狂える女神と死神憑きの王子

ぎんげつ

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12.永遠に、

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「ナディアル、やっと会えたわ」

 レギナの“声”がまた聞こえるようになるまで三日、さらにそこから一日。ひたすら荒地を歩き続けた先で、それは待っていた。
 うっとりと微笑むそれは、ナディアルとそう変わらない少女の姿で、けれど、表情はまるで少女とは言えないようなもので、何より……。
「クロディーヌ……? でも、歳と、それに色が……」
 大きく目を見開いて、ナディアルは息を呑んだ。

 クロディーヌ・ルトリーは、乳母ジゼル・ルトリーの娘だ。乳兄弟だったデジレの四つ上の姉で、侍女として自分に仕えてくれていた。
 けれど、皆、もういない。

「ナディアルはこの顔が好きでしょう? でも、色はナディアルに合わせたの。どうかしら?」
「そう、か……」
 くすくすと笑うレギナに、ナディアルの頭の中がスッと冷える。代わりに顔に浮かんだのは、仮面を貼り付けたような笑みだった。
「――レギナは、趣味がいいんだな」
「気に入ってくれたかしら? わたしが知ってる中で、ナディアルの反応が一番良かった顔よ。だから、これにしたの」

 楽しそうに笑うレギナを、ナディアルはひたすらに凝視する。 

 反応がいいのは当たり前だ。
 ずっと、デジレと共に姉弟のように育ってきたのだ。

 ナディアルはぎゅっと口を引き結ぶ。
 化け物なんだから、当たり前だ。
 レギナは化け物だから、ナディアルがクロディーヌを好ましく思っていたと気づいたところで、“なぜか”という理由の部分まで理解が及ばないのだ。

「ナディアル?」
「君のところに着いたんだ。約束どおり、君のことを教えてくれる?」
 薄く笑みを貼り付けたナディアルに、レギナはたちまちうっとりと笑った。
 手を差し伸べられて「ナディアル」と呼ばれて、一瞬湧き上がった払いのけたいという衝動を抑えて、ナディアルはその手を取った。
 歩き出そうとして、ふと、ナディアルはちらりと振り向いた。やや後ろに佇むエルストに、声には出さずに役目を果たせと告げる。
 ナディアルの口の動きを読み取ってか、エルストが微かに頷いた。
「レギナ、案内してくれ」



 弾むような足取りでレギナが案内した場所には、巨大な金属の半球を伏せたような建物があった。
 ――近くまで何もない荒地だったはずなのに、気付くと突然、目の前に巨大な建物のようなものがあったのだ。
「幻術……いや、これも、科学なのか?」
「そうよ。光の屈折を利用して隠しているの」
「屈折?」
「本当は存在するものを、見えないようにしているってこと」
 にこにこと笑いながらレギナが手を伸ばし、鏡のようなつるりとした表面に触れる。瞬く間に切れ目ができて、扉のようにぱかりと開いた。
「どう、なってるんだ……」
「もともとは宇宙にあったの。だから、しっかりと密閉されてるし、外壁だってとても頑丈で、有害な光線や放射線を通さないようにコーティングもされてるのよ」
 レギナの言葉がどういうことなのか、ナディアルには相変わらずよくわからない。けれど、レギナはひとり考え込むように、ぶつぶつと続ける。
「でも、ここオルの成り立ちは、わたしの知ってるものと違うのよね……星はないし、太陽と月だけがどこからともなく昇ってぐるりと空を巡るの。とても不思議。しかも、衛星を飛ばすことすらできないのよ」
「レギナが、何を言ってるのか、さっぱりわからない」
「それに、“果て”。たしかにこの世界には“果て”があったわ。わたしには、そこから先がどうなっているのか、どうしても観測できなかった」
「レギナは……いったい、何なんだ」
 ぽつりとこぼしたナディアルの疑問に、レギナは笑うだけだった。
「さあ、ナディアル、入って。“デーヴァローカ”へようこそ」



 扉の内側は、鉄とも石とも違う何かでできていた。継ぎ目がどう繋がれているのかもわからず、何で磨けばここまで滑らかで平らにできるのか、皆目見当もつかない。何より、どう見ても魔術で灯しているとしか思えない明かりで照らされ……。

 不意にレギナが振り返り、はじめてエルストに視線を合わせた。
「“一番目エルスト”、あなたはその見苦しい身体をさっさと直してきて」
「了解した」
 エルストはさっさと別な通路へと立ち去ってしまう。その背中を見送って、レギナが改めてナディアルに微笑んだ。

「ナディアル、やっとふたりきりだわ」
 腕にぎゅうっとしがみ付いて、レギナがくすくすと笑う。
「こっちにあなたのための部屋を用意したのよ。来て、ナディアル」
 ぐいぐいと腕を引っ張るレギナに応えて、ナディアルも足を早めた。
 何の飾りもない、のっぺりとした通路を白い明かりが照らす。時折、赤や緑のランプも灯っていた。床にはタイルか何か、複雑で意味ありげな紋様も描かれているが、ナディアルにはやっぱりわからない。
 壁と同じような素材の扉をくぐり、横に伸びた通路をどんどん進みながら、ナディアルは、この変な建物からふたたび出られるのだろうかと考える。



 ようやく目当ての部屋に着いたのか、レギナがナディアルを振り返り、扉を開いた。

 この扉も、横にあるタイルのような何かに手をかざすだけで静かに開く。
 いったいどんな仕組みなのか。ナディアルには、やはり魔導技術を使った何かのようにしか見えなかった。だが、それにしたって、ここまで何もかもを魔導機関で賄うには、とてつもない費用と何十人もの専属技師が必要なはずだ。なのに、これまでレギナとしか出会っていない。

「ここはナディアルのための部屋よ」
 腕を引かれて一歩中へ踏み込むと、これまでの通路とはまるで違った空間になっていた。

 毛足が長く密に織られた絨毯が敷き詰められ、複雑な模様の美しい生地を張った長椅子が置かれている。
 さすがに暖炉は無いものの、どれも名だたる職人が作ったものだと伺える上質な木を削って作られた調度を設えた、居心地の良さそうな部屋だったのだ。
 ひとつだけ難を言うとすれば、窓がないことくらいか。

「ナディアルの部屋にあったものと、似たものを集めてみたの。
 ねえ、気に入ってくれた?」
「……ああ」
 大きく目を見開いたまま身じろぎもしないでじっと部屋を見つめるナディアルを、レギナは不思議そうに見上げる。
「本当?」
「本当だとも」
 何の感情もこもってないような言葉の調子に首を傾げながら、レギナは「いいわ」と自分を納得させるように頷いた。

「さ、ナディアル、来て。旅の汚れを落としましょう。今日は、わたしがナディアルのお世話をしてあげる」
「ああ」
 レギナはまたナディアルの手を引いて、部屋の奥にある浴室へと案内した。



 ちゃぷ、と小さく音を立てて湯が揺れる。
 はあ、と小さく声を漏らして、レギナが身を悶えさせる。
「こうしたかったんだろう?」
 背後から抱え込むように抱かれて、レギナは頰をますます紅潮させた。
 ナディアルよりも小さく、ひとつかふたつ下にしか見えないレギナの身体の胸も腰も、剥いてみれば充分に発達したものだった。

 女の身体は初潮を迎えなければ完成されたとは言えず、その初潮が来る年齢はちょうど今のナディアルくらいなのだと、教師が言っていたことを思い出す。
 しかも、初潮を迎えたからといって成長は終わったわけではない。女として本当に成熟するのは二十歳を過ぎてからなのだとも。

 やっぱり、こいつは化け物なんだ、と考える。

 クロディーヌそっくりの顔で、けれどナディアルよりも幼いはずの身体は、カロルやエルストと同じくらい成熟している。
 まさに“そう作ったから”なのだろう。

 粘つく蜜をこぼし始めた場所を指でぬるぬるとくすぐりながら、ナディアルはレギナの耳元に囁いた。
「君のこの身体は、エルストやカロルとどう違う?」
「どうって、全然違うのよ……んっ。
 わたしは人間と同じようにできてるの。人間のように繊細に……それに、敏感に……あ、あん」
「人間のように? 本当にそんなふうに作れるのか? なら、どうしてエルストはあんな化け物に作ったんだ?」
「だって、アレエルストは、“何にも侵されず、何にも損なわれることがないように”って、作られたものだもの。だからあんなに人間離れした能力スペックにできているのよ」

 ぐちゅぐちゅと掻き回されて、レギナの息が荒くなる。顔はますます赤く染まり、視線が欲情を湛えてさまよいだす。

「でも、わたしは違うわ。例えば、銃で撃たれれば、人間のように動けなくなるし、血だって流れ過ぎれば、機能が低下してしまう。それに、人間のように食べたり飲んだりして、そこからエネルギーを得ることもできるのよ」
「そう。レギナはすごいんだな」
 ふふ、と、レギナは得意そうに目を細めて笑った。は、と吐息を漏らして首を巡らせ、「ねえ、ナディアル」と甘えるように顔を擦り寄せる。
 そのレギナの首をへし折ってしまいたい気持ちをぐっと抑え、ナディアルは「でも」と首を傾げた。
「人間の身体は脆いんだ。身体に万一のことがあったら、君はどうなる?」
「大丈夫。予備スペアがあるわ」
 身体の向きを変えて、レギナは対面で跨るような体勢で抱きついた。
 ナディアルの固くなったものに腰を押し当てて、もう一度「ねえ」とねだるようにキスをする。
「予備?」
「わたしには予備があるの。ね……、それに、ナディアルが成長したらわたしももう少し大きい身体に変えないと、釣り合わなくなってしまうじゃない」
 化け物のくせに、変なことを気にするんだなと笑って、ナディアルはレギナの腰を持ち上げる。
 今まで、さんざんカロルやエルストに代わりをさせてきたくせに。
「大きく?」
「ええ……あ、ナディアル、ああっ」
 レギナの蜜口に、ナディアルの昂りがあてがわれた。
 腰を下ろされ、ぐっと押し広げられて背筋がぞくぞくと粟立って、レギナは、思わず、ああ、と喉を反らしてしまう。
 その喉に、ナディアルは舌をぬるりと這わせる。
「でも、身体を変えるって、どうやって……」
「簡単、よ……あ、あっ、そう、ね。例えるなら、“わたし”という、魂の、コアのようなものを、載せ替える、と言えば、良いかしら」
 何度も浅く息を吐き、腰をくねらせて、レギナはとろりと見つめる。キスを、と呟かれて、ナディアルはその唇を塞いで舌を絡め取った。
 続けて、腰を押さえつけ、奥を小突くように小さく数度突き上げる。
 ひくひくとわななき震えて、レギナの内部がナディアル自身を締め上げる。
「君は……魂だけの、存在なのか?」
「は……あっ、“わたし”は、目に見えない、魂のような、ものなの。でも、確かに、この身体の中にいるわ」
「形がないのに確かにいるというのは、何か変だ」
「でも……んっ、そうしたら、ナディアルだって同じよ。ナディアルという、意識に、形はない、もの……あっ、あ、ナディアル……っ、そこっ」
 はあはあと息を荒げてレギナは身体を揺らす。もっともっとと欲しがるように腰を擦り付けて、切なげに目を細める。
コアは、目に見えないけど、確かに存在するの。それを、新しい身体に、移動すれば良いだけなのよ。簡単でしょう?」
 レギナを抱えたまま、ナディアルはいきなり立ち上がった。ざざ、とお湯が大きく揺れて跳ね上がる。
 悶えるレギナを湯桶の縁に腰掛けさせ、大きく突き上げる。
 数度突いて、さらに抉るように腰を回すと、喘ぐレギナの口の端からたらりと涎が垂れ落ちた。
 口元を指で拭い、ナディアルはレギナをもう一度抱え起こし、くるりと向きを変えさせる。手を湯桶の淵にかけさせて、まるで獣のように背後から抱く。
「けれど……移動、って、目に見えないのに、どうやって……」
 ゆるゆると中を擦りながら、ナディアルはレギナの髪にキスを落とす。
 ナディアルの当たる場所が変わったせいか、レギナは陶然とした表情でひくひくと内襞をわななかせた。
「ん、っあ……あっ……この、空間を、飛ぶのよ」
 飛ぶ? 何が、どうやって?
 ナディアルが思わず動きを止めてしまったことに気付いて、レギナは腰を振ってもっとをねだった。
「わたしは、目に見えない、情報というものなの。情報であるわたしは、空を飛び、新しい身体に乗り換えながら、永遠に生きていくの」
「永、遠?」
 呆然と見下ろすナディアルを急かすようにレギナはもう一度腰を振り、内のナディアルを締め付ける。
 ナディアルがまたゆっくりと動きを再開すると、満足げに息を吐いて、レギナは「ええ」と頷いた。胸に回されたナディアルの手に、尖って固くなった先を転がすように擽られて、レギナは小さく吐息を漏らす。
 不意に背後を振り返ったレギナは、ぐずぐずに蕩け切った視線をナディアルに投げ掛けた。

「永遠よ。ナディアル、あなたもね」
「――僕、も?」
「そう。あなたのための身体も用意したのよ。ナディアルの一番良い時期に合わせて身体を変えれば、ナディアルも永遠にわたしと一緒にいられるわ。素敵でしょう?」
「永遠、に……?」
「ええ。永遠にわたしと一緒。ねえ、ナディアル、素敵でしょう?」

 永遠に、レギナと共に。
 永遠に、化け物から逃れられない。
 ナディアルの背を、堪え切れないほどのおぞましい何かが駆け下りた。


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