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第七章 真夜中の木馬遊び
46.卑猥な木馬※
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ムラムラするのに、いざ自慰行為に耽ろうとすると悩みやその他色々なことを思い出して白けてしまう。きっと強いストレスのせいだろう。
そんなことが数日続いて、俺の体はすっかり欲求不満になっていた。
ある夜、寝る前に例の本を眺めていた。やっぱりアレ族の戦士の絵は見れば見るほどルークに似ている。
もしルークがアレ族の末裔であるという確信があれば、今すぐにでも城から追い出した方が賢明だ。俺や父上が暗殺されかねないのだから。
しかしそうせずにいるのは、この本以外に証拠が何もないからだ。本の挿絵に似ているからという理由で解雇するなんてあまりに不当じゃないか。
部屋のドアがノックされ、入って来たのはルークだった。
「こんな時間に、何の用だ!?」
まさか暗殺しに来たのではないかと、身構えた。
しかし当のルークはいつもと変わらない様子で、ドアを大きく開いて赤いシルクの布のかかった物体を部屋の中に運び入れた。
「シュライフェ様のためにこちらをご用意いたしました」
布から出ているのはばねのような形の金属の土台だけだった。大きさからして椅子だろうか?
「なんだ、それは……?」
ルークはシルクの布をスルリと退かした。
布の中から馬の形をした遊具が現れた。公園や広場によくある小さな子供が乗るようなデフォルメされた愛らしい馬の造形物だ。
「なぜ、そんなものっ」
俺のためだと言っていたが、どう見ても子供の遊具じゃないか。俺をバカにするつもりか、と怒鳴ろうとしたとき、馬の座面を見て絶句した。
その背中の部分、ちょうど人が跨る位置に男性器を模した玩具が取り付けられているのだ。
何にどうやって使うのか、聞かなくてもすぐにわかった。
「……っ!」
俺はルークを睨みつけた。どうしてこんなものを持ってきたのか問いただしたかったが、あまりの衝撃に言葉が出なかった。
「シュライフェ様のために特注で作らせました木馬です。どうぞお使いください」
どうぞお使いくださいだとっ……!? ふざけやがってっ!
「無礼者がっ! こんなものいらぬっ! 今すぐ持ち帰れっ!」
怒りと屈辱で俺の顔はきっと真っ赤になっていただろう。
「ムキにならずにお使いください。フラストレーションを溜め込むのは体によくありません。かといって私がまたお相手するのは違う気がしますし……」
「別にムキになどなっていないっ! 俺はフラストレーションなど溜めていないし、お前に相手をしてもらいたいなどと思っていないっ! 貴様、身分をわきまえろ!」
ルークの言うことは全て図星だったが、俺は事実を認めたくなくてどうにか取り繕おうと必死だった。
それにどういうわけか「私がまたお相手をするのは違う気がする」と言われた瞬間、胸にズキンと痛みが走って不快だった。
「とにかく俺はこんなもの使わんっ! お前が責任を持って破棄しろっ!」
「……かしこまりました。今夜は遅いですから、明日回収いたします」
部屋の隅に移動され赤い布をかけられて木馬は置いて行かれた。
そんなことが数日続いて、俺の体はすっかり欲求不満になっていた。
ある夜、寝る前に例の本を眺めていた。やっぱりアレ族の戦士の絵は見れば見るほどルークに似ている。
もしルークがアレ族の末裔であるという確信があれば、今すぐにでも城から追い出した方が賢明だ。俺や父上が暗殺されかねないのだから。
しかしそうせずにいるのは、この本以外に証拠が何もないからだ。本の挿絵に似ているからという理由で解雇するなんてあまりに不当じゃないか。
部屋のドアがノックされ、入って来たのはルークだった。
「こんな時間に、何の用だ!?」
まさか暗殺しに来たのではないかと、身構えた。
しかし当のルークはいつもと変わらない様子で、ドアを大きく開いて赤いシルクの布のかかった物体を部屋の中に運び入れた。
「シュライフェ様のためにこちらをご用意いたしました」
布から出ているのはばねのような形の金属の土台だけだった。大きさからして椅子だろうか?
「なんだ、それは……?」
ルークはシルクの布をスルリと退かした。
布の中から馬の形をした遊具が現れた。公園や広場によくある小さな子供が乗るようなデフォルメされた愛らしい馬の造形物だ。
「なぜ、そんなものっ」
俺のためだと言っていたが、どう見ても子供の遊具じゃないか。俺をバカにするつもりか、と怒鳴ろうとしたとき、馬の座面を見て絶句した。
その背中の部分、ちょうど人が跨る位置に男性器を模した玩具が取り付けられているのだ。
何にどうやって使うのか、聞かなくてもすぐにわかった。
「……っ!」
俺はルークを睨みつけた。どうしてこんなものを持ってきたのか問いただしたかったが、あまりの衝撃に言葉が出なかった。
「シュライフェ様のために特注で作らせました木馬です。どうぞお使いください」
どうぞお使いくださいだとっ……!? ふざけやがってっ!
「無礼者がっ! こんなものいらぬっ! 今すぐ持ち帰れっ!」
怒りと屈辱で俺の顔はきっと真っ赤になっていただろう。
「ムキにならずにお使いください。フラストレーションを溜め込むのは体によくありません。かといって私がまたお相手するのは違う気がしますし……」
「別にムキになどなっていないっ! 俺はフラストレーションなど溜めていないし、お前に相手をしてもらいたいなどと思っていないっ! 貴様、身分をわきまえろ!」
ルークの言うことは全て図星だったが、俺は事実を認めたくなくてどうにか取り繕おうと必死だった。
それにどういうわけか「私がまたお相手をするのは違う気がする」と言われた瞬間、胸にズキンと痛みが走って不快だった。
「とにかく俺はこんなもの使わんっ! お前が責任を持って破棄しろっ!」
「……かしこまりました。今夜は遅いですから、明日回収いたします」
部屋の隅に移動され赤い布をかけられて木馬は置いて行かれた。
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