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「――パルヴィ、これは」
「今日、教会で、夫婦が仲良くなるには夜も大切だって聞いたの」
頭の上で、縄がキリキリ軋む音がする。
いつかのように手首と足首をしっかりと結びつけられて身動きもままならないまま、イェルハルドはたらりと冷や汗を垂らした。
「だからって」
「寝てる旦那様は蹴らないから、羊より簡単だもの。それに、いつもくっついてるだけじゃつまんない」
「羊よりって……」
絶句するイェルハルドににんまりと笑って、それから弾む声で続ける。
「あとね、最近下着がきついなって思ったら、前より胸が大きくなってたの。旦那様の言うとおり、ちゃんと育ってるみたい。だから旦那様も確かめて。あとどれくらい育ったら、私のこと大人に見てくれる?」
「育ってるのはわかった。だけど、どうして縛るんだ」
「旦那様が逃げるから。いつも触ったらダメって言うじゃない」
「ダメに決まってる!」
「でも、教会の本じゃたくさん触ってたよ。妻が触ると、旦那様も喜ぶって」
「子供はもっと先でと言ったろう?」
「教会でヘルッタが見つけた本に、子供ができないやりかたが書いてあったの。それを試そうよ」
くすくすと楽しそうに笑いながら、パルヴィはイェルハルドの前合わせを解いていく。前回の必死さは無くなった代わりに、実に楽しそうだ。
イェルハルドは、はあ、と溜息を吐く。
「――パルヴィ、縄を解いて」
「でも」
「逃げないから」
「本当?」
「本当だ」
じいっとイェルハルドの目を覗き込むように見つめて、それからパルヴィはひょいと片手を伸ばすと、あっという間に手首の縄を解いた。
イェルハルドは小さく呟きつつ指をひらめかし、足首の縄も解いてしまう。
「パルヴィ」
呆れた吐息とともに身体を起こして、イェルハルドはパルヴィを引き寄せる。おずおずと見上げ、「旦那様?」と首を傾げる姿に、つい、苦笑が浮かんだ。
ここ最近、パルヴィのお願いに弱くなってしまったように感じるのは、きっと気のせいじゃない。
顎を持ち上げ、上を向かせて唇を啄ばむと、パルヴィの双眸が嬉しそうに細められる。「旦那様」と身体に腕を回してしっかりと抱き付いてくる。
はだけた胸板にすりすりと頬を擦り寄せながら……いつの間にか前に戻した手で、パルヴィはちゃっかりと前合わせを解いていた。
さらには、じわりと昂り始めたそこを確かめようと、パルヴィの手が触れる。つい、ぴくりと反応してしまう。
「パルヴィ……待て」
「旦那様もその気になってる」
「――それは」
「ね、いいでしょ、旦那様」
にんまりと笑うパルヴィの表情は、もう大人のようで……イェルハルドの喉がごくりと鳴った。
膝の上に抱きかかえ、もう一度キスをする。何度か啄ばむうち、だんだんとキスは深くなっていく。
パルヴィの夜着の合わせも解かれ、ほんのりと膨らんだ胸が露わになった。
「旦那様、ほら、大きくなったの」
「ん、そうだな」
イェルハルド手を取り、胸に当ててパルヴィがにへらと笑う。
「ね、旦那様。あとどれくらいで大人? 子供産んでよくなるの、いつ?」
「まだまだ先だってことは確かだね」
さら、と淡い金の髪が流れて、期待に揺れていた濃紫の瞳に不満の色が現れる。
むう、と口を尖らせて、「早く大きくなればいいのに」と呟くパルヴィに、イェルハルドはくくっと笑ってしまう。
「焦らなくていいんだよ」
「私、早く旦那様の息子産みたい」
「息子に限らなくてもいいだろうに。ここは町なんだから」
「でも、後継ぎがいないと、旦那様も困るでしょ?」
「そんなことはない」
え? と首を傾げるパルヴィの頬を撫でて、きゅ、と抱き締めた。
「ぼくはもともと結婚する気はなかったんだ。兄の子が成人したら、そっちに任せようと考えてたくらいだしね。それに、息子でも娘でもどちらでも構わないよ。どっちが産まれても後継に変わりはないんだ、気にしなくていい」
「町って、女でも後が継げるの?」
「そうだよ。だから、息子にこだわる必要はない」
やはり納得がいかないようで、パルヴィは不思議そうに首を傾げたままだ。
「町の警備兵にだって女性はいるだろう? 狩人にだって女性はいる。戦神も狩りの女神も女性が戦うことや狩りに出ることを禁じてないんだ。男女で仕事を分ける必要はない。適性のあるものがやればいい」
「うん」
「だから、息子でも娘でも、後を継ぎたいものが継げばいいと思う」
「旦那様は変わってる。魔術師だから?」
「うーん、そうかもしれないね」
さすがに、後継には長男をと考える者は都にもまだまだ多い。イェルハルドのような者はたしかに少ないだろう。それは、魔術師だからというよりも、イェルハルドだからなのかもしれない。
パルヴィも、今までの価値観はなかなか変えられないようだった。よく不思議そうに考え込んでいる姿も見る。
けれど、急いで変わる必要はない。ただ、そういうものがあると受け取れればいいのだと、イェルハルドは思う。
イェルハルドはさりげなくシーツを引き上げて、パルヴィを包む。そのままシーツごと抱え込んで額にキスをして、ぱたりと倒れ込む。
「あ、旦那様!」
「ん?」
「そうやってごまかそうとしてもダメだよ。今夜は、子供ができないやりかたを試すって言ったでしょ」
「でも、君の歳の子とそれは、なんというか、背徳感がね……」
「私たち夫婦なの。だから、もっと仲良くなるんだからね」
「あっ」
シーツの隙間を探り、パルヴィがイェルハルドのそこに手を伸ばした。話す間に少し萎えてしまっていたそこが、パルヴィの手で熱と勢いを取り戻す。
「ほら、旦那様だってやっぱりその気だし」
「いや、これは触られるとどうしても反応してしまうもので……」
「――旦那様、私と仲良くしたくない?」
もぞもぞと弄りながら、パルヴィが上目遣いにじっと見つめた。
もしかしたらこの立ち位置は一生変わらないのかもしれないと考えながら、イェルハルドは小さく息を吐く。
「そりゃ、仲良くしたいよ」
「じゃあ、いいよね、旦那様」
「いや、それとこれとは……パルヴィ!」
シーツに潜り込むパルヴィを止めようとしたが、間に合わない。
掴まれて擦られて「旦那様?」と呼ばれてクッと歯を食いしばり……結局、“子供ができないやりかた”を実践することになってしまった。
* * *
「旦那様、おかしくない? 大丈夫?」
「大丈夫だよ」
何度目かの大丈夫を答えながら、イェルハルドは玄関の扉へと目をやった。
その向こうから、馬のいななきとガタガタという馬車の停まる音が聞こえた。
「さ、ついたようだ。出迎えよう」
イェルハルドはパルヴィの手を引いて扉を開けた。
車寄せには簡素ながらもしっかりした作りの馬車が停まっていて、ちょうど、偉丈夫といった出で立ちの壮年の男性が扉を開けたところだった。
パルヴィは大きく目を瞠る。
イェルハルドの親だというからもっと細身の男を想像していたのに、“谷”の男にも負けないくらいの体格だったからだ。背は高く、厚みもあって筋肉も盛り上がっている。体重だって、イェルハルドの倍はありそうだ。
それから、父のすぐ後から降りてきた母親を見て、なるほどとも思う。柔らかい面差しも雰囲気も、イェルハルドはたぶん母親に似たんだろう。
「やっと来れたよ」
「父上、母上、ひさしぶりです」
「その子があなたのお嫁さんね」
「パルヴィです」
「イェルハルド。お前、結婚する気は無いなどと言っておったが、まさかこんな小さな娘を嫁にするとは驚いたぞ。なるほど、そういう趣味だったのか」
「違います」
厳しい顔は、笑うと意外に人好きのするものだった。帽子を上げるときれいに剃り上げた禿頭がつやつやと光って、パルヴィはやっぱり驚いてしまう。
「それにしてもイェルハルド。あなた、まだそんなにずるずると髪を伸ばしているの? いい加減諦めればいいのに、いい歳した男が鬱陶しいわ」
「放っておいてください」
嫌そうに顔を顰めるイェルハルドと父母を見比べ、きょろきょろと顔を動かすパルヴィに、母は視線を移してにこりと笑う。
「わたくしはダニエラ・ユースダール。こちらは、夫のグスタフよ。よろしくね、パルヴィさん。イェルハルドはいろいろと言葉の足りない子だから大変でしょう? 呆れずに末長く仲良くしてくれると嬉しいわ」
「大丈夫。イェルハルドは強い魔術師なのに、私に優しいから。
それに、私がもう少し大きく育ったら、息子も娘もたくさん産む約束をしてるの。だから、ずっと仲良くする」
「まあ」
くすくすと笑う母に、イェルハルドは居心地悪そうに身じろぎをした。
「なら、安心ね。パルヴィさん、息子をよろしく」
頷きながら、パルヴィは、この父母ならうまくやっていけるんじゃないかと思った。なんといっても、イェルハルドの親なのだし。
「イェルハルド、早く中へ案内しないか。北は寒くていかん」
「はいはい」
大きく玄関を開けて、イェルハルドは両親を招き入れた。
その後に続こうとパルヴィの手を取り……イェルハルドはふと何かを思いついたようにふんわりと笑う。
「パルヴィ、春になったら君の家族にも会いに行こう」
「うん、旦那様」
パルヴィはきゅっとイェルハルドの手を握り返す。
わからないことも戸惑うことも多いけれど、イェルハルドとなら末長くうまくいくんじゃないだろうか。
イェルハルドに身体を寄せ、その腕に頬ずりをしながら、パルヴィは喉を鳴らす猫のように笑った。
「今日、教会で、夫婦が仲良くなるには夜も大切だって聞いたの」
頭の上で、縄がキリキリ軋む音がする。
いつかのように手首と足首をしっかりと結びつけられて身動きもままならないまま、イェルハルドはたらりと冷や汗を垂らした。
「だからって」
「寝てる旦那様は蹴らないから、羊より簡単だもの。それに、いつもくっついてるだけじゃつまんない」
「羊よりって……」
絶句するイェルハルドににんまりと笑って、それから弾む声で続ける。
「あとね、最近下着がきついなって思ったら、前より胸が大きくなってたの。旦那様の言うとおり、ちゃんと育ってるみたい。だから旦那様も確かめて。あとどれくらい育ったら、私のこと大人に見てくれる?」
「育ってるのはわかった。だけど、どうして縛るんだ」
「旦那様が逃げるから。いつも触ったらダメって言うじゃない」
「ダメに決まってる!」
「でも、教会の本じゃたくさん触ってたよ。妻が触ると、旦那様も喜ぶって」
「子供はもっと先でと言ったろう?」
「教会でヘルッタが見つけた本に、子供ができないやりかたが書いてあったの。それを試そうよ」
くすくすと楽しそうに笑いながら、パルヴィはイェルハルドの前合わせを解いていく。前回の必死さは無くなった代わりに、実に楽しそうだ。
イェルハルドは、はあ、と溜息を吐く。
「――パルヴィ、縄を解いて」
「でも」
「逃げないから」
「本当?」
「本当だ」
じいっとイェルハルドの目を覗き込むように見つめて、それからパルヴィはひょいと片手を伸ばすと、あっという間に手首の縄を解いた。
イェルハルドは小さく呟きつつ指をひらめかし、足首の縄も解いてしまう。
「パルヴィ」
呆れた吐息とともに身体を起こして、イェルハルドはパルヴィを引き寄せる。おずおずと見上げ、「旦那様?」と首を傾げる姿に、つい、苦笑が浮かんだ。
ここ最近、パルヴィのお願いに弱くなってしまったように感じるのは、きっと気のせいじゃない。
顎を持ち上げ、上を向かせて唇を啄ばむと、パルヴィの双眸が嬉しそうに細められる。「旦那様」と身体に腕を回してしっかりと抱き付いてくる。
はだけた胸板にすりすりと頬を擦り寄せながら……いつの間にか前に戻した手で、パルヴィはちゃっかりと前合わせを解いていた。
さらには、じわりと昂り始めたそこを確かめようと、パルヴィの手が触れる。つい、ぴくりと反応してしまう。
「パルヴィ……待て」
「旦那様もその気になってる」
「――それは」
「ね、いいでしょ、旦那様」
にんまりと笑うパルヴィの表情は、もう大人のようで……イェルハルドの喉がごくりと鳴った。
膝の上に抱きかかえ、もう一度キスをする。何度か啄ばむうち、だんだんとキスは深くなっていく。
パルヴィの夜着の合わせも解かれ、ほんのりと膨らんだ胸が露わになった。
「旦那様、ほら、大きくなったの」
「ん、そうだな」
イェルハルド手を取り、胸に当ててパルヴィがにへらと笑う。
「ね、旦那様。あとどれくらいで大人? 子供産んでよくなるの、いつ?」
「まだまだ先だってことは確かだね」
さら、と淡い金の髪が流れて、期待に揺れていた濃紫の瞳に不満の色が現れる。
むう、と口を尖らせて、「早く大きくなればいいのに」と呟くパルヴィに、イェルハルドはくくっと笑ってしまう。
「焦らなくていいんだよ」
「私、早く旦那様の息子産みたい」
「息子に限らなくてもいいだろうに。ここは町なんだから」
「でも、後継ぎがいないと、旦那様も困るでしょ?」
「そんなことはない」
え? と首を傾げるパルヴィの頬を撫でて、きゅ、と抱き締めた。
「ぼくはもともと結婚する気はなかったんだ。兄の子が成人したら、そっちに任せようと考えてたくらいだしね。それに、息子でも娘でもどちらでも構わないよ。どっちが産まれても後継に変わりはないんだ、気にしなくていい」
「町って、女でも後が継げるの?」
「そうだよ。だから、息子にこだわる必要はない」
やはり納得がいかないようで、パルヴィは不思議そうに首を傾げたままだ。
「町の警備兵にだって女性はいるだろう? 狩人にだって女性はいる。戦神も狩りの女神も女性が戦うことや狩りに出ることを禁じてないんだ。男女で仕事を分ける必要はない。適性のあるものがやればいい」
「うん」
「だから、息子でも娘でも、後を継ぎたいものが継げばいいと思う」
「旦那様は変わってる。魔術師だから?」
「うーん、そうかもしれないね」
さすがに、後継には長男をと考える者は都にもまだまだ多い。イェルハルドのような者はたしかに少ないだろう。それは、魔術師だからというよりも、イェルハルドだからなのかもしれない。
パルヴィも、今までの価値観はなかなか変えられないようだった。よく不思議そうに考え込んでいる姿も見る。
けれど、急いで変わる必要はない。ただ、そういうものがあると受け取れればいいのだと、イェルハルドは思う。
イェルハルドはさりげなくシーツを引き上げて、パルヴィを包む。そのままシーツごと抱え込んで額にキスをして、ぱたりと倒れ込む。
「あ、旦那様!」
「ん?」
「そうやってごまかそうとしてもダメだよ。今夜は、子供ができないやりかたを試すって言ったでしょ」
「でも、君の歳の子とそれは、なんというか、背徳感がね……」
「私たち夫婦なの。だから、もっと仲良くなるんだからね」
「あっ」
シーツの隙間を探り、パルヴィがイェルハルドのそこに手を伸ばした。話す間に少し萎えてしまっていたそこが、パルヴィの手で熱と勢いを取り戻す。
「ほら、旦那様だってやっぱりその気だし」
「いや、これは触られるとどうしても反応してしまうもので……」
「――旦那様、私と仲良くしたくない?」
もぞもぞと弄りながら、パルヴィが上目遣いにじっと見つめた。
もしかしたらこの立ち位置は一生変わらないのかもしれないと考えながら、イェルハルドは小さく息を吐く。
「そりゃ、仲良くしたいよ」
「じゃあ、いいよね、旦那様」
「いや、それとこれとは……パルヴィ!」
シーツに潜り込むパルヴィを止めようとしたが、間に合わない。
掴まれて擦られて「旦那様?」と呼ばれてクッと歯を食いしばり……結局、“子供ができないやりかた”を実践することになってしまった。
* * *
「旦那様、おかしくない? 大丈夫?」
「大丈夫だよ」
何度目かの大丈夫を答えながら、イェルハルドは玄関の扉へと目をやった。
その向こうから、馬のいななきとガタガタという馬車の停まる音が聞こえた。
「さ、ついたようだ。出迎えよう」
イェルハルドはパルヴィの手を引いて扉を開けた。
車寄せには簡素ながらもしっかりした作りの馬車が停まっていて、ちょうど、偉丈夫といった出で立ちの壮年の男性が扉を開けたところだった。
パルヴィは大きく目を瞠る。
イェルハルドの親だというからもっと細身の男を想像していたのに、“谷”の男にも負けないくらいの体格だったからだ。背は高く、厚みもあって筋肉も盛り上がっている。体重だって、イェルハルドの倍はありそうだ。
それから、父のすぐ後から降りてきた母親を見て、なるほどとも思う。柔らかい面差しも雰囲気も、イェルハルドはたぶん母親に似たんだろう。
「やっと来れたよ」
「父上、母上、ひさしぶりです」
「その子があなたのお嫁さんね」
「パルヴィです」
「イェルハルド。お前、結婚する気は無いなどと言っておったが、まさかこんな小さな娘を嫁にするとは驚いたぞ。なるほど、そういう趣味だったのか」
「違います」
厳しい顔は、笑うと意外に人好きのするものだった。帽子を上げるときれいに剃り上げた禿頭がつやつやと光って、パルヴィはやっぱり驚いてしまう。
「それにしてもイェルハルド。あなた、まだそんなにずるずると髪を伸ばしているの? いい加減諦めればいいのに、いい歳した男が鬱陶しいわ」
「放っておいてください」
嫌そうに顔を顰めるイェルハルドと父母を見比べ、きょろきょろと顔を動かすパルヴィに、母は視線を移してにこりと笑う。
「わたくしはダニエラ・ユースダール。こちらは、夫のグスタフよ。よろしくね、パルヴィさん。イェルハルドはいろいろと言葉の足りない子だから大変でしょう? 呆れずに末長く仲良くしてくれると嬉しいわ」
「大丈夫。イェルハルドは強い魔術師なのに、私に優しいから。
それに、私がもう少し大きく育ったら、息子も娘もたくさん産む約束をしてるの。だから、ずっと仲良くする」
「まあ」
くすくすと笑う母に、イェルハルドは居心地悪そうに身じろぎをした。
「なら、安心ね。パルヴィさん、息子をよろしく」
頷きながら、パルヴィは、この父母ならうまくやっていけるんじゃないかと思った。なんといっても、イェルハルドの親なのだし。
「イェルハルド、早く中へ案内しないか。北は寒くていかん」
「はいはい」
大きく玄関を開けて、イェルハルドは両親を招き入れた。
その後に続こうとパルヴィの手を取り……イェルハルドはふと何かを思いついたようにふんわりと笑う。
「パルヴィ、春になったら君の家族にも会いに行こう」
「うん、旦那様」
パルヴィはきゅっとイェルハルドの手を握り返す。
わからないことも戸惑うことも多いけれど、イェルハルドとなら末長くうまくいくんじゃないだろうか。
イェルハルドに身体を寄せ、その腕に頬ずりをしながら、パルヴィは喉を鳴らす猫のように笑った。
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