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Ⅴ blood red barred
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音楽は終わりのない無限の組み合わせにより出来上がる。
一つの音を増やすだけでそれはもう別の曲とみなされ、一つの音を省くだけでも別の曲になる。
そんな無限の組み合わせにごく稀に奇才を放つ曲が登場するわけだ。
人が好んで聴く曲は洗脳なのだろうか。
なら、聴けば死ぬ曲なんて存在するはずもないものがこの世に完成してしまう未来はあるのだろうか?
実際、私はそんな曲を作りたい。
私の好きな音楽で、私の好きな人を殺したい。
そんな愛に飢えた獣のような願いが、闇夜に響く死のメロディを生み出した。
ある路上ライブが行われる商店街の物置前。汚い服を着ている訳でもなく、痩せ細っている様子もない。ただの趣味でギターを路上で弾き語る少女は、子供の様な外見。美しい音を生み出し、通る人々を魅了している。
「あー♪わたーしーはー♪…」
違う。こんな歌じゃない。もっと独特で、個性的で、聴いた人が死んじゃうくらいすごい曲を作りたい…
そんな少女は、通りすがりのライアとココロを見つけた。
「…あの子だ…。」
少女の瞳に映るのはココロただ一人、ライアの存在は見えていない。
「なんかさ、路上ライブとか流行ってんのかねぇ。」
話を切り出してみるが、正直ネタ切れだろう。もう何の話か分からない。
「馬鹿野郎そう言う考えしてるからこの前もベルフェゴールに話しかけちまったんだろうが…どんな生物も疑え。」
突然ドアをノックする音が聞こえた。
「はーいどなたですか…ってアンタはさっき弾き語ってた…」
少女は健気に語る。
「ねぇねぇ、あの女の子いる?」
とっさに誰のことだか分からなかったが、ココロの事だろうと察した。
「おーいココロちゃん客ですよー」
奥からやってきたココロを見た少女は、ココロに向かって突進をし、押し倒した。
「え⁉︎ちょ…やめ…誰⁉︎」
「私貴方の事探してたの。ずぅーっと。ココロちゃん?お願い!私と付き合って!」
「「え?」」
ココロはものすごい動揺している。
「え…あの…いきなりその…それに女同士で…」
「大丈夫私はそこも守備範囲!」
(そういう問題じゃねぇよ!)
盛大に突っ込んでしまった。
「あの…私はどうすれば…」
少女はニコニコと笑いながら
『私に殺されてくれないかな?』
少女はココロを深く締め付け、その瞬間から二人の姿は忽然と消えてしまった。
「おいライア君!今どこぞの少女来なかったか⁉︎」
ミヤビさんがこちらに駆けてきた。なんか久しぶりな顔ぶれだ。
「どこぞの少女なら今ココロと一緒に消えましたけど…」
ミヤビさんは表情を強張らせ「追いかけるから早く来い。」と呟く。
ライアとアスとカルはミヤビと共に森を駆けていた。
「あの子は何なんですか?」
「組織の内部の者。シークという名だ。シークは自分の気に入った少女を誘拐し、趣味の一環として殺してしまう。そして少々百合的な性癖も持ち合わせている…。」
ライアは一つ気になった事を聞いてみた。
「…なんでそんなに詳しいんですか?」
思いもよらぬ答えが返ってきた。
「僕も過去に誘拐されたことあってさ、力尽くで逃げてきたけど。」
「ん?百合癖で…誘拐…ミヤビさん………え⁉︎はぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
「なんでみんなそんな反応するのかな…」
ミヤビさんは苦笑いを零していた。
四人は森の中に建つ使われなくなった教会にたどり着いた。
「彼女はかなり厄介だ。気を抜くなよ。」
「了解。」
扉を開けると、割れた神を記したステンドグラスの破片が飛び散る中、椅子に縛られ猿轡をつけられたココロの姿を確認した。
「あれぇ?みんな助けに来てくれたみたいだよココロちゃん。良かったね…みんなに観てもらいながら死ねるなんて。」
「テメェ…」
ライアは怒りに全てを任せ殴りかかろうとしたが、シークの手に握られた包丁がココロの首筋に優しく触れるのを眼中にし、シークの言葉に耳を貸す。
「一人でも動いたらココロちゃんは死ぬよ。どうするの?」
仕方なく四人は魂を抑える。
「よしよし、いい子たちだ。まぁどっちみちココロちゃんには死んでもらう事にしてるからねぇ。」
無垢な少女は血を流す事を愛情表現としているのか。ココロの首に手を巻きつけべったりとくっついた状態で心臓に包丁を構え直す。
「手を挙げて。」
四人は手を挙げたが早いか、包丁はココロの心臓へと突き刺さった。
「あれ?動いたら殺すっていったよね?言葉の意味理解してた?」
少女はけたけたと笑いながら血塗れの包丁を抜き、ココロの体を拘束していたロープを断ち切った。木製の床に倒れこむ。
シークは包丁の先を舐め、体を震わせる。
「あああああああああああああああああああああッ‼︎」
ライアは倒れ込んだココロの元へ駆け、必死に肩を揺らし応答を願う。
「ラ………ア…………——」
「やめてくれ!死なないでくれ!おい!ココロ——」
大粒の涙はココロの冷たい手の甲を濡らし、ライアの口から出る絶叫は止まることはなかった。止まることなく、シークの元へ駆け、精一杯の力で拳を振るう。
「怒ってる?怒ってるの?少年?ねぇ、今どんな気持ちなの?ねぇ、教えてよ。知りたいの。知りたい。知りたいイイイイイイイ…」
シークを殺すことしか考えていない頭は自分の傷など配慮していない。シークの手にある、ココロの心臓を貫いた包丁がライアの心臓にも刺さっていた。それでも拳を振り続けるが一向に当たることは無かった。
どれくらい時間が経ったのだろう。
意識の中を徘徊する自分は、真っ白な世界に転がるココロの死体と赤黒い血溜まりに話しかける。
「ごめん………本当に………」
本当に———
刹那、大きなパルス音が響き、涙を零すライアの背後に誰かが立っていた。
「貴様、この小娘を殺した者が憎いか?」
「憎いに決まってるだろ。絶対に殺してやる。」
「怒りで全てを解決しようとしている内は無理だな。」
「うるさいな。アンタ誰なんだよ。」
「私か。私は————紅竜の起源。オリジン。」
「そんな奴がなんでここに居るんだよ。」
「何故だと思う?。」
オリジンは落ち着いた口調で呟いた。
「お前が継承者だからだ。我が四神の力を欲すか?」
「力が………欲しい。」
「…その身を滅ぼすかも知れんぞ?」
「別にいいさ。なんだろうが。」
現実に意識は戻った。今なお刺さる包丁を抜き取り、傷口の位置に赤い羽が現れる。
大きな翼に身を包んだ姿。
紅い容姿にコントラストの青い瞳。
手に装備された鋭い爪は、気づく頃にはシークの心臓を貫いていた。
「……え?心臓………?ああ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ‼︎」
「…確かに楽しいな。心臓を貫いてじっくりと殺していくのは…テメェみてぇなクズ限定だけどな。なぁ、どんな気持ちだよ?教えてくれよなぁ。汚ぇ音しか出せねぇガラクタさんよぉ…」
「ライア君のあの姿は…?」
ミヤビは問うが、アスは首を横に振る。
「分からない。ライアの魂を封印した際にオリジンを継承していたのか…?」
「だが、あれは確定で朱雀だ。三人目の四神オリジン継承者だな………ってそんな事よりココロをっ!」
この時、もう既にココロは生き絶え、一つの命はこの世から去ってしまった。
数日ライアは部屋に引きこもり、カルもアスもミヤビも掛ける言葉が無かった。
ライアは部屋から出てきた後に、家の隣に立てられた墓に一本の花を供え、手を合わせ冥福を祈った。
一つの音を増やすだけでそれはもう別の曲とみなされ、一つの音を省くだけでも別の曲になる。
そんな無限の組み合わせにごく稀に奇才を放つ曲が登場するわけだ。
人が好んで聴く曲は洗脳なのだろうか。
なら、聴けば死ぬ曲なんて存在するはずもないものがこの世に完成してしまう未来はあるのだろうか?
実際、私はそんな曲を作りたい。
私の好きな音楽で、私の好きな人を殺したい。
そんな愛に飢えた獣のような願いが、闇夜に響く死のメロディを生み出した。
ある路上ライブが行われる商店街の物置前。汚い服を着ている訳でもなく、痩せ細っている様子もない。ただの趣味でギターを路上で弾き語る少女は、子供の様な外見。美しい音を生み出し、通る人々を魅了している。
「あー♪わたーしーはー♪…」
違う。こんな歌じゃない。もっと独特で、個性的で、聴いた人が死んじゃうくらいすごい曲を作りたい…
そんな少女は、通りすがりのライアとココロを見つけた。
「…あの子だ…。」
少女の瞳に映るのはココロただ一人、ライアの存在は見えていない。
「なんかさ、路上ライブとか流行ってんのかねぇ。」
話を切り出してみるが、正直ネタ切れだろう。もう何の話か分からない。
「馬鹿野郎そう言う考えしてるからこの前もベルフェゴールに話しかけちまったんだろうが…どんな生物も疑え。」
突然ドアをノックする音が聞こえた。
「はーいどなたですか…ってアンタはさっき弾き語ってた…」
少女は健気に語る。
「ねぇねぇ、あの女の子いる?」
とっさに誰のことだか分からなかったが、ココロの事だろうと察した。
「おーいココロちゃん客ですよー」
奥からやってきたココロを見た少女は、ココロに向かって突進をし、押し倒した。
「え⁉︎ちょ…やめ…誰⁉︎」
「私貴方の事探してたの。ずぅーっと。ココロちゃん?お願い!私と付き合って!」
「「え?」」
ココロはものすごい動揺している。
「え…あの…いきなりその…それに女同士で…」
「大丈夫私はそこも守備範囲!」
(そういう問題じゃねぇよ!)
盛大に突っ込んでしまった。
「あの…私はどうすれば…」
少女はニコニコと笑いながら
『私に殺されてくれないかな?』
少女はココロを深く締め付け、その瞬間から二人の姿は忽然と消えてしまった。
「おいライア君!今どこぞの少女来なかったか⁉︎」
ミヤビさんがこちらに駆けてきた。なんか久しぶりな顔ぶれだ。
「どこぞの少女なら今ココロと一緒に消えましたけど…」
ミヤビさんは表情を強張らせ「追いかけるから早く来い。」と呟く。
ライアとアスとカルはミヤビと共に森を駆けていた。
「あの子は何なんですか?」
「組織の内部の者。シークという名だ。シークは自分の気に入った少女を誘拐し、趣味の一環として殺してしまう。そして少々百合的な性癖も持ち合わせている…。」
ライアは一つ気になった事を聞いてみた。
「…なんでそんなに詳しいんですか?」
思いもよらぬ答えが返ってきた。
「僕も過去に誘拐されたことあってさ、力尽くで逃げてきたけど。」
「ん?百合癖で…誘拐…ミヤビさん………え⁉︎はぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
「なんでみんなそんな反応するのかな…」
ミヤビさんは苦笑いを零していた。
四人は森の中に建つ使われなくなった教会にたどり着いた。
「彼女はかなり厄介だ。気を抜くなよ。」
「了解。」
扉を開けると、割れた神を記したステンドグラスの破片が飛び散る中、椅子に縛られ猿轡をつけられたココロの姿を確認した。
「あれぇ?みんな助けに来てくれたみたいだよココロちゃん。良かったね…みんなに観てもらいながら死ねるなんて。」
「テメェ…」
ライアは怒りに全てを任せ殴りかかろうとしたが、シークの手に握られた包丁がココロの首筋に優しく触れるのを眼中にし、シークの言葉に耳を貸す。
「一人でも動いたらココロちゃんは死ぬよ。どうするの?」
仕方なく四人は魂を抑える。
「よしよし、いい子たちだ。まぁどっちみちココロちゃんには死んでもらう事にしてるからねぇ。」
無垢な少女は血を流す事を愛情表現としているのか。ココロの首に手を巻きつけべったりとくっついた状態で心臓に包丁を構え直す。
「手を挙げて。」
四人は手を挙げたが早いか、包丁はココロの心臓へと突き刺さった。
「あれ?動いたら殺すっていったよね?言葉の意味理解してた?」
少女はけたけたと笑いながら血塗れの包丁を抜き、ココロの体を拘束していたロープを断ち切った。木製の床に倒れこむ。
シークは包丁の先を舐め、体を震わせる。
「あああああああああああああああああああああッ‼︎」
ライアは倒れ込んだココロの元へ駆け、必死に肩を揺らし応答を願う。
「ラ………ア…………——」
「やめてくれ!死なないでくれ!おい!ココロ——」
大粒の涙はココロの冷たい手の甲を濡らし、ライアの口から出る絶叫は止まることはなかった。止まることなく、シークの元へ駆け、精一杯の力で拳を振るう。
「怒ってる?怒ってるの?少年?ねぇ、今どんな気持ちなの?ねぇ、教えてよ。知りたいの。知りたい。知りたいイイイイイイイ…」
シークを殺すことしか考えていない頭は自分の傷など配慮していない。シークの手にある、ココロの心臓を貫いた包丁がライアの心臓にも刺さっていた。それでも拳を振り続けるが一向に当たることは無かった。
どれくらい時間が経ったのだろう。
意識の中を徘徊する自分は、真っ白な世界に転がるココロの死体と赤黒い血溜まりに話しかける。
「ごめん………本当に………」
本当に———
刹那、大きなパルス音が響き、涙を零すライアの背後に誰かが立っていた。
「貴様、この小娘を殺した者が憎いか?」
「憎いに決まってるだろ。絶対に殺してやる。」
「怒りで全てを解決しようとしている内は無理だな。」
「うるさいな。アンタ誰なんだよ。」
「私か。私は————紅竜の起源。オリジン。」
「そんな奴がなんでここに居るんだよ。」
「何故だと思う?。」
オリジンは落ち着いた口調で呟いた。
「お前が継承者だからだ。我が四神の力を欲すか?」
「力が………欲しい。」
「…その身を滅ぼすかも知れんぞ?」
「別にいいさ。なんだろうが。」
現実に意識は戻った。今なお刺さる包丁を抜き取り、傷口の位置に赤い羽が現れる。
大きな翼に身を包んだ姿。
紅い容姿にコントラストの青い瞳。
手に装備された鋭い爪は、気づく頃にはシークの心臓を貫いていた。
「……え?心臓………?ああ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ‼︎」
「…確かに楽しいな。心臓を貫いてじっくりと殺していくのは…テメェみてぇなクズ限定だけどな。なぁ、どんな気持ちだよ?教えてくれよなぁ。汚ぇ音しか出せねぇガラクタさんよぉ…」
「ライア君のあの姿は…?」
ミヤビは問うが、アスは首を横に振る。
「分からない。ライアの魂を封印した際にオリジンを継承していたのか…?」
「だが、あれは確定で朱雀だ。三人目の四神オリジン継承者だな………ってそんな事よりココロをっ!」
この時、もう既にココロは生き絶え、一つの命はこの世から去ってしまった。
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