【ＢＬ】オメガ魔王～運命の番は宿敵の最強剣士でした～

４３．兜合わせ※

　目が覚めるとリヒトの黒い瞳が優しく我を見ていた。

「おはよう、ルシファー。ルシファーが俺の部屋にいるなんて夢みたい」

　我だって同じ気持ちだ……と素直に答えようか迷っていると、奴の足が絡みついている太ももに硬いモノが当たった。
　奴は腰を軽く振り立てて、横向きに寝る我の足の付け根の辺りにそれをコスコスと擦り付ける。

「恥ずかしい奴めっ」

「可愛い顔してすうすう寝てたからずっと見てたんだ。そしたらなんだかムラムラしてきちゃって……」

　リヒトの太ももに擦られて、我も自分のそこが熱く勃ち上がっていることに気が付いた。

　奴はベッドへ横になったまま、我のズボンと下着を太ももの真ん中ぐらいまで擦り下ろした。
　温かな布団の中で股間が露出しわずかにヒヤッとする感覚に背徳を感じて、我の屹立はぴくんと大きさを増した。

　セックスじゃなく二人でする自慰行為だ。

　奴が唇と唇を重ね合わせながらぴったりと腰と腰を密着し、むき出しの肉棒と根元の袋を布団の中で触れ合わせた。奴も同じように布団の中で露出させていたのだ。

　腰をゆるゆる擦り付けられながら、触れ合っていただけの唇へ奴の温かな舌がぬるりとねじ込まれた。

「っ……、んっ……、……っ、……ふっ」

　舌をぬちょぬちょ絡ませ合う深いキスをされ、頭がくらくらする。

　二本の男根をまとめて握っている手がするすると上下に動き出した。
　猛りをリズミカルにしこしこと刺激され、ペニスの先から蜜が垂れていく。

「ふふ、……すごい、ヌルヌル」
　
　キスの合間、唇を離さずに息継ぎをしながら奴が言った。

「ん……っ」　

　布団が汚れてしまいそう、と思って腰を引こうとしても奴は放してくれない。あごを掴んでいたもう片方の手で我を逃がさないよう腰を押さえつけた。

「……っはぁ」

　唇と唇が離れて銀糸が伝った。

　ヌチヌチと二本のモノを上下する手の動きが速まり、輪にした指先で弱いカリ首の段差をしつこく虐められる。
　奴のモノもピクピクと大きさを増している。

「やめっ、布団が汚れっ……」

　こんなふうに扱かれたらもうすぐにでも達してしまいそうで訴えたのに、リヒトはふふと笑った。

「じゃあ俺がいいっていうまでイクの我慢ね」

「そんなっ、……んっ」

　奴は二本のペニスを扱くことに本腰を入れ始めた。
　片方の掌で先端をグリグリ撫でられながら、もう片方の手で根元の袋をたぷたぷ揉まれ、我は自分の両ヒザを擦り合わせた。

「んっ、……ふっ」

　布団の中からくちょくちょと恥ずかしい音が聞こえる。
　腰がビクビク震えてその度にベッドがキシッと鳴った。限界が近い。
　リヒトもビクッと肩を跳ねさせた。

　奴が慌ただしく上半身を起こし、ベッドの枕もとにあった薄い紙を引き抜いて二人の亀頭を包んだ。
　
「イっていいよ」

　我はもう我慢できずに熱いしぶきをその中へぶちまけてしまった。

「んんっ！　はぁっ、はあっ……」
「ん、ルシファっ」

　我が射精している表情をうっとり見つめながら、奴も射精していた。