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1:特異点と呼ばれた男
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人間界で一番の大国であるソルド王国。
王城の謁見の間で、一人の青年が熱く語っていた。
「どうだろう。この美しいフォルム、威力、射程。素晴らしいとは思わないか? もし援助をいただけたらこれを量産して兵士にもたせることが可能でそれにより……」
その青年の名はガリル・ウィンチェスタ、武器職人である。彼は、3年かけて作り上げた自信作である試作56号こと【イェーガー2】の細長いフォルムをうっとりとした目で見つめている。
細長いそれは銃と呼ばれる武器で、この時代の文明、技術水準を大幅に逸脱しており、常人には全く理解の及ばない武器だった。
案の定、それを一目見た王は興味を無くした。その隣で、【イェーガー2】を侮蔑の目で見ながら手でもてあそんでいた勇者が口を開く。
「……魔法で良くね? 【ファイア・ボール】のが威力高いし、射程も長い」
「いやそれは違うぞ勇者殿。確かに威力や射程だけを見ればそうかもしれないが、銃の利点はそこではなく、兵達の平均化が――」
「僕の魔法を一発撃つだけで、戦いは終わるよ? それ、量産するのに大量の鉄がいるんでしょ? それで剣と杖を作った方が賢いよね」
ガリルの言葉を遮ったのは勇者の隣に立っている賢者だ。彼はこの王国の魔術師のトップであり、王国軍最強とも名高い魔術部隊を率いている。
「いや、確かに賢者殿の魔法は素晴らしいが、全ての兵士が魔法を使えるわけでな――」
「これ以上は時間の無駄だな。興味深いが、これは我々王国軍には必要ない。よって、援助は出来ぬ」
王はそれで終わりとばかりに手を払った。
「馬鹿な!? 王よ! なぜこの素晴らしさが分からない!!」
「お前、誰に向かって口をきいているんだ?」
勇者の蹴りがガリルへと叩き込まれた。
「王。この男、危険では? こんな使えない武器を勧めてくるなんて怪しいよね。僕らがいたから良かったものの、もし万が一これが採用されていたら……」
賢者が意地の悪い表情を浮かべ、そう王に進言した。
「まさか……魔族の内通者か!?」
「い、いや違います! 俺は! くそ、離せ!」
「王様さー、こいつ魔族に内通しているし、追放でしょ。ついでにその銃って奴の威力試してみようぜ」
☆☆☆
そこは王国の領土と、魔族の領土――魔界との境界線。
「待ってくれ! 俺は違う! 俺はただ王国の事を思って!」
「罪人は黙っとけ。さて、早速使ってみよーぜこの玩具」
賢者の転移魔法によって飛ばされたガリルは境界線の魔界側の方に立っていた。勇者に執拗に蹴られたせいで立っているのもやっと、といった表情である。
対して、勇者と賢者はその様子を見てにやにやと笑っている。
勇者は【イェーガー2】を構えると、狙いをガリルへと定めた。勇者はスキルによってあらゆる武器の使い方が分かるので、その構えは正確だ。
「待ってくれ! 勇者よ! スキルで分かるのだろ!? その武器は素晴らしいんだ! 俺の命はいい! だからせめてその武器の有用――かはっ」
タッーン! という音と共に銃弾が発射され、ガリルの右足を貫通。立っていられず、彼は地面へと崩れた。
「いやあ、ほんとさ、こんなの普及されると俺ら用無しになるから困るんだよね。悪いけど、お前は生まれる時代を間違えたんだよ」
「僕らが優遇される【剣と魔法の時代】は永遠に続いてもらわないと。今の生活はそれなりに気に入っているんだ」
「……まさかお前ら銃の良さを分かっていながら、保身の為に!」
ガリルが叫んだ。
「戦争は続けば続くほど俺らは嬉しいのよ。だから、お前もこの銃とやらも――いらない」
勇者が、【イェーガー2】を上へと投げた。
くるくると回転しながらそれが落ちてきた瞬間に勇者が抜刀、一閃。
真っ二つに切断された【イェーガー2】が地面へと落ち、
「――【ロック・フォール】」
賢者の魔法によって現れた岩がその残骸を押しつぶした。
「これで終わり。君の工房も今頃、騎士団によって破壊されているよ」
「ああ……俺の……【イェーガー2】……なんてことを……」
足から血を流しながらガリルは岩に押し潰された銃の事を想った。ああ、可哀想に……武器としてさして使われずに潰されるとは屈辱だろうに……。
「じゃあな、特異点。お前はここで死んどけ」
「すぐに殺したらつまらないよ? まずは手を潰そう。指を一本ずつ……丁寧にね」
賢者が嗜虐的な笑みを浮かべながら放った魔法によって、ガリルの利き腕である右手の指が一本ずつ順番にあらぬ方向へと折れていく。最後は岩によって、右腕ごと潰された。
「ぐわぁ!」
「更に、長く苦しめるように遅効性の毒魔法で……」
ガリルの身体が毒に冒された。死なない程度の苦痛がじわじわと身体に広がっていく。
「三日三晩苦しんで、最後には盛大に出血して死ぬ毒だよ。ま、それまでに魔族に襲われて死ぬだろうけど」
「せめて、毒ごと食われて魔族の一人でも道連れにしろよ? じゃあな」
そう吐き捨てると、勇者と賢者は去っていった。
「くそ……くそ! なんで……俺の武器がこんな目に……」
ガリルが毒で苦しみながらも何とか、撃たれた足と潰れた右腕を庇いつつ立ち上がった。
「いや……しかし弾の貫通力が高すぎるな……もっと内部で弾けるようにしないとこうして動けるようになるのか……撃たれてみるのも悪くないな」
ガリルは武器に関する事となると自身よりも優先する男――つまりただの武器馬鹿だった。毒だろうが、利き腕を潰されようがガリルはさして気にしなかった。腕が一本あれば銃は作れる。あとは毒を何とか出来れば……。
そんなガリルの背後に、影が迫った。
「ん? クソ勇者の匂いがしたから来てみれば、なんか今にも死にそうな人間しかいないぞ?」
「……いやだから、勇者が来たからって魔王自ら出張らないでくださいって何度言えば」
ガリルが振り返ると、そこには二人の人物がいた。
一人は背の低い悪魔のような姿の男で、もう一人は頭部に角が生え、背後に尻尾が揺れる美女だった。
「ま、魔族!」
「魔王だぞ」
美女が胸を張ってそう返し、豊かな胸が揺れた。
「自分で名乗らないでくださいよ……暗殺者だったらどうする気ですか」
「お前、さっきあたしの事を魔王って呼んだだろ。お前からバラしてるじゃねえかよ」
「確かに」
ガリルの目の前にいるのはなんと魔族を率いる王――魔王ドライゼとその側近だった。
「ま、魔王だと!?」
ガリルは懐に忍ばせていた拳銃へと左手を伸ばした。結局王に見せずじまいだった物だ。まだ試作段階だが、弾は装填済みで引き金を引けばすぐにでも撃てる。
「こんな弱そうな奴が暗殺者なわけないだろ、だよな人間」
そう言って笑みを浮かべるドライゼに向かってガリルは拳銃を抜いて構えた。
「ん? なんだそれ?」
「魔力は感じませんな。矢があるわけでもない。不思議ですな」
それを脅威と思っていない魔王とその側近が興味深そうにその武器を見つめていた。
「ここであんたを倒せば銃の有用性を訴えられるはずだ!」
ガリルはそう叫び、引き金を引いた。轟音が鳴り響き、白煙が銃口から上がる。
一瞬ガリルの視界が遮られたが、その白煙の向こうには、変わらずドライゼは立っていた。
その右手が突き出されており、右手を開けるとそこにはひしゃげた銃弾が握られていた。
「あの初速に反応出来るだと? 化け物か……いやしかしやはり銃弾はまだまだ改良が必要だな……やはり小型化した分威力が……」
痛みと毒によって限界に達しながらも改良案を呟き続け、ついに気絶して地面へと倒れたガリル。それを見て、ドライゼは側近と顔を見合わせた後に、盛大に笑い声を上げた。
ドライゼは右手の手の平に、僅かな傷が出来ている事に気付いていた。
「アハハ!! 良いねえ!! あの武器とアイツ……面白いぞ!」
後に【撃滅】のガンスミスと呼ばれるガリルと、世界を統一し平和へと導いたとされる魔王ドライゼはこうして出会ったのだった。
その出会いは歴史書に、近代史における最も大きな歴史的転換点だと書かれる事になる。
王城の謁見の間で、一人の青年が熱く語っていた。
「どうだろう。この美しいフォルム、威力、射程。素晴らしいとは思わないか? もし援助をいただけたらこれを量産して兵士にもたせることが可能でそれにより……」
その青年の名はガリル・ウィンチェスタ、武器職人である。彼は、3年かけて作り上げた自信作である試作56号こと【イェーガー2】の細長いフォルムをうっとりとした目で見つめている。
細長いそれは銃と呼ばれる武器で、この時代の文明、技術水準を大幅に逸脱しており、常人には全く理解の及ばない武器だった。
案の定、それを一目見た王は興味を無くした。その隣で、【イェーガー2】を侮蔑の目で見ながら手でもてあそんでいた勇者が口を開く。
「……魔法で良くね? 【ファイア・ボール】のが威力高いし、射程も長い」
「いやそれは違うぞ勇者殿。確かに威力や射程だけを見ればそうかもしれないが、銃の利点はそこではなく、兵達の平均化が――」
「僕の魔法を一発撃つだけで、戦いは終わるよ? それ、量産するのに大量の鉄がいるんでしょ? それで剣と杖を作った方が賢いよね」
ガリルの言葉を遮ったのは勇者の隣に立っている賢者だ。彼はこの王国の魔術師のトップであり、王国軍最強とも名高い魔術部隊を率いている。
「いや、確かに賢者殿の魔法は素晴らしいが、全ての兵士が魔法を使えるわけでな――」
「これ以上は時間の無駄だな。興味深いが、これは我々王国軍には必要ない。よって、援助は出来ぬ」
王はそれで終わりとばかりに手を払った。
「馬鹿な!? 王よ! なぜこの素晴らしさが分からない!!」
「お前、誰に向かって口をきいているんだ?」
勇者の蹴りがガリルへと叩き込まれた。
「王。この男、危険では? こんな使えない武器を勧めてくるなんて怪しいよね。僕らがいたから良かったものの、もし万が一これが採用されていたら……」
賢者が意地の悪い表情を浮かべ、そう王に進言した。
「まさか……魔族の内通者か!?」
「い、いや違います! 俺は! くそ、離せ!」
「王様さー、こいつ魔族に内通しているし、追放でしょ。ついでにその銃って奴の威力試してみようぜ」
☆☆☆
そこは王国の領土と、魔族の領土――魔界との境界線。
「待ってくれ! 俺は違う! 俺はただ王国の事を思って!」
「罪人は黙っとけ。さて、早速使ってみよーぜこの玩具」
賢者の転移魔法によって飛ばされたガリルは境界線の魔界側の方に立っていた。勇者に執拗に蹴られたせいで立っているのもやっと、といった表情である。
対して、勇者と賢者はその様子を見てにやにやと笑っている。
勇者は【イェーガー2】を構えると、狙いをガリルへと定めた。勇者はスキルによってあらゆる武器の使い方が分かるので、その構えは正確だ。
「待ってくれ! 勇者よ! スキルで分かるのだろ!? その武器は素晴らしいんだ! 俺の命はいい! だからせめてその武器の有用――かはっ」
タッーン! という音と共に銃弾が発射され、ガリルの右足を貫通。立っていられず、彼は地面へと崩れた。
「いやあ、ほんとさ、こんなの普及されると俺ら用無しになるから困るんだよね。悪いけど、お前は生まれる時代を間違えたんだよ」
「僕らが優遇される【剣と魔法の時代】は永遠に続いてもらわないと。今の生活はそれなりに気に入っているんだ」
「……まさかお前ら銃の良さを分かっていながら、保身の為に!」
ガリルが叫んだ。
「戦争は続けば続くほど俺らは嬉しいのよ。だから、お前もこの銃とやらも――いらない」
勇者が、【イェーガー2】を上へと投げた。
くるくると回転しながらそれが落ちてきた瞬間に勇者が抜刀、一閃。
真っ二つに切断された【イェーガー2】が地面へと落ち、
「――【ロック・フォール】」
賢者の魔法によって現れた岩がその残骸を押しつぶした。
「これで終わり。君の工房も今頃、騎士団によって破壊されているよ」
「ああ……俺の……【イェーガー2】……なんてことを……」
足から血を流しながらガリルは岩に押し潰された銃の事を想った。ああ、可哀想に……武器としてさして使われずに潰されるとは屈辱だろうに……。
「じゃあな、特異点。お前はここで死んどけ」
「すぐに殺したらつまらないよ? まずは手を潰そう。指を一本ずつ……丁寧にね」
賢者が嗜虐的な笑みを浮かべながら放った魔法によって、ガリルの利き腕である右手の指が一本ずつ順番にあらぬ方向へと折れていく。最後は岩によって、右腕ごと潰された。
「ぐわぁ!」
「更に、長く苦しめるように遅効性の毒魔法で……」
ガリルの身体が毒に冒された。死なない程度の苦痛がじわじわと身体に広がっていく。
「三日三晩苦しんで、最後には盛大に出血して死ぬ毒だよ。ま、それまでに魔族に襲われて死ぬだろうけど」
「せめて、毒ごと食われて魔族の一人でも道連れにしろよ? じゃあな」
そう吐き捨てると、勇者と賢者は去っていった。
「くそ……くそ! なんで……俺の武器がこんな目に……」
ガリルが毒で苦しみながらも何とか、撃たれた足と潰れた右腕を庇いつつ立ち上がった。
「いや……しかし弾の貫通力が高すぎるな……もっと内部で弾けるようにしないとこうして動けるようになるのか……撃たれてみるのも悪くないな」
ガリルは武器に関する事となると自身よりも優先する男――つまりただの武器馬鹿だった。毒だろうが、利き腕を潰されようがガリルはさして気にしなかった。腕が一本あれば銃は作れる。あとは毒を何とか出来れば……。
そんなガリルの背後に、影が迫った。
「ん? クソ勇者の匂いがしたから来てみれば、なんか今にも死にそうな人間しかいないぞ?」
「……いやだから、勇者が来たからって魔王自ら出張らないでくださいって何度言えば」
ガリルが振り返ると、そこには二人の人物がいた。
一人は背の低い悪魔のような姿の男で、もう一人は頭部に角が生え、背後に尻尾が揺れる美女だった。
「ま、魔族!」
「魔王だぞ」
美女が胸を張ってそう返し、豊かな胸が揺れた。
「自分で名乗らないでくださいよ……暗殺者だったらどうする気ですか」
「お前、さっきあたしの事を魔王って呼んだだろ。お前からバラしてるじゃねえかよ」
「確かに」
ガリルの目の前にいるのはなんと魔族を率いる王――魔王ドライゼとその側近だった。
「ま、魔王だと!?」
ガリルは懐に忍ばせていた拳銃へと左手を伸ばした。結局王に見せずじまいだった物だ。まだ試作段階だが、弾は装填済みで引き金を引けばすぐにでも撃てる。
「こんな弱そうな奴が暗殺者なわけないだろ、だよな人間」
そう言って笑みを浮かべるドライゼに向かってガリルは拳銃を抜いて構えた。
「ん? なんだそれ?」
「魔力は感じませんな。矢があるわけでもない。不思議ですな」
それを脅威と思っていない魔王とその側近が興味深そうにその武器を見つめていた。
「ここであんたを倒せば銃の有用性を訴えられるはずだ!」
ガリルはそう叫び、引き金を引いた。轟音が鳴り響き、白煙が銃口から上がる。
一瞬ガリルの視界が遮られたが、その白煙の向こうには、変わらずドライゼは立っていた。
その右手が突き出されており、右手を開けるとそこにはひしゃげた銃弾が握られていた。
「あの初速に反応出来るだと? 化け物か……いやしかしやはり銃弾はまだまだ改良が必要だな……やはり小型化した分威力が……」
痛みと毒によって限界に達しながらも改良案を呟き続け、ついに気絶して地面へと倒れたガリル。それを見て、ドライゼは側近と顔を見合わせた後に、盛大に笑い声を上げた。
ドライゼは右手の手の平に、僅かな傷が出来ている事に気付いていた。
「アハハ!! 良いねえ!! あの武器とアイツ……面白いぞ!」
後に【撃滅】のガンスミスと呼ばれるガリルと、世界を統一し平和へと導いたとされる魔王ドライゼはこうして出会ったのだった。
その出会いは歴史書に、近代史における最も大きな歴史的転換点だと書かれる事になる。
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