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第六章 まだ願いごとが叶った頃
136 お気に入りを身に纏って ③
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洋服を買ったし、結構歩いたから、カフェでそろそろ少し休憩しようかなと思った時、マネキンに着せられた一枚のトップスが目に入った。素敵だなと思って振り向くと、玲美ちゃんもその服を見ていて。
「ねえ、玲美ちゃん! これ、どう? 素敵じゃない?」
「うん。若葉に似合いそうだね」
「そうじゃなくて、玲美ちゃんに!」
「え……」
淡いピンク色がとても綺麗なボートネックのフレンチスリーブ。シルクシャンタンだろうか、高級感のある生地。
玲美ちゃんが選ぶ服はシックで、色はいつも黒か紺かグレー。似合っているけど、せっかく色が白くて透明感のある肌をしているから、もっといろんな色を着てみてもいいんじゃないかなあとずっと思っていた。
「この色すごく玲美ちゃんの肌に映えるよ! 手持ちの黒と紺とグレーにも合うし! デザインも似合いそう!」
「いや……」
「せっかくだから、試着してみようよ!」
ぱっと見た感じは雰囲気と合っているけど、玲美ちゃんは胸が大きいから、試着してみないと確実なことは言えない。
普段の私は、訊ねられない限り、服のおすすめはしない。自分の好きなものを着たらいいと思うから。そして、玲美ちゃんが本気で嫌がっているなら、私もこんなに推さない。
でも、この服を眺める玲美ちゃんは、お気に入りの画集を見ている時と同じ目をしていた気がして。
「試着だけ、してみる……」
「うん!」
結局、玲美ちゃんはトップスを購入した。とっても似合っていたから、私もかなり強く推してしまった気がする。「玲美ちゃんのスタイルのよさが際立って見えるし、顔映りがとってもいい! こんなに似合う服に出会えることってそんなにないよ!」って。
ただ、玲美ちゃんは好きなものしか買わない人なので、私の勢いに負けたのではなくて、気に入ったんだと思う。
「とっても似合ってたし、シンプルなデザインだから使い回し利くと思うよ!」
「うん。後押ししてくれてありがとう、若葉」
「だって、素敵だったんだもん!」
「たぶん、自分一人では買わなかったと思うし」
服は自分のために選ぶもの。お気に入りを身に纏っていると、背筋がぴんと伸びるし、自然といい表情になるし、もっと素敵になれるって私は信じてる。新くんにももっといろんな私を見てほしいから、今日、新しい服を買いに来たんだ。
ピンクのトップスを試着した時、玲美ちゃんは少し照れながらも、きらきらしていて、とっても素敵だった。お付き合いしている人にも、この素敵な玲美ちゃんを見てほしいな。おせっかいなんだろうけど、私はそう思った。
「ねえ、玲美ちゃん! これ、どう? 素敵じゃない?」
「うん。若葉に似合いそうだね」
「そうじゃなくて、玲美ちゃんに!」
「え……」
淡いピンク色がとても綺麗なボートネックのフレンチスリーブ。シルクシャンタンだろうか、高級感のある生地。
玲美ちゃんが選ぶ服はシックで、色はいつも黒か紺かグレー。似合っているけど、せっかく色が白くて透明感のある肌をしているから、もっといろんな色を着てみてもいいんじゃないかなあとずっと思っていた。
「この色すごく玲美ちゃんの肌に映えるよ! 手持ちの黒と紺とグレーにも合うし! デザインも似合いそう!」
「いや……」
「せっかくだから、試着してみようよ!」
ぱっと見た感じは雰囲気と合っているけど、玲美ちゃんは胸が大きいから、試着してみないと確実なことは言えない。
普段の私は、訊ねられない限り、服のおすすめはしない。自分の好きなものを着たらいいと思うから。そして、玲美ちゃんが本気で嫌がっているなら、私もこんなに推さない。
でも、この服を眺める玲美ちゃんは、お気に入りの画集を見ている時と同じ目をしていた気がして。
「試着だけ、してみる……」
「うん!」
結局、玲美ちゃんはトップスを購入した。とっても似合っていたから、私もかなり強く推してしまった気がする。「玲美ちゃんのスタイルのよさが際立って見えるし、顔映りがとってもいい! こんなに似合う服に出会えることってそんなにないよ!」って。
ただ、玲美ちゃんは好きなものしか買わない人なので、私の勢いに負けたのではなくて、気に入ったんだと思う。
「とっても似合ってたし、シンプルなデザインだから使い回し利くと思うよ!」
「うん。後押ししてくれてありがとう、若葉」
「だって、素敵だったんだもん!」
「たぶん、自分一人では買わなかったと思うし」
服は自分のために選ぶもの。お気に入りを身に纏っていると、背筋がぴんと伸びるし、自然といい表情になるし、もっと素敵になれるって私は信じてる。新くんにももっといろんな私を見てほしいから、今日、新しい服を買いに来たんだ。
ピンクのトップスを試着した時、玲美ちゃんは少し照れながらも、きらきらしていて、とっても素敵だった。お付き合いしている人にも、この素敵な玲美ちゃんを見てほしいな。おせっかいなんだろうけど、私はそう思った。
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