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番外編2 暗躍ピロートーク
3.
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言いづらそうにぼそぼそつぶやく。僕は思わず眉尻を上げた。
原は先に気が回るタイプだし、準備があるのに越したことはないが、一体どういう相手なんだ。
「お前、本当に大丈夫か?」
この僕に心配されるなんて、こいつも相当問題があるんじゃないか。まさか体から始まるような付き合いをするやつだと思わなかったが、なかなかやる。
原は厳しい顔つきで僕の言葉にうなずいた。
「大丈夫……だと思う。とにかくもう一度話をしてみる」
その時、始業のチャイムが鳴った。
時間切れだ。
僕は小さく肩をすくめると、いすから立った原に告げた。
「まあ、お前のことだから大丈夫だとは思うけど。何かあったら相談にのる」
心の底から案じて言うと、原は精悍な頬を引き締めた。まるでサムライの様相だ。
「……わかった」
どこか重々しい口調で答える。僕は首をひねりながらも次の授業の準備をした。
*
そして、それから半月ほどがすぎた頃。
「史郎君……なんか、気持ち悪いんだけど。何笑ってるの?」
彼女に横から言われてしまい、僕は思わず苦笑した。手元のティッシュをゴミ箱へ放って、ベッドの上に寝転がる。
僕達は笑香の部屋にいた。おばさんは例のごとく夜勤だし、勇人はすでに自分の部屋でいつものように爆睡中だ。さりげなく服を着ようとする笑香を押しとどめて告げる。
「ちょっとね。──友達の話」
先週会えなかったのに、一度で終わるわけがない。どうやらあきらめたらしく、笑香はタオルケットを抱えた。白い素肌をとりあえずどうにか隠そうとしている。
「先週、試合に出たせいでこっちに来られなかっただろ? 僕が代わりに出てやった友達の話なんだけど、彼女にやたら甘いんだ。試合に出られなかった理由もやっぱり彼女の関係で」
くっくっと笑って続ける。
「そいつ、副部長だからさ。僕と桜田の三人で練習メニューを作ってるんだ。とりあえず三か月分で手を打ってやったんだけど、他にも色々と貸しがあって。……当分僕が練習メニューを作らずにすむなと思ってさ」
僕はちらりと自身に目をやり、再び口元をゆるめてしまった。
彼女ができたことを知った後、用を足す時に気づいた僕に原は心底しょげていた。だが、僕は逆に少々あいつのことを見直したのだ。
初めは奥手そうに見えたが、まさか射精管理とは。あいつなかなかやるじゃないか。いや、あれはもしかして彼女の方の性癖か?
しかしその手の下世話な話ができるようになった原は貴重だ。男子校のせいだろう、今の学校で彼女がいる奴は実は意外と少ないのだ。
僕が答える表情がよほど楽しげに見えたのだろう。笑香は気の毒そうな面持ちで、見たこともない相手に告げた。
「史郎君に貸しを作るなんて。もっと他にもまともな人がいたでしょうに」
僕は小さく肩をすくめた。
「まあね。僕もそう思うけど」
それは仕方のないことだ。他にコンドームを借りられるような友達は多分、いないだろう。
僕は再び体を起こし、笑香の肌に身を寄せた。そろそろ普通のやり方にも慣れたし、少しは僕も原にならって色々と試してみるべきだろうか?
僕の思惑など知らず、笑香はあきらめたように力を抜いた。
原は先に気が回るタイプだし、準備があるのに越したことはないが、一体どういう相手なんだ。
「お前、本当に大丈夫か?」
この僕に心配されるなんて、こいつも相当問題があるんじゃないか。まさか体から始まるような付き合いをするやつだと思わなかったが、なかなかやる。
原は厳しい顔つきで僕の言葉にうなずいた。
「大丈夫……だと思う。とにかくもう一度話をしてみる」
その時、始業のチャイムが鳴った。
時間切れだ。
僕は小さく肩をすくめると、いすから立った原に告げた。
「まあ、お前のことだから大丈夫だとは思うけど。何かあったら相談にのる」
心の底から案じて言うと、原は精悍な頬を引き締めた。まるでサムライの様相だ。
「……わかった」
どこか重々しい口調で答える。僕は首をひねりながらも次の授業の準備をした。
*
そして、それから半月ほどがすぎた頃。
「史郎君……なんか、気持ち悪いんだけど。何笑ってるの?」
彼女に横から言われてしまい、僕は思わず苦笑した。手元のティッシュをゴミ箱へ放って、ベッドの上に寝転がる。
僕達は笑香の部屋にいた。おばさんは例のごとく夜勤だし、勇人はすでに自分の部屋でいつものように爆睡中だ。さりげなく服を着ようとする笑香を押しとどめて告げる。
「ちょっとね。──友達の話」
先週会えなかったのに、一度で終わるわけがない。どうやらあきらめたらしく、笑香はタオルケットを抱えた。白い素肌をとりあえずどうにか隠そうとしている。
「先週、試合に出たせいでこっちに来られなかっただろ? 僕が代わりに出てやった友達の話なんだけど、彼女にやたら甘いんだ。試合に出られなかった理由もやっぱり彼女の関係で」
くっくっと笑って続ける。
「そいつ、副部長だからさ。僕と桜田の三人で練習メニューを作ってるんだ。とりあえず三か月分で手を打ってやったんだけど、他にも色々と貸しがあって。……当分僕が練習メニューを作らずにすむなと思ってさ」
僕はちらりと自身に目をやり、再び口元をゆるめてしまった。
彼女ができたことを知った後、用を足す時に気づいた僕に原は心底しょげていた。だが、僕は逆に少々あいつのことを見直したのだ。
初めは奥手そうに見えたが、まさか射精管理とは。あいつなかなかやるじゃないか。いや、あれはもしかして彼女の方の性癖か?
しかしその手の下世話な話ができるようになった原は貴重だ。男子校のせいだろう、今の学校で彼女がいる奴は実は意外と少ないのだ。
僕が答える表情がよほど楽しげに見えたのだろう。笑香は気の毒そうな面持ちで、見たこともない相手に告げた。
「史郎君に貸しを作るなんて。もっと他にもまともな人がいたでしょうに」
僕は小さく肩をすくめた。
「まあね。僕もそう思うけど」
それは仕方のないことだ。他にコンドームを借りられるような友達は多分、いないだろう。
僕は再び体を起こし、笑香の肌に身を寄せた。そろそろ普通のやり方にも慣れたし、少しは僕も原にならって色々と試してみるべきだろうか?
僕の思惑など知らず、笑香はあきらめたように力を抜いた。
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