罵倒配信者の異世界デバッグ記～クソゲーを神ゲーに変えてみせる！～

２１終、交差、そして……

アルカディアの「星見の丘」、アップデート完了から数ヶ月後の夕暮れ時。レンはリリィ、アルバート、ミアと共に丘の上から夕焼けを眺めていた。

「ここまでやってきて、本当に良かったと思う」レンは空を見上げながら言った。

「お前のおかげで、この世界はずいぶん良くなった」アルバートは肩を叩いた。

「私もようやく本当の自分を見つけられた気がするわ」ミアは踊るように回りながら言う。

リリィは王国の正装姿で、優雅に微笑んだ。「これからも……この世界をもっと素晴らしいものにしていきましょう」

レンは遠くの地平線を見つめた。「かつては批判ばかりしていた俺だけど、今は違う」

アップデート後のアルカディアは、日々進化を続けていた。プレイヤーたちが発見する新しい要素が、世界をさらに豊かにしていく。

《攻略サイト》には今も新しい書き込みが続いている。

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【攻略サイト / 最新情報】
「空中都市エーテリアに新しいクエストが出現！」
「サイバーの谷で古代文明の新たな遺物を発見！」
「リリィ王女主催の"平和祭り"イベントが各地で開催中！」
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「創り出す喜びを知った。それは破壊するよりもずっと難しいけど、ずっと価値のあることだ」

レンはディレクターの言葉を思い出していた。「お前に何がわかる」

「今なら、少しはわかるかもしれない」彼は空に向かって言った。「この世界への想い、作り手の苦労、みんなで創り上げる喜び」

《アップデート》《攻略サイト》の画面を開き、新たな冒険の可能性を探る。かつて「クソゲー配信者」だった彼は、今や「世界を創る者」として新たな道を歩んでいた。

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アパートの窓から、浅野はいつまでも夕焼けを見つめていた。

デスクに広げられた『Arcadia Frontier』の記事と「Stella Nova」の企画書。「神ゲー」へと進化した不思議な現象を伝える見出しの横に、新たなゲームの設計図が並ぶ。

「烏丸くん、君はどこかで見ているだろうか」

静かにつぶやく。

「もしそうなら、私の想いは伝わっただろうか」

どこか遠くで、自分の創った世界が生き続けている——そんな不思議な確信が胸に灯っていた。

開発中のゲームに、新たなアイデアを書き込み始める。「プレイヤーと共に創り上げるシステム」という言葉を中心に、構想が広がっていく。

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同じ空の下、遠く離れた二つの世界で、二人は同時に微笑んだ。

批判と創造、破壊と構築、一人の努力と集合知の力。相反するようで、実はつながっている要素が、ひとつの作品を生み出していく。

「これからも、この物語は続いていく」

窓から差し込む最後の夕陽が、世界を赤く染めながら、静かに沈んでいった。