思っていた。だが、ここで限界を迎えたらしい。
ギリギリ耐えていたと思われる、カマエルの服の一部。肩の辺りだった。
布切れは、はらりと重力に引き寄せられて。カマエルの胸部が公衆の面前へ姿を見せた。
塵となって飛び散る布切れに包まれていた二つが、こぼれて落ちる。血と瓦礫と有象無象が散らばるこの場にて、たった一人の貞操がとんでもないことになっていた。
「テメェ……狙ってやがったのか⁉︎マジ殺すッ……‼︎」
「いや別にそんなつもりは無かったけど……なんかごめん。着痩せするタイプなんだな」
「ふっざけんなマジでブチ殺す‼︎何見てんだどっか行けクソカスが‼︎」
毎度の如く蛇足にしかならない言葉を溢すも、帰ってくる言葉は代わり映えしない。
頬を染めたまま座り込んだカマエルを見下ろし、明らかに攻撃できない体勢の乙女へ少しばかり同情してみたりする。
サマエルとの戦闘で穴が空いてしまった上着をカマエルに羽織らせて、その場凌ぎの形を作った。放っておけばどうにかなりそうだったのに、自身の中にある良心がそうさせたのだろうか。先程まで己の命を狙っていた相手だというのに、なかなか馬鹿げた行動だなと痛感した。
「なっ……にしてんだテメェ⁉︎」
「いやー……なんか傷心の乙女を見てるとこっちの罪悪感がすごいからさ」
「しょッ……⁉︎」
キャラでもないことをしてしまったかな、と。
DRに囚われ、蓮磨と出会い羽島を倒したり。サマエルに殺されかけたり。こんな日常とも呼び難い日々を過ごしている間に、自身の持つ『強欲』という称号が、まるで過去の産物になってしまったかのように変化してしまった。
人様にくれてやるなんて事、今までは一度もなかった傲慢な存在だった。だが、その名と違った方向へと自身は変わっているのだろう。そろそろ『強欲』を名乗るのは、やめた方がいいのかもしれない。
「んじゃ、俺行くとこあるから。病院直して怪我人治しとけよ」
背景のカマエルに手を振り、3課に向けて脚を進める。口の中にほんのり残ったカスタードの匂いが、辺りに広がる血の匂いでかき消されるのを不快に感じつつも、その場を後にした。
「クソッ……マジでふざけんな……」
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