【R18】人の好みは説明できない

テキイチ

文字の大きさ
115 / 352
第五章 今が一番よいタイミング

114 私と彼氏の甘やかな時間 ②

しおりを挟む
 お風呂場の椅子に腰かけて、まずは髪をゆっくりブラッシングする。服を着たままだと脱ぐ時にまたぼさぼさになってしまうし埃もつく。服を脱いでからお風呂場の外でだと寒い季節はつらい。試行錯誤の末これに落ち着いた。この時間が私は結構好き。たまに毛先が絡まっていたりするし、髪を丁寧に梳かすと気持ちも解れる気がして。

 梳き終えたら洗面器にお湯を張って、髪を浸す。この時入浴剤の匂いがふんわり漂うのも、のんびりした気持ちになって好き。日によって入浴剤を変えるから、楽しいんだよね。今日は爽やかなレモングラスの香り。

 美容師さんに「シャンプーは直接つけずに泡立ててから乗せるといい」と勧められてから、ネットで泡立てるようになった。間違わないように、ピンクのネットをシャンプー用、白を身体用と色分けしている。新くんに「どうしてネットが二つあるの?」と訊ねられて、そう答えたら、びっくりされた。

 シャンプーを泡立て、髪につけ、洗う。洗浄というよりも頭皮をマッサージする感覚で、気持ちも解れていく。すすぎ残しがないように丁寧に流し、毛先からトリートメントをつける。シャンプーとトリートメントは優しい花の香り。控えめなところが邪魔にならなくて気に入っている。

 トリートメントが染み込むのを待つ間に身体を洗う。ネットで泡立てた泡を転がす感じ。私は石鹸をクリームみたいにきめ細かく泡立てるのが楽しくて好き。
 新くんはボディソープにボディタオルで擦る派だから、シャンプー類の横に新くん用のボディソープのボトルを置いて、ネットの横に新くん用のボディタオルを掛けている。新くんがいない時でも、ボディソープとボディタオルを見ると、なんだか和む。

 髪と身体をシャワーで洗い流し、ヘアゴムで軽くまとめ、湯船に浸かった。ふう。
 すっきりして、いい匂いがして、温まって。お風呂に入るとリラックスするし、悩みがある時もずいぶん楽になるから、とても好き。

「若葉ちゃん」

 新くんだ!

「はあい」
「入っていい?」
「どうぞ」

 ガチャリとガラス戸が開いて、新くんが入ってくる。当然だけど裸だから、なんだか照れてしまって、思わず目をそらす。

「別にかまわないのに」
「う、うん……」

 新くんが眼鏡を掛けていないのも、不思議な気分。ラーメンとか眼鏡が曇るものを食べる時と眠る時以外はほとんど掛けたままだから、なんだか違う人みたい。
 私は新くんの素顔を見て一目惚れしてしまったけれど、今は眼鏡を掛けているのがあたりまえになっているんだなあ。
 私がぼんやりそんなことを考えている間に、新くんは髪を洗い、タオルで身体を擦り、シャワーで流した。

「すごくてきぱきしてる」
「うん。あんまり見えないから、流れ作業というか、手順決めてる」

 手早さに納得すると同時にはっとする。ということは、ものの位置を変えたら、新くん困っちゃうのか。お掃除の時注意しよう。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

密室に二人閉じ込められたら?

水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?

処理中です...