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第六章 連れ去らわれて
36.ドグマ様にとっての俺
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翌日、書斎へ行くと、ドグマ様は昨日のことなどすっかり忘れているかのように、普段通りの様子で机に向かっていた。
「おはようございます、ドグマ様。コーヒーをお持ちいたしました」
「ああ、ありがとう」
視線を書類に向けたまま礼を言う。
いつもこうだ。俺はドグマ様にされたことを思い出して普通ではいられないのに、ドグマ様の方はなんとも思っていないのだ。
魔族と人間って感覚が違うのだろうか。
昨日、両足を引っかけるように命令されて魚になったバナナを挿入された椅子が視界に入って、俺は顔がカアッと熱くなった。
変な気持ちにならないようにと思っているのに、体の奥が勝手に熱くなる。
ドグマ様の横顔を見ると、俺のことなど全く気にせず仕事に集中している。
それにしてもきれいな顔だなぁ。ちょっと怖いけれど……。
「ん? どうかしたか?」
俺があんまり見つめたから、ドグマ様がこちらを見た。
人間離れした赤い目と視線が絡み合って、俺の心臓がドクンと脈打った。
昨日、あれだけのことをしたというのにドグマ様はやっぱりけろっとしている。
「いえ、なんでもありません……」
俺が首を横に振ると、ドグマ様はすぐに視線を書類へ戻した。
やっぱりドグマ様は俺に対して特別な興味なんかないんじゃないかと思う。
もしかして、ドグマ様は俺を抱こうとして俺のアソコを女性器にしたんじゃなくて、俺から自由を奪うために性器を変えてしまったのかもしれない。
あそこだけが女性器になってしまった俺は、女性と恋をすることも結婚することもできない。
執事が結婚して家庭を持つことを快く思わない主人は多い。四六時中そばにいて、献身的に仕えてほしいと願われるのだ。
きっとドグマ様もそういうタイプなのだろう。魔族は独占欲が強いと言っていたし。
俺ばっかりがドキドキしてバカみたいだ。
もう変なことを考えるのはやめよう……。
執事として主人に気に入られているのだ。それはとても喜ばしいことじゃないか。
***
夕方、俺は屋敷の前の落ち葉をほうきで掃いていた。
森の奥にぽつんと建っている建物ということだけあって、掃いても掃いても落ち葉が舞ってくる。
庭師たちだってこまめに掃除してくれているけれど、彼らには広い庭の草木や芝生の手入れなど他にもやらなければならない仕事があってとても追いつかないのだ。だから俺も暇さえあればこうして屋敷の門の前を掃いていた。
「おはようございます、ドグマ様。コーヒーをお持ちいたしました」
「ああ、ありがとう」
視線を書類に向けたまま礼を言う。
いつもこうだ。俺はドグマ様にされたことを思い出して普通ではいられないのに、ドグマ様の方はなんとも思っていないのだ。
魔族と人間って感覚が違うのだろうか。
昨日、両足を引っかけるように命令されて魚になったバナナを挿入された椅子が視界に入って、俺は顔がカアッと熱くなった。
変な気持ちにならないようにと思っているのに、体の奥が勝手に熱くなる。
ドグマ様の横顔を見ると、俺のことなど全く気にせず仕事に集中している。
それにしてもきれいな顔だなぁ。ちょっと怖いけれど……。
「ん? どうかしたか?」
俺があんまり見つめたから、ドグマ様がこちらを見た。
人間離れした赤い目と視線が絡み合って、俺の心臓がドクンと脈打った。
昨日、あれだけのことをしたというのにドグマ様はやっぱりけろっとしている。
「いえ、なんでもありません……」
俺が首を横に振ると、ドグマ様はすぐに視線を書類へ戻した。
やっぱりドグマ様は俺に対して特別な興味なんかないんじゃないかと思う。
もしかして、ドグマ様は俺を抱こうとして俺のアソコを女性器にしたんじゃなくて、俺から自由を奪うために性器を変えてしまったのかもしれない。
あそこだけが女性器になってしまった俺は、女性と恋をすることも結婚することもできない。
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きっとドグマ様もそういうタイプなのだろう。魔族は独占欲が強いと言っていたし。
俺ばっかりがドキドキしてバカみたいだ。
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庭師たちだってこまめに掃除してくれているけれど、彼らには広い庭の草木や芝生の手入れなど他にもやらなければならない仕事があってとても追いつかないのだ。だから俺も暇さえあればこうして屋敷の門の前を掃いていた。
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