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4.ミカちゃんとご近所さん
5.誕生日デート
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瑠夏さんからの結婚決まった報告を受けてしばらく後の週末……なんとあの天使がうちを訪ねてきた。
いったいどういう風の吹き回しなのか、手土産まで持参している。
玄関を開けて固まるミカちゃんの後ろから、何事かと私も覗き込み、あまりのことに思わず顔を見合わせてしまった。
「非常に不本意なのだが……」
決まり悪げにぼそぼそと話し出す天使は、私とミカちゃんに相談したいことがあるのだという。
――天使、本気なのか!?
「ルカの誕生日が近いんだ。こちらでは、その、誕生日を祝うために、いろいろと準備をしなくてはならないと聞いた」
憮然とした、額にくっきり“不本意”と書かれた表情で天使はそう告げると、ミカちゃんと私に向かってぺこりと頭を下げた。
すごい、天使は本気だ。
彼女の誕生日のお祝いのために吸血鬼に膝を折るとか、本気過ぎてすごいとしか言いようがない。
さすがのミカちゃんまでもが、「愛の力というのは真に偉大なのですね」などと呟いて感心しきりである。
私も、まったくもってミカちゃんに同感である。
「なるほど、それで不承不承ながらも、私に教えを請いたいというわけですか。ずいぶんと殊勝げな態度で」
ミカちゃんがにっこりと微笑む。ちょっと意地悪な雰囲気の微笑みだった。
くっ、と天使が拳を握り締める。
「み、ミカちゃん。ここは天使のためっていうよりも瑠夏さんのためだし、なんとか力になってあげようよ」
「律子さんがそうおっしゃるのでしたら」
うん、ここはあんまり煽っていいところじゃない。
天使が幾分かほっとしたような顔になった。
まあとりあえずと、天使を部屋に上げて卓袱台を囲み、お茶を出した。ほっと落ち着いたところで、さっそくミカちゃんが口火を切る。
「それでは、まず単刀直入に予算を聞いておきましょうか」
「予算?」
「そう。あなたの収入にもよりますが、多すぎても少なすぎてもいけません。分相応というものがあります」
「……それなりに稼いでいるつもりだが。
今ここですぐにというなら、金貨五千枚程度は即金で用立てられる」
「……金貨? どちらのです? 日本円では?」
ミカちゃんが訝しげな表情で首を傾げる。金貨五千枚とか、ごくたまにテレビとかで見るメイプルリーフ金貨だろうか。そんな枚数が発行されてるものなのか。
「こちらの貨幣は、いつも金貨を換金して用意しているんだ」
「……その金貨、見せていただけますか?」
天使が持っていた鞄から袋を取り出して、ざらざらと硬貨をぶちまけた。
「……見たことのない金貨ですね。古銭ですか?」
「僕の地元の交易金貨だ」
地元。つまり天国か。天国では金貨を流通貨幣として使っているのか。
「……金の含有率は何パーセントですか?」
「含有率?」
首を捻る天使に、ミカちゃんが少し呆れる。横に置いてあったタブレットを取ってさくさく検索を始める。
「今の金相場にそっての買取になりますから、この金貨に含まれる金の重量がわからなければお話になりません。それに、純金……24金や18金という保証がないですから、買い叩かれる可能性もあるでしょうね」
「いつもは町の両替商で金貨とこちらの通貨を交換しているんだが……」
「なるほど」
ミカちゃんがじっと考え込む。
この調子じゃ、天使は日本の物価や金銭感覚もよくわかってないんじゃないだろうか。どことなく不安になってミカちゃんを見てしまう。
ふ、と息を吐いてミカちゃんは肩を竦めた。
「瑠夏さんは、こちらの普通の家庭のお嬢さんでしたっけ」
「うん。すごく普通のサラリーマン家庭だと思うよ」
私の言葉にミカちゃんは頷く。
「では、そうそうお金をかけ過ぎてもよくないでしょう。ドレスアップするにも、天使にこちらで用意できそうにありませんし」
く、と天使が唇を噛む。
確かに、ミカちゃんならともかく、この天使が瑠夏さんをオシャレなお店に連れてって「彼女に似合うものを」なんてやる姿が想像できない。
「……スーツはお持ちですか?」
「スーツ?」
「持っていないんですね。では、まずあなたの服をなんとかしなければ」
「服?」
訝しむ天使をよそに、ミカちゃんは私を振り返ってにっこりと微笑む。
「律子さん、今からこの天使のスーツを誂えに行きましょうか」
「おー! 行く行く!」
話に置いてけぼりの天使はそのままに、私とミカちゃんはさっさと用意をして天使を引っ張り都内へと出かけた。
「確かにさ、天使に合うサイズのスーツなんて、吊るしで売ってないもんね」
「吊るし?」
「はい。ですから、最低でもセミオーダーで買う必要がありますけど、それにしても限界はあるでしょうね。期間もありませんし、私の知っているテーラーへ向かおうと思います。多少の無理は聞いていただけるでしょう」
ミカちゃんとそんなことを話しながら、頭の上にはてなマークをいっぱい並べたままの天使をあちこち引き回し、必要と思われる買い物を済ませていく。
服に靴に小物……と、こっちで使う必要最低限すら持ってないとか驚いた。服なんてジーンズショップの適当なカジュアルだし、ほんと、いつもはどうしていたのだ。瑠夏さんも、いかにイケメン補正が働くからって、もうちょっと気にしたほうがいいんじゃないだろうか。
「それと天使」
天使のものがあらかた揃ったところで、ミカちゃんが天使を振り向く。
「女性に恥をかかせてはいけないことくらいはわかりますね? あなたの服に合わせて彼女のドレスアップも考えなければいけません」
「……ああ」
「ですから、明日は瑠夏さんの買い物です。
律子さん、瑠夏さんを買い物に誘い出していただけますか?」
「うん」
私はさっそく瑠夏さんにメールを打つ。
「それと、天使。あなたのテーブルマナーはいかほどです?」
「テーブルマナー……上級貴族との会食をこなせる程度には慣れているが、こちらでの経験はない」
貴族。天界には貴族がいるのか。すごいな。天界の新事実か。
「上級貴族というと、伯爵位よりは上ですね……わかりました。では、あなたのマナーも確認しましょう」
さらっとそういう知識が出てくるあたりもさすがミカちゃんだ。
ミカちゃんがスマホを出してどこかへ連絡を取り始めた。すごい。ミカちゃんは本気でプロデュースする気なのか。ちょっとおもしろくなってきた。
と、私のスマホがぶるぶる震えた。
さっと画面に目をやると、瑠夏さんからの返信だった。
「瑠夏さん、明日オッケーだって」
「では、明日は瑠夏さんの買い物ですね」
ミカちゃんはにっこりと笑って、天使に「明日はふたりでうちにいらっしゃい」と告げた。
その後も、いろいろと店を周り……なんというか、婚約指輪のことやらなんやらと、説明をしながらあれこれ見て回る。
とうとう覚えきれないと思ったのか、天使はメモを取り出してあれこれ書きつけ始めた。
吸血鬼に誕生日デートの相談に来て、教えられたことをメモる天使……というのは、なかなかにシュールかもしれない。
というか、彼が仕えているという神様が泣いたりしないんだろうか。
さんざん歩き回り、程よく疲れたところで喫茶店に入る。仕上げはデートプランの組み立てだ。
「最後はホテルディナーと、そのホテルへの宿泊というのが定番ですが……」
「わざわざ泊まるのか?」
どことなく納得いかない風に天使は首を傾げる。
「はい。その特別な日の夜を共に楽しむのが、誕生日デートというものだと思いますが……ねえ、律子さん?」
「うん。かなりの定番だよね。普段は泊まらないような豪華な部屋で、ちょっとロマンチックな一夜をって」
「ロマンチック?」
ますます首を傾げる天使の姿に、なんとなくピンとくるものがあって私の眉間がぐぐっと寄っていく。
「……天使、あのさ、もしかして、その、ずばり訊いちゃうけど、瑠夏さんに押し倒されて婚前交渉的なものは……?」
天使が赤面して目を逸らし、いきなり狼狽えだした。お前は思春期男子か。
「そ、そんな、ルカはまだ未婚なんだぞ!」
「なるほど。先日の律子さんの話はそれですか。天使はまだ純潔と、そういうことだったのですね」
ミカちゃんは深く頷き、然もありなんという顔になる。
「それでは、天使にとって多少贅沢なホテルで恋人とめくるめく一夜をというのは、少々大人に過ぎるということですか。
では、変更が必要ですね」
ミカちゃんの言葉についブフォと噴き出してしまった。天使が目を潤ませる。
「あ、いや、悪いことじゃないと思うよ。今どきこの歳でそれってウルトラレアだなって思うだけで、うん、悪くはないと思う。いいんじゃないかな」
「お前、適当に言ってるだろう」
慌てた私がフォローしても、天使は納得行かないようだ。
「──ああ、けれど、初夜で失敗なさらないように、十分な予習はお勧めしておきますよ。とはいえ、大抵の男性がアダルトビデオなどを参考にするようですが、それは止めておいたほうがよろしいかと。
物知らずが、変なものを参考に無謀なことをしでかすと、大抵、女性側が辛いことになるものですし」
……というミカちゃんの言葉に、ぐっ、と天使が拳を握る。「予習が必要なのか。なら、地母神教会で相談か……」とぶつぶつ呟きながら汗をひと筋垂らす。
ミカちゃんは、「それにしても、さすが聖なるものですね。まさか身体も聖なるものとは、思いもよりませんでした」とにっこり艶やかに微笑んだ。
そこから、またもや憮然とする天使のために再度プランを練り直す。
もろもろチェックのうえ、ミカちゃん的に合格ラインであることを確認したところで、今日のデート準備会はお開きとなった。
天使の名誉のために付け加えておくと、テーブルマナーあたりの所作はなかなかのものらしい。私が見てもよくわからなかったけど。
そして、肝心のデートの首尾についてだが……もちろん、後日、瑠夏さんとお茶をしながらじっくりと聞き出すつもりである。
いったいどういう風の吹き回しなのか、手土産まで持参している。
玄関を開けて固まるミカちゃんの後ろから、何事かと私も覗き込み、あまりのことに思わず顔を見合わせてしまった。
「非常に不本意なのだが……」
決まり悪げにぼそぼそと話し出す天使は、私とミカちゃんに相談したいことがあるのだという。
――天使、本気なのか!?
「ルカの誕生日が近いんだ。こちらでは、その、誕生日を祝うために、いろいろと準備をしなくてはならないと聞いた」
憮然とした、額にくっきり“不本意”と書かれた表情で天使はそう告げると、ミカちゃんと私に向かってぺこりと頭を下げた。
すごい、天使は本気だ。
彼女の誕生日のお祝いのために吸血鬼に膝を折るとか、本気過ぎてすごいとしか言いようがない。
さすがのミカちゃんまでもが、「愛の力というのは真に偉大なのですね」などと呟いて感心しきりである。
私も、まったくもってミカちゃんに同感である。
「なるほど、それで不承不承ながらも、私に教えを請いたいというわけですか。ずいぶんと殊勝げな態度で」
ミカちゃんがにっこりと微笑む。ちょっと意地悪な雰囲気の微笑みだった。
くっ、と天使が拳を握り締める。
「み、ミカちゃん。ここは天使のためっていうよりも瑠夏さんのためだし、なんとか力になってあげようよ」
「律子さんがそうおっしゃるのでしたら」
うん、ここはあんまり煽っていいところじゃない。
天使が幾分かほっとしたような顔になった。
まあとりあえずと、天使を部屋に上げて卓袱台を囲み、お茶を出した。ほっと落ち着いたところで、さっそくミカちゃんが口火を切る。
「それでは、まず単刀直入に予算を聞いておきましょうか」
「予算?」
「そう。あなたの収入にもよりますが、多すぎても少なすぎてもいけません。分相応というものがあります」
「……それなりに稼いでいるつもりだが。
今ここですぐにというなら、金貨五千枚程度は即金で用立てられる」
「……金貨? どちらのです? 日本円では?」
ミカちゃんが訝しげな表情で首を傾げる。金貨五千枚とか、ごくたまにテレビとかで見るメイプルリーフ金貨だろうか。そんな枚数が発行されてるものなのか。
「こちらの貨幣は、いつも金貨を換金して用意しているんだ」
「……その金貨、見せていただけますか?」
天使が持っていた鞄から袋を取り出して、ざらざらと硬貨をぶちまけた。
「……見たことのない金貨ですね。古銭ですか?」
「僕の地元の交易金貨だ」
地元。つまり天国か。天国では金貨を流通貨幣として使っているのか。
「……金の含有率は何パーセントですか?」
「含有率?」
首を捻る天使に、ミカちゃんが少し呆れる。横に置いてあったタブレットを取ってさくさく検索を始める。
「今の金相場にそっての買取になりますから、この金貨に含まれる金の重量がわからなければお話になりません。それに、純金……24金や18金という保証がないですから、買い叩かれる可能性もあるでしょうね」
「いつもは町の両替商で金貨とこちらの通貨を交換しているんだが……」
「なるほど」
ミカちゃんがじっと考え込む。
この調子じゃ、天使は日本の物価や金銭感覚もよくわかってないんじゃないだろうか。どことなく不安になってミカちゃんを見てしまう。
ふ、と息を吐いてミカちゃんは肩を竦めた。
「瑠夏さんは、こちらの普通の家庭のお嬢さんでしたっけ」
「うん。すごく普通のサラリーマン家庭だと思うよ」
私の言葉にミカちゃんは頷く。
「では、そうそうお金をかけ過ぎてもよくないでしょう。ドレスアップするにも、天使にこちらで用意できそうにありませんし」
く、と天使が唇を噛む。
確かに、ミカちゃんならともかく、この天使が瑠夏さんをオシャレなお店に連れてって「彼女に似合うものを」なんてやる姿が想像できない。
「……スーツはお持ちですか?」
「スーツ?」
「持っていないんですね。では、まずあなたの服をなんとかしなければ」
「服?」
訝しむ天使をよそに、ミカちゃんは私を振り返ってにっこりと微笑む。
「律子さん、今からこの天使のスーツを誂えに行きましょうか」
「おー! 行く行く!」
話に置いてけぼりの天使はそのままに、私とミカちゃんはさっさと用意をして天使を引っ張り都内へと出かけた。
「確かにさ、天使に合うサイズのスーツなんて、吊るしで売ってないもんね」
「吊るし?」
「はい。ですから、最低でもセミオーダーで買う必要がありますけど、それにしても限界はあるでしょうね。期間もありませんし、私の知っているテーラーへ向かおうと思います。多少の無理は聞いていただけるでしょう」
ミカちゃんとそんなことを話しながら、頭の上にはてなマークをいっぱい並べたままの天使をあちこち引き回し、必要と思われる買い物を済ませていく。
服に靴に小物……と、こっちで使う必要最低限すら持ってないとか驚いた。服なんてジーンズショップの適当なカジュアルだし、ほんと、いつもはどうしていたのだ。瑠夏さんも、いかにイケメン補正が働くからって、もうちょっと気にしたほうがいいんじゃないだろうか。
「それと天使」
天使のものがあらかた揃ったところで、ミカちゃんが天使を振り向く。
「女性に恥をかかせてはいけないことくらいはわかりますね? あなたの服に合わせて彼女のドレスアップも考えなければいけません」
「……ああ」
「ですから、明日は瑠夏さんの買い物です。
律子さん、瑠夏さんを買い物に誘い出していただけますか?」
「うん」
私はさっそく瑠夏さんにメールを打つ。
「それと、天使。あなたのテーブルマナーはいかほどです?」
「テーブルマナー……上級貴族との会食をこなせる程度には慣れているが、こちらでの経験はない」
貴族。天界には貴族がいるのか。すごいな。天界の新事実か。
「上級貴族というと、伯爵位よりは上ですね……わかりました。では、あなたのマナーも確認しましょう」
さらっとそういう知識が出てくるあたりもさすがミカちゃんだ。
ミカちゃんがスマホを出してどこかへ連絡を取り始めた。すごい。ミカちゃんは本気でプロデュースする気なのか。ちょっとおもしろくなってきた。
と、私のスマホがぶるぶる震えた。
さっと画面に目をやると、瑠夏さんからの返信だった。
「瑠夏さん、明日オッケーだって」
「では、明日は瑠夏さんの買い物ですね」
ミカちゃんはにっこりと笑って、天使に「明日はふたりでうちにいらっしゃい」と告げた。
その後も、いろいろと店を周り……なんというか、婚約指輪のことやらなんやらと、説明をしながらあれこれ見て回る。
とうとう覚えきれないと思ったのか、天使はメモを取り出してあれこれ書きつけ始めた。
吸血鬼に誕生日デートの相談に来て、教えられたことをメモる天使……というのは、なかなかにシュールかもしれない。
というか、彼が仕えているという神様が泣いたりしないんだろうか。
さんざん歩き回り、程よく疲れたところで喫茶店に入る。仕上げはデートプランの組み立てだ。
「最後はホテルディナーと、そのホテルへの宿泊というのが定番ですが……」
「わざわざ泊まるのか?」
どことなく納得いかない風に天使は首を傾げる。
「はい。その特別な日の夜を共に楽しむのが、誕生日デートというものだと思いますが……ねえ、律子さん?」
「うん。かなりの定番だよね。普段は泊まらないような豪華な部屋で、ちょっとロマンチックな一夜をって」
「ロマンチック?」
ますます首を傾げる天使の姿に、なんとなくピンとくるものがあって私の眉間がぐぐっと寄っていく。
「……天使、あのさ、もしかして、その、ずばり訊いちゃうけど、瑠夏さんに押し倒されて婚前交渉的なものは……?」
天使が赤面して目を逸らし、いきなり狼狽えだした。お前は思春期男子か。
「そ、そんな、ルカはまだ未婚なんだぞ!」
「なるほど。先日の律子さんの話はそれですか。天使はまだ純潔と、そういうことだったのですね」
ミカちゃんは深く頷き、然もありなんという顔になる。
「それでは、天使にとって多少贅沢なホテルで恋人とめくるめく一夜をというのは、少々大人に過ぎるということですか。
では、変更が必要ですね」
ミカちゃんの言葉についブフォと噴き出してしまった。天使が目を潤ませる。
「あ、いや、悪いことじゃないと思うよ。今どきこの歳でそれってウルトラレアだなって思うだけで、うん、悪くはないと思う。いいんじゃないかな」
「お前、適当に言ってるだろう」
慌てた私がフォローしても、天使は納得行かないようだ。
「──ああ、けれど、初夜で失敗なさらないように、十分な予習はお勧めしておきますよ。とはいえ、大抵の男性がアダルトビデオなどを参考にするようですが、それは止めておいたほうがよろしいかと。
物知らずが、変なものを参考に無謀なことをしでかすと、大抵、女性側が辛いことになるものですし」
……というミカちゃんの言葉に、ぐっ、と天使が拳を握る。「予習が必要なのか。なら、地母神教会で相談か……」とぶつぶつ呟きながら汗をひと筋垂らす。
ミカちゃんは、「それにしても、さすが聖なるものですね。まさか身体も聖なるものとは、思いもよりませんでした」とにっこり艶やかに微笑んだ。
そこから、またもや憮然とする天使のために再度プランを練り直す。
もろもろチェックのうえ、ミカちゃん的に合格ラインであることを確認したところで、今日のデート準備会はお開きとなった。
天使の名誉のために付け加えておくと、テーブルマナーあたりの所作はなかなかのものらしい。私が見てもよくわからなかったけど。
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