【完結】優等生の幼なじみは私をねらう異常者でした。

小波0073

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第四章 文化祭

25.

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 初めて語る告白に、新保が僕を凝視する。

「他人の理想だからこそ、僕には加減がわからなかった。どこまですれば完璧なのか、理想的なことをすればするほど僕はますます不安になった。本来の目的を見失った時も、理想の自分を止められなかった。自分自身を追いつめすぎて何もかも投げ出しそうになった時、笑香が僕を救ってくれたんだ」

──前の史郎君じゃない。今、ここにいる史郎君が好きなの。

 組んだ指先に目を落とす。僕は再び口を開いた。

「僕と笑香に何があったのかは言えない。でもあの時笑香が僕を受け止めてくれなければ、僕は今でも昔のままで自分を追いつめ続けていた。多分、もっととんでもないことを僕はしでかしていただろう」

 そっと両方の手を開く。
 僕が笑香にやったこと。僕はあの時、やっと気づいた。自分が笑香に何をしたかを。

「だから、真下にもきっと理由があるんだろう。自分の未来を投げ捨ててまで犯罪に手を染める理由が。──真下も正直、誰かに止めてもらいたかったのかもしれないな」

 そこまで言って、僕は一度言葉を切った。
 すでに日は落ち、窓の外には華やかな夜景が広がっている。僕が景色を見ている間新保は黙りこくっていた。
 僕は新保に向き直り、おだやかな声で問いかけた。

「これであの時の答えになったか?」
「……ああ」

 短く答え、新保はうつむいた。それは泣いているようにも見えた。

「よくわかった」

 一瞬の沈黙の後、新保がごしごしと鼻をこする。僕は明るく新保に伝えた。

「新保、ジャーナリスト志望だろ? 僕や真下みたいなやつがきっと他にもいるはずだ。これで裏も表もわかる新聞記者になれるんじゃないのか」
「想像すると怖いものがあるな」

 新保は苦笑いをした。そしていすから立ち上がる。

「そろそろ行くか。今日俺が夕メシの当番なんだ」
「どこの家も大変だな。笑香も今日と明日、夕飯を作るって言ってた」

 僕が答えると、ふと新保が真面目な顔で聞いて来た。

「お前、柿崎と会ってるんだよな?」

 不意をつかれて、僕は一瞬言葉をなくした。新保は続けた。

「大西と柿崎の件、お前は知ってるんだよな?」

 大西?
 こわばった僕の表情に、新保は再びどかりといすに座り込んだ。大きな頭を抱えて漏らす。

「おいおいおい。お前ら、何でそう一番大事なことをかくすんだ。──お前本当に知らないのか? 大西が柿崎のために、五組に乗り込んだ時の話」

 僕は思わず息をのんだ。
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