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II brother is phantom
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武道大会当日。勿論の事参加したライアは、一回戦を無事突破したのだった。
二回戦の相手は、仮面にフードを被り、怪しさよりも不審さが漂っている。
名前の表記にはファントムと書かれていた。
ファントムとは、幽霊や幻を指す言葉だが、彼は特に一回戦で消えたり増えたりした訳でもない。
闘技場に上がり、相手に仮面を外せと言ってみた。
彼は笑いながら、仮面を外し語る。
『勝手に出てったのは悪いけど、兄にその口の聞き方は無いだろ?』
兄だった。
兄そのもの。
だが、兄じゃない。雰囲気そのものが違う。
何かに操られているのか。
何か弱みでも握られているのか。
試合開始と同時に、とてつもない光景を目にする。
兄の手がドス黒い液体の様に変形し、地面を這いながら自分に向かってくる。
避けようとはしたが、脚を絡め取られた。体に巻きつく液体は首を絞め、胎内に空気を取り入れられなくする。
「がぁぁぁぁぁぁッ!」
殺す気でかかって来ている。
そう思ったが、その場で攻撃は止み、ライアは地に落ちてしまった。
「弱いな…まぁ良い、最後に兄からプレゼントだ。」
その渡されたプレゼントは、勝利だった。
「×××」
忌み名。ライアの忌み名を呟いた兄は、瞬間にライアの体から飛び出した突風により場外へ飛ばされた。
レフェリーにより勝利を掲げられる自分を見つめる兄は、憎しみに帯びた眼をしていた。
兄の元に駆け寄り、話しかける。
「なぁ、さっきの水はなんなんだ?」
「魂に関するお前の記憶は俺が封印した。お前が知る必要は無い…。」
魂?初めて聞く単語を脳内で何度も再生する。
すると、客席から飛び降りた鉄仮面を付けた巨大な男が兄の頭を掴み、持ち上げる。
次の瞬間、とんでもない一言が飛び出した。
『アストラル。マケタナ。ヤクソクハマモッテモラウゾ。サァ、シネ。』
兄の頭部を握りつぶさんばかりの握力で掴む手は、緩む様子を見せない。
「兄貴ッッッ‼︎」
もうだめだ。間に合わない。
そう考えた矢先、また客席から現れた影日本刀の様な物で鉄仮面の男の手を切り落とし、ライアの前に着地した。
あの時、情報を提供した女だ。
「…やはり機械か。アストラルが負けたら殺す様にプログラムされていたんだな。」
鉄仮面の男の手からは何本ものケーブルがただれ落ち、電気を放っている。
「やっぱり君はアストラルの弟だったか。情報提供は無駄ではなかった様だ。」
色々起こり過ぎて何がなんだか分からないが、取り敢えず兄を助けてもらった事にかわりはない様だ。
「あ、ありがとうございます…」
「なぁに、アストラルを救いたかったのはお互い様だろ?弟君。」
武道大会は中断された。
兄を家まで運び、カルさんに兄の洗脳を解いてもらった後、兄の口から沢山の情報が手に入った。
組織の戦力となる為の試験として大会に出場した事
やはり組織の狙いは人間界へ向かうという事
その他諸々。
組織の壊滅には兄もカルさんも協力してくれるらしく、味方に申し分ない戦力となった。
「そういえば、魂とか言ってたの、あれ何なの?」
「魂ってのは、全ての生物が一人一つ持って産まれる力の事だ。成長と共に名称も変わったりする。俺が水を操れるのは俺の魂が水だから。お前は火を操ることが出来た。」
出来た?何故過去形?
「お前は魂の進化を行う際強大な力を暴走させ、村を焼き尽くした。その魂を記憶ごと俺が封印したという訳だ。」
封印期間が二年らしいので、兄曰くあと十日程で記憶は戻るらしい。
そういえば、兄とカルさんはどんな関係なのだろう。
聞いてみたら、カルさんの口からとんでもない事実がかえって来た。
「あぁ、恋人。」
……………は?
聞かなかった事にしよう。
そうだ。そうしよう。
ほら、次の敵はどんな能力を使うんだろう。
あはははははは…。
二回戦の相手は、仮面にフードを被り、怪しさよりも不審さが漂っている。
名前の表記にはファントムと書かれていた。
ファントムとは、幽霊や幻を指す言葉だが、彼は特に一回戦で消えたり増えたりした訳でもない。
闘技場に上がり、相手に仮面を外せと言ってみた。
彼は笑いながら、仮面を外し語る。
『勝手に出てったのは悪いけど、兄にその口の聞き方は無いだろ?』
兄だった。
兄そのもの。
だが、兄じゃない。雰囲気そのものが違う。
何かに操られているのか。
何か弱みでも握られているのか。
試合開始と同時に、とてつもない光景を目にする。
兄の手がドス黒い液体の様に変形し、地面を這いながら自分に向かってくる。
避けようとはしたが、脚を絡め取られた。体に巻きつく液体は首を絞め、胎内に空気を取り入れられなくする。
「がぁぁぁぁぁぁッ!」
殺す気でかかって来ている。
そう思ったが、その場で攻撃は止み、ライアは地に落ちてしまった。
「弱いな…まぁ良い、最後に兄からプレゼントだ。」
その渡されたプレゼントは、勝利だった。
「×××」
忌み名。ライアの忌み名を呟いた兄は、瞬間にライアの体から飛び出した突風により場外へ飛ばされた。
レフェリーにより勝利を掲げられる自分を見つめる兄は、憎しみに帯びた眼をしていた。
兄の元に駆け寄り、話しかける。
「なぁ、さっきの水はなんなんだ?」
「魂に関するお前の記憶は俺が封印した。お前が知る必要は無い…。」
魂?初めて聞く単語を脳内で何度も再生する。
すると、客席から飛び降りた鉄仮面を付けた巨大な男が兄の頭を掴み、持ち上げる。
次の瞬間、とんでもない一言が飛び出した。
『アストラル。マケタナ。ヤクソクハマモッテモラウゾ。サァ、シネ。』
兄の頭部を握りつぶさんばかりの握力で掴む手は、緩む様子を見せない。
「兄貴ッッッ‼︎」
もうだめだ。間に合わない。
そう考えた矢先、また客席から現れた影日本刀の様な物で鉄仮面の男の手を切り落とし、ライアの前に着地した。
あの時、情報を提供した女だ。
「…やはり機械か。アストラルが負けたら殺す様にプログラムされていたんだな。」
鉄仮面の男の手からは何本ものケーブルがただれ落ち、電気を放っている。
「やっぱり君はアストラルの弟だったか。情報提供は無駄ではなかった様だ。」
色々起こり過ぎて何がなんだか分からないが、取り敢えず兄を助けてもらった事にかわりはない様だ。
「あ、ありがとうございます…」
「なぁに、アストラルを救いたかったのはお互い様だろ?弟君。」
武道大会は中断された。
兄を家まで運び、カルさんに兄の洗脳を解いてもらった後、兄の口から沢山の情報が手に入った。
組織の戦力となる為の試験として大会に出場した事
やはり組織の狙いは人間界へ向かうという事
その他諸々。
組織の壊滅には兄もカルさんも協力してくれるらしく、味方に申し分ない戦力となった。
「そういえば、魂とか言ってたの、あれ何なの?」
「魂ってのは、全ての生物が一人一つ持って産まれる力の事だ。成長と共に名称も変わったりする。俺が水を操れるのは俺の魂が水だから。お前は火を操ることが出来た。」
出来た?何故過去形?
「お前は魂の進化を行う際強大な力を暴走させ、村を焼き尽くした。その魂を記憶ごと俺が封印したという訳だ。」
封印期間が二年らしいので、兄曰くあと十日程で記憶は戻るらしい。
そういえば、兄とカルさんはどんな関係なのだろう。
聞いてみたら、カルさんの口からとんでもない事実がかえって来た。
「あぁ、恋人。」
……………は?
聞かなかった事にしよう。
そうだ。そうしよう。
ほら、次の敵はどんな能力を使うんだろう。
あはははははは…。
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