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第13話 ハンドメイドストーリー
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ある日の放課後。忘れ物を取りにきた僕は苦笑した。
「どんだけ忘れるんだよ僕は…まぁ、思い出すだけましだけど…」
机の中を漁る僕はクシャクシャになった学級通信を投げ捨て目当てのノートを探した。
「お。あったあった。」
パラパラとページをめくると、新しいノートの筈なのに一番後ろのページに大量の字が描かれていた。
「誰だよ落書きした奴‼︎」
家に帰りノートを開き勉強を始めた。
始めたが最後のページが気になり中々進まない。
「あー気になるもう読んでやるッ‼︎」
『昔々あるところに、世界で一番美しいお姫様がいました。あまりの美しさにあらゆる国の王子は結婚を申し込みました。
しかし、お姫様は「私を本当に愛してくれると。それを証明出来る方でないと結婚は出来なません」と述べました。
勿論お姫様を納得させるような人は誰一人居ませんでした。
そんなある日の事。一人の貧乏な男がお姫様に言いました。「これが俺の出来る精一杯の愛です。受け取って下さい。」
小さな箱に詰められた物は—— 』
次のページへ続くと思ったが、どこにもなにも書かれていなかった。
次の日、もしかしたら続きが読めるのではと思いわざとそのノートを忘れて帰った。
僕はこの時連載小説を読んでいるくらいの感覚だったのだが、もっと早く気付くべきだったと後悔している。
このクラスに物語を作れる程の人間なんて一人しか思い浮かばないのに。
次の日、ノートには一枚の写真が挟まっていた。
それは、全ての関節がツギハギに縫われた田中 真梨だった。顔は全てのパーツを剥がれ、小さな箱をこちらに向けて開いていた。
特徴的な泣きぼくろが彼女を決定付ける。
箱の中には一つの眼球が入っていた。おそらく人間のものだろう。
この惨状を作り上げたのは紛れも無い。原山 美嘉であることを今日僕は知った。
「どんだけ忘れるんだよ僕は…まぁ、思い出すだけましだけど…」
机の中を漁る僕はクシャクシャになった学級通信を投げ捨て目当てのノートを探した。
「お。あったあった。」
パラパラとページをめくると、新しいノートの筈なのに一番後ろのページに大量の字が描かれていた。
「誰だよ落書きした奴‼︎」
家に帰りノートを開き勉強を始めた。
始めたが最後のページが気になり中々進まない。
「あー気になるもう読んでやるッ‼︎」
『昔々あるところに、世界で一番美しいお姫様がいました。あまりの美しさにあらゆる国の王子は結婚を申し込みました。
しかし、お姫様は「私を本当に愛してくれると。それを証明出来る方でないと結婚は出来なません」と述べました。
勿論お姫様を納得させるような人は誰一人居ませんでした。
そんなある日の事。一人の貧乏な男がお姫様に言いました。「これが俺の出来る精一杯の愛です。受け取って下さい。」
小さな箱に詰められた物は—— 』
次のページへ続くと思ったが、どこにもなにも書かれていなかった。
次の日、もしかしたら続きが読めるのではと思いわざとそのノートを忘れて帰った。
僕はこの時連載小説を読んでいるくらいの感覚だったのだが、もっと早く気付くべきだったと後悔している。
このクラスに物語を作れる程の人間なんて一人しか思い浮かばないのに。
次の日、ノートには一枚の写真が挟まっていた。
それは、全ての関節がツギハギに縫われた田中 真梨だった。顔は全てのパーツを剥がれ、小さな箱をこちらに向けて開いていた。
特徴的な泣きぼくろが彼女を決定付ける。
箱の中には一つの眼球が入っていた。おそらく人間のものだろう。
この惨状を作り上げたのは紛れも無い。原山 美嘉であることを今日僕は知った。
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