歪ミノ咎学園

軍艦あびす

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第23話 ドク中毒

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 グラウンドではあらゆる部活が練習に励んでいた。暇つぶしと称してグラウンドに出てきた井ノ尾はポケットの中で毒の瓶をしっかりと握る。
 教室の窓から名護がこちらを向く姿を目視して舌打ちをかました。
 しばらくして、ノックを終えた野球部は学校の正門へ向かい、外周を始めようとする。
 生徒と顧問が居なくなった事を確認して、先程帰った陸上部とサッカー部の部員が残っていない事を確かめると、野球部のバッグ置き場に置かれた『野田 安谷』と書かれた水筒を開けて飲み口から毒を流し込んだ。
 
「お前…殺せるなら誰でも良いんじゃないのか?」
 呆れた顔で教卓に肘をつく名護は教室に帰ってきた井ノ尾に問いかけた。
「なーに、実験ですよ。私の新作です。量によって胎内に回る時間を調節出来るようになってるんですけど、そんな夢みたいなの上手く行くか分からないじゃないですか」
 明日の昼食後に毒は胎内に回り始めるらしい。そうなれば、食中毒だとかのせいになるだろう。
 
そして、次の日の昼食後に野田は病院に搬送された。
 「——んで、センセはいつになったら今古川を殺しに行くんですか?」
 いつもの場所で密会は始まった。
 時刻は夕の六時半。まだ部活で校内には生徒がいる為不審ではない。
「ま、落ち着けよ。お前も小西にだいぶ時間かかってただろ?それくらいは猶予を貰いたい」
 手をひらひらと泳がせながら名護は足を組んでそう言った。
「まぁ、センセなら分かってたと思うけど木智山は一番最後に一番酷な方法で死んでもらう予定です」
「あぁ、なんとなく分かってたよ」
 その直後に学校内が騒がしくなり、野田の死亡が確認されたらしい。
「…大成功だな」
 ですね。と返した井ノ尾は笑顔で眼鏡を外してポケットにしまった。
 
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