恋日記

むし

「もうこんな時間!?」


時計を見ると18時を回っている。

どうやら僕も妻もうたた寝をしてしまったらしい。


「外真っ暗。洗濯物干しっぱなしだ!!」


妻は大急ぎでベランダに出て洗濯物を取り入れる。


「さて、ゆうちゃん。洗濯物を畳むよー」


「はーい」


二人で一緒に洗濯物を畳むのは土日の日課となっている。

タオルを畳んでいると妻のタオルの上に小さな糸くずが見えた。


「瑞希、なんかそこに小さなゴミがあるよ」


「ほんとだ」


妻がそのゴミを取り上げると…


「きゃーっ!?むしーっ」


それはゴミではなく虫だった。


「倒して、これ倒して!?」


僕も虫はそこまで得意ではないがティッシュで押しつぶす。

とりあえず、そこで騒動は終息した。

妻は触ってしまった手を洗っても落ち着かず、


「ゆうちゃん、舐めて除菌して」


と訳のわかないことをのたうちまわる妻。

いや、手を洗ったとしても虫を触った指を舐めるのはちょっと…