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紫夜の宴に未来図を
紫夜の宴に未来図を
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無事に桜が咲き宴会の賑やかな声が聞こえてくる。
意識をとり戻した陽凪は火斑の膝に頭を預け横になっていた。
舟の明かりが消えて薄暗い宵闇の中に黄金の瞳が二つ、不安げに揺れている。
「結局、火斑に頼っちゃったね……」
「俺じゃない。お前がやり切ったんだよ。」
え?と首を傾げるともう一人の姿が目に入る。
その男はこちらを振り向くと、ふわりと微笑み口を開く。
先程の凛とした声が再び頭に響いた。
「この鹿萱津彦、神楽なぞ久方ぶりであったが実に見事であった。だが、大切なのは「願い」でなく「想い」だ。それを忘れるでないぞ、若き巫女よ。」
そう言って陽凪の手に桜の髪飾りを残し桜吹雪に姿を消した。
「まったく…あんなに式を呼び出し、神気を使い、さらに桜の神祖を呼び出すとはな。」
「桜の、神祖、様?」
「ま、少しは成長したってことだな。だが未熟者があまり無茶をするな。お前の身に何かあったら」
「寝たままだったとか私めちゃくちゃ失礼だよね…神楽も結局途中で止まっちゃったし名前もお礼も言えなかったし、どどどどうしょう火斑!!」
「………しらん。だからいつまでも未熟者なんだよバーカ」
「ひどい!バカって言った方が馬鹿なんだよーバカムラ!」
「お前…神である俺様にバカとはいい度胸だなぁ……覚悟しろよ?」
「………あ、あの…ごめんなさい言いすぎましたもう言いませんからー!!」
自分に厳しく他人に厳しい、しかし誰よりも優しくて自分のことを大切にしてくれる、しっかりと見ていてくれる、この地の神様。
そんな彼ににいつか1人前と認められたその時は、またあの桜の元で最高の神楽を届けたい。
まだ空白だらけな少女の未来図には大きな桜が描き出されたのだった。
意識をとり戻した陽凪は火斑の膝に頭を預け横になっていた。
舟の明かりが消えて薄暗い宵闇の中に黄金の瞳が二つ、不安げに揺れている。
「結局、火斑に頼っちゃったね……」
「俺じゃない。お前がやり切ったんだよ。」
え?と首を傾げるともう一人の姿が目に入る。
その男はこちらを振り向くと、ふわりと微笑み口を開く。
先程の凛とした声が再び頭に響いた。
「この鹿萱津彦、神楽なぞ久方ぶりであったが実に見事であった。だが、大切なのは「願い」でなく「想い」だ。それを忘れるでないぞ、若き巫女よ。」
そう言って陽凪の手に桜の髪飾りを残し桜吹雪に姿を消した。
「まったく…あんなに式を呼び出し、神気を使い、さらに桜の神祖を呼び出すとはな。」
「桜の、神祖、様?」
「ま、少しは成長したってことだな。だが未熟者があまり無茶をするな。お前の身に何かあったら」
「寝たままだったとか私めちゃくちゃ失礼だよね…神楽も結局途中で止まっちゃったし名前もお礼も言えなかったし、どどどどうしょう火斑!!」
「………しらん。だからいつまでも未熟者なんだよバーカ」
「ひどい!バカって言った方が馬鹿なんだよーバカムラ!」
「お前…神である俺様にバカとはいい度胸だなぁ……覚悟しろよ?」
「………あ、あの…ごめんなさい言いすぎましたもう言いませんからー!!」
自分に厳しく他人に厳しい、しかし誰よりも優しくて自分のことを大切にしてくれる、しっかりと見ていてくれる、この地の神様。
そんな彼ににいつか1人前と認められたその時は、またあの桜の元で最高の神楽を届けたい。
まだ空白だらけな少女の未来図には大きな桜が描き出されたのだった。
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