【R18】人の好みは説明できない

テキイチ

文字の大きさ
152 / 352
第七章 雨が降れば必ず土砂降り

151 特別メニュー詰め合わせ ①

しおりを挟む
 私の環境は、最近少し変わった。三浦先生のご提案で、玲美ちゃんの所属する相良さがらゼミに副ゼミ生として参加させてもらうことになったのだ。
 私は副ゼミという制度そのものを知らなかったし、相良ゼミは優秀な人間しか入れないゼミなので、聴講生のような形で参加できるということにもびっくりした。

 なぜこんな中途半端な時期に?
 そう思い、三浦先生に訊ねてみると「僕も四月からがいいのではと思い、前もって相良先生に相談していたんですが、『五月の連休明けくらいからの方が、やる気のないゼミ生が脱落してるから、引き受けやすい』というお返事だったので」というご回答だった。

 相良先生は三浦先生の大学時代の先輩なのだそう。私的な会話をなさっている場面は見たことがないから、同じ学科の同僚ということ以外に、先生同士にそんな関係性があるなんて知らなかった。相良先生は女性だから、余計、つながりが見えなかったのだと思う。三浦先生は愛妻家だし、女子学生とも必ず一線引く方なので。

 ゼミによって雰囲気は全然違う。三浦ゼミは、毎週三名ずつ順番に研究計画と進捗を発表する。他の人の進捗を聞くのは面白いし、自分の発表へのコメントは参考になるなあと思っているけど、成績不振者も多いゼミなのでそんなに鋭いツッコミはないし、三浦先生が発表後にコメントするのがメインなので、総じてのんびりしている。

 相良ゼミは、前半に共通テキストの英語講読を行い、後半にゼミ生が進捗を発表する。英語講読の訳はランダムに当てられるし、日本語でも解釈に迷うような難易度の高いテキストなので、毎回丁寧な予習が必須だ。ゼミ生の発表は二名ずつで担当順番があるけれど、三浦ゼミと違って容赦ない指摘が次々と入る。相良先生のコメントもトドメといった感じに鋭い。優しい笑顔で言葉もやわらかい表現を使う方なので、却って鋭さが際立って見える気がする。脱落者が出るというのも納得。

 まだ数回しか参加していないけれど、まだ進捗の発表はしていないせいか、意外にも私はついていけている。
 春休みに三浦先生に課題として出された和訳は、相良ゼミの講読テキストだった。副ゼミ生として入るように急に言われたから、予習代わりに玲美ちゃんにいろいろ訊ねて判明したのだ。美術史のゼミだから、確かに私の研究分野との重なりはある。課題をこなしている間は、単純に三浦先生が私の研究の幅を広げようとしてくださっているのだと思っていたけれど、相良ゼミに参加しても大丈夫なようにというご配慮でもあったんだ。

 通常の三浦ゼミ、相良ゼミの和訳と研究進捗発表、三浦先生の空き時間に見ていただいている私自身の研究の和訳と草稿、三浦先生から新たに勧められたIELTSという英語検定の試験対策、もちろんそれ以外にも授業はあって、私にとっては結構もりだくさんな状況になっている。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

処理中です...