例え、私が殺した事実に責任を感じようとも。

紅飴 有栖

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自嘲気味に笑ったところで何も変えられない。そんなことは私が一番よくわかっているじゃないか。
そう思いながら教室へと足を踏み入れ、自分の席に着く。
窓際の一番後ろの席。授業なんて端から聞く気はないのだ。ずっと窓の外を眺めているだけ。
今日も朝から窓の外を見つめる。いつもと変わらない街並みが見える。今日は快晴だ。青空もきれいだし、見ているだけで心が軽くなる気がする。いつもと違うことは後ろから視線を感じることくらい。
「いつも窓の外見てるよね。如月きさらぎさん。」
いきなり声をかけられた。ああ、視線の正体は隣の席の神崎 由基人かんざき ゆきと君か。
彼は身長が高くて、さわやかな顔立ちをしているし、優しいから女子にも人気がある。
「...空がきれいだからね!」
「そっか。ねえ、如月さん。良かったら今日の昼一緒に食べない?」
「え.....?」
私は驚いて窓に向けていた目を勢いよく振り返って神崎君に向ける。
「嫌だったらいいんだけど...どうかな?」
「いいよ~!!あ!有紗も一緒でよければ!」
「もちろん!」
「りょーかいっ!!」
そう言って私はまた窓に目を向けた。
赤く染まっているであろう頬を隠すために。銃を向ける時とは別の感情が、私の胸を締め付けた。
先生が入ってきて、授業が始まってからも、胸の締め付けがやむことはなかった。
いつもは窓の外を眺めていても遅く感じる時の流れが、今日だけはやけに早く感じられた。
___気づいた時には午前中の授業はすべて終わっていたくらいに。
「如月さん、屋上でいいかな?」
神崎君がさわやかな笑顔で笑いかける。
「うん!いーよー!あ、私有紗と購買でパン買ってから行くから先行ってて~!」
「うん。」
先に行ってるね、と言って神崎君は教室を出て行った。
「あーりーさー!神崎君から一緒に食べようってお誘いがっ!パン買って一緒に屋上行こ!」
「え!?神崎君から!?ははーん、愛美は可愛いもんなー?よしっ急いでパン買おう!!」
有紗は元気よく椅子から立ち上がり、私の腕を引いて購買へ向かった。
私今すっごく楽しんでる。人の命を、未来を奪っておいて、すごく楽しんでる。幸せになっちゃダメなことなんてわかってるのに。学校が終わって家に帰れば、また夜は人を殺すのだ。そんな私がこんなに楽しんでいいはずがない。
そんなのわかってるけど___
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