【完結】優等生の幼なじみは私をねらう異常者でした。

小波0073

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番外編1 柳沢笑香の完璧な恋人

32.柳沢笑香の完璧な恋人 32

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「それから、電話する時間を八時にしない? 私は別に問題ないし、それならおじさんももっと早く帰って来られるでしょ?」

 笑香が笑って続けると史郎は素直にうなずいた。

「わかった。それなら僕も今より早く電話できるし」

 ペットボトルの水を飲み、その飲み口にふたをする。
 ボトルをソファの上に置くと史郎の腕がのびて来た。先ほど部屋にいた時のように笑香の頬にふれて来る。
 眼鏡の奥の目を細め、史郎はそのまなざしに陶酔したような色を浮かべた。

「──さっきは凄かった。もし仲林に先に聞いてたんだったら、ちょっとショックな面もあるけど、まあ一応、仲林に感謝だな」

 史郎が浴室での一連の行為を言っていることに気がついて、笑香は一気に赤面した。そういえばすっかり忘れていた。今さらどんな顔をして会おうかなんて、考えるのは遅すぎる。

「でも、先走ってあんまり色々知りすぎないでくれよ。これから僕が教えるから。そういう意味でも僕はこの先が楽しみなんだ」

 史郎がさらりと凄い話を自分に語っているのがわかり、笑香は眉間にしわを寄せた。
 どうやら史郎は普通の勉強だけでなく、そういった卑猥な方面でも笑香を教育したいらしい。自分好みに育て上げようと画策しているのが見て取れて、心の底からむくむくと反発心がわき上がった。

「だって、史郎君だって他の人に私のことを話してるじゃない。私だって千夏ちゃんに色々と相談したいんだけど」

 笑香が唇をとがらせると、そう来るとは思わなかったのだろう。明らかにむっとした顔で史郎が頬から手を離す。

「別に僕は君のことを相談してる訳じゃない。ただ、僕達のことを理解してもらえるように、色々とやりやすいようにしてるだけで……。君だって聞きたいことがあるなら僕に直接聞けばいいだろ?」
「史郎君のことで史郎君に相談したら、相談にならないんだけど」

──まさかこの先、私に何をするつもりかなんて、本人に聞ける訳がない。

 笑香は思わず想像して、首を左右に振ってしまった。十中八九、史郎に実地で教えてやると言われるに決まっている。
 二人の間に不穏な空気が漂った。口元をへの字に曲げた史郎に、笑香が一歩も引かないつもりで彼のまなざしを見上げると、史郎はああ、といったようにうめいて再びその口を開いた。

「別に君と口ゲンカしたい訳じゃないんだ。こんなことで今の時間を使ってるのが惜しい。……僕が悪かったよ。とにかく、わかった。仲林のことは君にまかせる。だから……」
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