【完結】優等生の幼なじみは私をねらう異常者でした。

小波0073

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第五章 夢の終わり

21.

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「見た目はって、どういう意味だよ?」

 僕がたずねると、笑香は僕の笑顔をまねてにっこりと笑ってみせた。

「それは自分が一番よくわかってるでしょう?」
「──もう、いい? 俺、さっきからずっと待ってるんだけど」

 腹にすえかねたらしい勇人に言われ、僕達はあわてて時刻を見た。二人の写真を撮り始めてからとうに一時間はすぎている。
 勇人があきあきした顔で僕達に向けてデジカメをかまえる。今度は僕も今までよりは自然な顔で微笑んだ。
     *

 日曜出勤のおじさんがいない間に、僕は笑香達と久しぶりに柿崎家で食事をした。
 あの日、暗い影を落としていたリビングは、以前のような落ち着きを取りもどしていた。僕の分もきちんと昼食を用意してくれていたおばさんは、前よりおだやかになった気がした。

 写真を撮ってやったんだから、と僕は勇人にせがまれて、代わりに今日の夕食用にビーフシチューを作ることになった。僕が勇人に礼をするのは何かが違う気がしたが、僕との約束を取りつけた勇人は喜んで友達と遊びに出かけた。
 僕はおばさんの許可を得て、笑香を自分の家にさそった。まだ片づけの途中のリビングで、僕は笑香に真剣なまなざしを向けた。

「一つ頼みたいことがある」

 僕は言った。

「例の母親が残した携帯と、おじさんのネクタイピンのことだ。僕はこのまま食器棚の上に置いて行くから、何かあったらよろしく頼む」

 笑香は生真面目な顔でうなずいた。

「わかった。もし泥棒に入られたり、地震があったりしたら真っ先に見に来るから。……直接さわらないようにするんでしょう?」
「そうだ。母さんの指紋が消えたら困る。いざという時の証拠にならない」

 僕が淡々と答えると笑香は切なげな表情を浮かべた。
 僕は優しく微笑んだ。

「後四年、勇人が卒業するまでだ。おじさんに自首を勧めるのには、これがないと話にならない。色々と大変だろうけど、僕はずっとそばにいるから」
「うん。わかってる」

 笑香は自分に言い聞かせるようにうなずいた。

「それから……」

 僕は多少、口ごもりつつ言った。さりげなく笑香から目をそらす。

「例の、あの約束だけど。──今すぐじゃなくてもいいんだけど、その……」
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