3 / 10
1
2
しおりを挟む
自嘲気味に笑ったところで何も変えられない。そんなことは私が一番よくわかっているじゃないか。
そう思いながら教室へと足を踏み入れ、自分の席に着く。
窓際の一番後ろの席。授業なんて端から聞く気はないのだ。ずっと窓の外を眺めているだけ。
今日も朝から窓の外を見つめる。いつもと変わらない街並みが見える。今日は快晴だ。青空もきれいだし、見ているだけで心が軽くなる気がする。いつもと違うことは後ろから視線を感じることくらい。
「いつも窓の外見てるよね。如月さん。」
いきなり声をかけられた。ああ、視線の正体は隣の席の神崎 由基人君か。
彼は身長が高くて、さわやかな顔立ちをしているし、優しいから女子にも人気がある。
「...空がきれいだからね!」
「そっか。ねえ、如月さん。良かったら今日の昼一緒に食べない?」
「え.....?」
私は驚いて窓に向けていた目を勢いよく振り返って神崎君に向ける。
「嫌だったらいいんだけど...どうかな?」
「いいよ~!!あ!有紗も一緒でよければ!」
「もちろん!」
「りょーかいっ!!」
そう言って私はまた窓に目を向けた。
赤く染まっているであろう頬を隠すために。銃を向ける時とは別の感情が、私の胸を締め付けた。
先生が入ってきて、授業が始まってからも、胸の締め付けがやむことはなかった。
いつもは窓の外を眺めていても遅く感じる時の流れが、今日だけはやけに早く感じられた。
___気づいた時には午前中の授業はすべて終わっていたくらいに。
「如月さん、屋上でいいかな?」
神崎君がさわやかな笑顔で笑いかける。
「うん!いーよー!あ、私有紗と購買でパン買ってから行くから先行ってて~!」
「うん。」
先に行ってるね、と言って神崎君は教室を出て行った。
「あーりーさー!神崎君から一緒に食べようってお誘いがっ!パン買って一緒に屋上行こ!」
「え!?神崎君から!?ははーん、愛美は可愛いもんなー?よしっ急いでパン買おう!!」
有紗は元気よく椅子から立ち上がり、私の腕を引いて購買へ向かった。
私今すっごく楽しんでる。人の命を、未来を奪っておいて、すごく楽しんでる。幸せになっちゃダメなことなんてわかってるのに。学校が終わって家に帰れば、また夜は人を殺すのだ。そんな私がこんなに楽しんでいいはずがない。
そんなのわかってるけど___
そう思いながら教室へと足を踏み入れ、自分の席に着く。
窓際の一番後ろの席。授業なんて端から聞く気はないのだ。ずっと窓の外を眺めているだけ。
今日も朝から窓の外を見つめる。いつもと変わらない街並みが見える。今日は快晴だ。青空もきれいだし、見ているだけで心が軽くなる気がする。いつもと違うことは後ろから視線を感じることくらい。
「いつも窓の外見てるよね。如月さん。」
いきなり声をかけられた。ああ、視線の正体は隣の席の神崎 由基人君か。
彼は身長が高くて、さわやかな顔立ちをしているし、優しいから女子にも人気がある。
「...空がきれいだからね!」
「そっか。ねえ、如月さん。良かったら今日の昼一緒に食べない?」
「え.....?」
私は驚いて窓に向けていた目を勢いよく振り返って神崎君に向ける。
「嫌だったらいいんだけど...どうかな?」
「いいよ~!!あ!有紗も一緒でよければ!」
「もちろん!」
「りょーかいっ!!」
そう言って私はまた窓に目を向けた。
赤く染まっているであろう頬を隠すために。銃を向ける時とは別の感情が、私の胸を締め付けた。
先生が入ってきて、授業が始まってからも、胸の締め付けがやむことはなかった。
いつもは窓の外を眺めていても遅く感じる時の流れが、今日だけはやけに早く感じられた。
___気づいた時には午前中の授業はすべて終わっていたくらいに。
「如月さん、屋上でいいかな?」
神崎君がさわやかな笑顔で笑いかける。
「うん!いーよー!あ、私有紗と購買でパン買ってから行くから先行ってて~!」
「うん。」
先に行ってるね、と言って神崎君は教室を出て行った。
「あーりーさー!神崎君から一緒に食べようってお誘いがっ!パン買って一緒に屋上行こ!」
「え!?神崎君から!?ははーん、愛美は可愛いもんなー?よしっ急いでパン買おう!!」
有紗は元気よく椅子から立ち上がり、私の腕を引いて購買へ向かった。
私今すっごく楽しんでる。人の命を、未来を奪っておいて、すごく楽しんでる。幸せになっちゃダメなことなんてわかってるのに。学校が終わって家に帰れば、また夜は人を殺すのだ。そんな私がこんなに楽しんでいいはずがない。
そんなのわかってるけど___
0
あなたにおすすめの小説
あなたが後悔しても、私の愛はもう戻りません
藤原遊
恋愛
婚約者のアルベルトは、優しい人だった。
ただ――いつも、私より優先する存在がいただけで。
「君は分かってくれると思っていた」
その一言で、リーシェは気づいてしまう。
私は、最初から選ばれていなかったのだと。
これは、奪われた恋を取り戻す物語ではない。
後悔する彼と、もう戻らないと決めた私、
そして“私を選ぶ人”に出会うまでの、静かな恋の終わりと始まりの物語。
**俺、東大院生の実験対象にされてた。**同居している美人家庭教師のやばい秘密
まさき
青春
俺は今、東大院生の実験対象になっている。
ある雨の夜、アパートの前にずぶ濡れの美女が立っていた。
「家庭教師です。住まわせてください」
突然すぎる申し出に困惑しながらも、なぜか断れなかった。
桐島咲楽、東大大学院生。成績は天才、料理は壊滅的、距離感はおかしい。毎日転ぶ、焦がす、なぜか距離が近い。そのくせ授業は鬼のように丁寧で、俺のことを誰よりもよく見ていた。
偏差値42だった俺の成績は、気づけば上がっていた。でも、それより気になることがある。
咲楽さんが、研究ノートに何かを書いている。「被験者」という文字が、見えた気がした。
距離が近いのは、データのためか。褒めてくれるのは、実験のためか。でも、あの顔は。あの声は。
「データじゃなくて、私がそう思っています」
嘘をついているような顔じゃなかった。
偏差値42の俺に、東大院生の美女が押しかけてきた。ドタバタな毎日の中で、俺の心臓が休まる暇がない。これはドキドキなのか、心配なのか。それとも、もう恋なのか。
不器用な天才と、鈍感な高校生の、やばい同居生活。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
うちの幼馴染がデレすぎてて俺の理性はもう限界。でも毎日が最高に甘いからもうどうでもいいや
静内燕
恋愛
相沢悠太の日常は、規格外の美少女である幼馴染、白石葵によって完全に支配されている。
朝のモーニングコール(ベッドへのダイブ付き)から始まり、登校中の腕組み、そして「あーん」が義務付けられた手作り弁当。誰もが羨むラブラブっぷりだが、悠太はこれを「家族愛」だと頑なに誤解(無視)している。
「ゆーたは私の運命の相手なんだもん!」と、葵のデレデレは今日も過剰の一途。周囲の冷やかしや、葵を狙う男子生徒のプレッシャーが高まる中、悠太の**「幼馴染フィルター」**はついに限界を迎える。
この溺愛っぷり、いつまで「家族」で通せるのか?
甘すぎる日常が、悠太の鈍感な理性を溶かし尽くす――最初からクライマックスの、超高濃度イチャイチャ・ラブコメ、開幕!
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
居候と婚約者が手を組んでいた!
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
グリンマトル伯爵家の一人娘のレネットは、前世の記憶を持っていた。前世は体が弱く入院しそのまま亡くなった。その為、病気に苦しむ人を助けたいと思い薬師になる事に。幸いの事に、家業は薬師だったので、いざ学校へ。本来は17歳から通う学校へ7歳から行く事に。ほらそこは、転生者だから!
って、王都の学校だったので寮生活で、数年後に帰ってみると居候がいるではないですか!
父親の妹家族のウルミーシュ子爵家だった。同じ年の従姉妹アンナがこれまたわがまま。
アンアの母親で父親の妹のエルダがこれまたくせ者で。
最悪な事態が起き、レネットの思い描いていた未来は消え去った。家族と末永く幸せと願った未来が――。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる