世界から理不尽に追放された俺は、覚醒スキル【次元操作】で【異次元の神】となり世界に【復讐】を開始する

虎戸リア

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8話

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「誇り高き竜が人間に使役されるなんて……よほどこの世界の竜は弱いのね」

 竜であるネシアは苛ついたような声を出した。

「容姿に共通点があるだけで、ネシア達とは全く別種の生き物ですから、そう怒らないでください」

 そう言いながらジスがその谷の詳細な断面図をテーブル上に表示させた。まるでアリの巣のように入り組んだ通路と小部屋が無数にあり、攻めづらい地形だ。

 更に奴らは飛竜を移動手段として自由に谷の中を行き来できるのだ。中々に厄介な場所を拠点にしたものだ。

「ま、俺らには関係ないがな」
「んー攻略方は正直選択肢がありすぎて選びきれない感じですね。ルネ様はどうされたいですか?」
「殲滅させるだけならそうだが……とりあえず俺はカダムと話がしたい。色々と聞きたい事もあるしな」
「ルネ様……おそらく部下達が邪魔してくると思いますがどうしますか?」
「邪魔するなら殺せ。ただし非戦闘員は殺すな。奴が【抑止力】である以上は奴の部下もその組織の一員だ。ならば容赦はしなくていい」

 俺のルールはシンプルだ。【抑止力】に自覚的に協力している人物、組織はなんであろうと全て潰す。

 このカダムの部下もそうだ。だが非戦闘員であれば、殺す必要性もない。

 それが偽善だろうが、なんだろうが知った事か。

「シンプルで分かりやすいルールですわ。それで、どれだけの人員を投入しますか?」
「今回は様子見だからな。この部屋の者だけでいい。お前らは邪魔する奴らを根絶やしにしろ。カダムは――俺が遊んでやる」

 俺の意気込みに全員が大きく頷いた。そしてぴょんと俺の膝の上から飛び退いたクカが手を大きく挙げて発現した。

「じゃーいつものように勝負しようよ!」
「良いわよ」
「では今回のルールはこうしましょうか。この世界で発現したスキルでのみ攻撃可能」

 この三人娘は割と……いやかなりの戦闘狂なので、いつもこうやってルールという名の縛りを入れて、殺戮数の競争をするのだ。

 ルールを設けないと、一撃で相手が殲滅してしまう可能性を全員が秘めているせいで、段々縛りがキツくなっている気がするが……まあ口は出すまい。

「スキルの練習も兼ねて……って事ね。良いわ、ふふふ、このスキルどう使おうか考えていたところなの」
「では、それで。勝者はいつも通り、ルネ様の1日秘書権を獲得という事で」
「この世界での1日秘書権は……重要ね」
「負けないよ?」

 俺がなぜか賞品になっているが、まあやる気になっているならいいか、と納得している。

「うっしじゃあ、決まったところで――行きますか」
「はーい! クカ頑張ります!」
「了解です。この作戦の成功確率は10――」
「100%でしょ? 演算するまでもないわ。ああ、楽しみだわ……この世界の竜の断末魔」

 良い感じに盛り上がるので作戦会議をそれっぽくしてみたが、まあこんなのお遊びだ。

 俺の【次元操作】をもってすれば、カダムだけこの場に連れてくる事は造作もない事だし、わざわざこちらから出向かなくても、カダムを殺す方法はそれこそ無限にある。

 だけど、そうじゃない。
 
 俺はいくつもの次元を渡り歩き、覚えたのだ。

 何事もその過程を楽しまないといけないのだ。

 征服も。

 復讐も。

 全て。

「じゃあ始めるぞ。“開け――【次元門ゲート】”」

 俺は手を振ってスキルで次元の裂け目を作る。その向こうに映っているのは、【飛竜の断崖】だ。

 俺がそこへと足を踏み入れて、三人が後から続いてくる。

 目の前には断崖絶壁。崖は下の方まで続き、飛竜が舞っている。

「さてと。では記念すべき一人目――【竜騎士】討伐を開始する」

 俺の言葉と同時に全員が断崖絶壁から飛び降りたのだった。
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