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番外編2 暗躍ピロートーク
2.
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僕が言葉を重ねると、原はぱちぱちとまばたきした。
「……ありがとう」
ぼそりと言われ、にやっと笑う。
「その代わり、来月のスケジュールはまたお前の担当な」
「わかった」
「それからちゃんと本番前につける練習をしておけよ。裏表には気をつけろ」
一応僕が先輩として簡単にアドバイスをすると、原は真剣な目でうなずいた。
僕が彼女との初めての際、スムーズにつけることができたのは、それまで地道に行っていた一連の練習の賜物だ。彼女には絶対言えないが。
ふと原が気づいたように首をかしげて聞いて来た。
「このまま彼女の家に行くのか? 泊まりで?」
「ああ。帰って来るのは日曜だな。それが何か?」
こともなげに答えた僕を、原は不思議そうに見た。
「たしか遠距離恋愛だったな? 家族ぐるみでつきあってるとか。お前、一体どういうわけで彼女とつきあい始めたんだ」
「……」
何と答えていいかわからず、僕はわずかに沈黙した。まさか初めは無理やり脅して交際を承知させました、なんて友達に話せるわけがない。
すると今度はため息を吐き出し、困ったように原が告げた。
「告白って、どうやったんだ?」
原のいきなりの恋愛相談に、僕はひたすら面食らっていた。一体何があったんだ?
以前部室でエロ動画を見た際、原は他のサッカー部のやつらと同じような反応を示していた。僕もつきあいで見たものの、出ていた女優が好みじゃない上に演技があまりに白々しく、全く興奮しなかった。その後、けっこうあけすけな話を皆で暴露したのだが、原は彼女がいるなんて一言も言っていなかった。なのにいつの間にコンドームが必要な相手ができたんだ。
「なに? ──告白?」
「だって告白したんだろ。でなきゃつきあえないだろう。それとも彼女の方からか?」
原の素朴な質問に僕は少々動揺した。
何をどこまで答えればいいんだ? 額に汗までにじんで来る。
あの頃最低のクズ野郎だった僕は(本当は、腐った根性は今でもさほど変わっていない)、心底ゲスなやり方で幼なじみの彼女に近づいた。その方法はとてもじゃないが友達になんか教えられない。よくも彼女が許してくれたと今でもしみじみ思うほどだ。
例の動画の件で悟ったが、おそらく僕は生涯女はただ一人で終えるのだろう。そして、それが幸せだとも思う。
結局僕は心も体も彼女一人しか知らないし、特に知りたいとも思わない。彼女にしか反応しない僕の貞淑なこの体は、逆に彼女に迫るためのちょうどいい口実になる。こんな特殊な人間が、まっとうな原の恋愛相談になんて答えられるわけがない。
そこまで考え、ふと不自然な点に気づいた。
「──ちょっと待て。まだつきあってもいないのに、もうコンドームがいるのか」
反対に僕が問いかけると、原は一気に赤面した。
「いや、その……まあ、色々と事情があって」
「……ありがとう」
ぼそりと言われ、にやっと笑う。
「その代わり、来月のスケジュールはまたお前の担当な」
「わかった」
「それからちゃんと本番前につける練習をしておけよ。裏表には気をつけろ」
一応僕が先輩として簡単にアドバイスをすると、原は真剣な目でうなずいた。
僕が彼女との初めての際、スムーズにつけることができたのは、それまで地道に行っていた一連の練習の賜物だ。彼女には絶対言えないが。
ふと原が気づいたように首をかしげて聞いて来た。
「このまま彼女の家に行くのか? 泊まりで?」
「ああ。帰って来るのは日曜だな。それが何か?」
こともなげに答えた僕を、原は不思議そうに見た。
「たしか遠距離恋愛だったな? 家族ぐるみでつきあってるとか。お前、一体どういうわけで彼女とつきあい始めたんだ」
「……」
何と答えていいかわからず、僕はわずかに沈黙した。まさか初めは無理やり脅して交際を承知させました、なんて友達に話せるわけがない。
すると今度はため息を吐き出し、困ったように原が告げた。
「告白って、どうやったんだ?」
原のいきなりの恋愛相談に、僕はひたすら面食らっていた。一体何があったんだ?
以前部室でエロ動画を見た際、原は他のサッカー部のやつらと同じような反応を示していた。僕もつきあいで見たものの、出ていた女優が好みじゃない上に演技があまりに白々しく、全く興奮しなかった。その後、けっこうあけすけな話を皆で暴露したのだが、原は彼女がいるなんて一言も言っていなかった。なのにいつの間にコンドームが必要な相手ができたんだ。
「なに? ──告白?」
「だって告白したんだろ。でなきゃつきあえないだろう。それとも彼女の方からか?」
原の素朴な質問に僕は少々動揺した。
何をどこまで答えればいいんだ? 額に汗までにじんで来る。
あの頃最低のクズ野郎だった僕は(本当は、腐った根性は今でもさほど変わっていない)、心底ゲスなやり方で幼なじみの彼女に近づいた。その方法はとてもじゃないが友達になんか教えられない。よくも彼女が許してくれたと今でもしみじみ思うほどだ。
例の動画の件で悟ったが、おそらく僕は生涯女はただ一人で終えるのだろう。そして、それが幸せだとも思う。
結局僕は心も体も彼女一人しか知らないし、特に知りたいとも思わない。彼女にしか反応しない僕の貞淑なこの体は、逆に彼女に迫るためのちょうどいい口実になる。こんな特殊な人間が、まっとうな原の恋愛相談になんて答えられるわけがない。
そこまで考え、ふと不自然な点に気づいた。
「──ちょっと待て。まだつきあってもいないのに、もうコンドームがいるのか」
反対に僕が問いかけると、原は一気に赤面した。
「いや、その……まあ、色々と事情があって」
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