8 / 13
8話:中央大通りはお祭り騒ぎです
しおりを挟む
裏通りから中央大通りに出た途端に私達は音の洪水に襲われた。流石、明日天覧試合が開かれるだけあって各国からの旅行者や帝国領土全土から人が集まってきている。
通りの左右には店が並んでおり、帝国名物の屋台もたくさん出ていた。賑やかな音楽と、屋台から漂う良い匂いに、私もなんだかお祭り気分になってしまう。
「お、あの屋台の肉美味そうだ! どうだビーチェ!」
「お金ないんでしょ! というかお城!」
子供みたいなはしゃぎかたをするレンザを見て、私は一瞬で冷静になりため息を付いた。ちなみにベルフェは既に私にもたれかかって寝ている。こいつは本当にすぐ寝る。
私はベルフェを叩き起こしながら、レンザさんの視線を無理矢理屋台から剥がし、城の方へと向かう。
「ほら、行きますよ! とはいえ、大通りは人が多くて歩きにくいので路地に一旦抜けます」
ふふふ、帝都の地図は既に頭に叩き込んである。地元民しか知らないような抜け道も網羅しているぐらいだ。
「そういうところで無駄に努力して、しかもそれが身に付いちゃうのがビーチェの良い所であり僕的には悪い所だね~」
「良いじゃない! 万が一ここが攻められたらどうせ把握しないといけないんだし」
「ビーチェがする仕事ではないないと思うな~」
「何の話だ?」
私とベルフェの会話にレンザさんが首を捻った。そういえばレンザさん一緒に歩く分かるけど、背が高い。私も高い方なので、自分より高い人と歩くのはなんだか新鮮だ。
というかこれって……デートじゃない?
「な訳ないじゃん」
ベルフェの無情なツッコミに私は落胆した。仰る通りです。
「なあビーチェ、こっちか?」
「え、うん。ここを通ったら城門まで近道なんだけど――」
その路地は狭く、人二人がぎりぎり横に並べるほどの幅しかない。少し薄暗いそこから、何かを嗅ぎ付けたのか、レンザさんが眼光を鋭くした。
そして私も異変に気付いた。
「……血の匂いがするな」
「うん。誰かが怪我しているのかもしれない、私見てきます」
「あ、おい、待て!」
通りの左右には店が並んでおり、帝国名物の屋台もたくさん出ていた。賑やかな音楽と、屋台から漂う良い匂いに、私もなんだかお祭り気分になってしまう。
「お、あの屋台の肉美味そうだ! どうだビーチェ!」
「お金ないんでしょ! というかお城!」
子供みたいなはしゃぎかたをするレンザを見て、私は一瞬で冷静になりため息を付いた。ちなみにベルフェは既に私にもたれかかって寝ている。こいつは本当にすぐ寝る。
私はベルフェを叩き起こしながら、レンザさんの視線を無理矢理屋台から剥がし、城の方へと向かう。
「ほら、行きますよ! とはいえ、大通りは人が多くて歩きにくいので路地に一旦抜けます」
ふふふ、帝都の地図は既に頭に叩き込んである。地元民しか知らないような抜け道も網羅しているぐらいだ。
「そういうところで無駄に努力して、しかもそれが身に付いちゃうのがビーチェの良い所であり僕的には悪い所だね~」
「良いじゃない! 万が一ここが攻められたらどうせ把握しないといけないんだし」
「ビーチェがする仕事ではないないと思うな~」
「何の話だ?」
私とベルフェの会話にレンザさんが首を捻った。そういえばレンザさん一緒に歩く分かるけど、背が高い。私も高い方なので、自分より高い人と歩くのはなんだか新鮮だ。
というかこれって……デートじゃない?
「な訳ないじゃん」
ベルフェの無情なツッコミに私は落胆した。仰る通りです。
「なあビーチェ、こっちか?」
「え、うん。ここを通ったら城門まで近道なんだけど――」
その路地は狭く、人二人がぎりぎり横に並べるほどの幅しかない。少し薄暗いそこから、何かを嗅ぎ付けたのか、レンザさんが眼光を鋭くした。
そして私も異変に気付いた。
「……血の匂いがするな」
「うん。誰かが怪我しているのかもしれない、私見てきます」
「あ、おい、待て!」
0
あなたにおすすめの小説
なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた
いに。
恋愛
"佐久良 麗"
これが私の名前。
名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。
両親は他界
好きなものも特にない
将来の夢なんてない
好きな人なんてもっといない
本当になにも持っていない。
0(れい)な人間。
これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。
そんな人生だったはずだ。
「ここ、、どこ?」
瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。
_______________....
「レイ、何をしている早くいくぞ」
「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」
「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」
「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」
えっと……?
なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう?
※ただ主人公が愛でられる物語です
※シリアスたまにあり
※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です
※ど素人作品です、温かい目で見てください
どうぞよろしくお願いします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
料理スキルしか取り柄がない令嬢ですが、冷徹騎士団長の胃袋を掴んだら国一番の寵姫になってしまいました
さくら
恋愛
婚約破棄された伯爵令嬢クラリッサ。
裁縫も舞踏も楽器も壊滅的、唯一の取り柄は――料理だけ。
「貴族の娘が台所仕事など恥だ」と笑われ、家からも見放され、辺境の冷徹騎士団長のもとへ“料理番”として嫁入りすることに。
恐れられる団長レオンハルトは無表情で冷徹。けれど、彼の皿はいつも空っぽで……?
温かいシチューで兵の心を癒し、香草の香りで団長の孤独を溶かす。気づけば彼の灰色の瞳は、わたしだけを見つめていた。
――料理しかできないはずの私が、いつの間にか「国一番の寵姫」と呼ばれている!?
胃袋から始まるシンデレラストーリー、ここに開幕!
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる