なんでも探偵部!

きとまるまる

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10話「待っているだけではなにも始まらない①」

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登場人物

 関 幸かかわり ゆき:♂ 三年生。なんでも探偵部の部長。

 間宮 傑まみや すぐる:♂ 二年生。なんでも探偵部の部員。

 張間 彩香はりま あやか:♀ 一年生。なんでも探偵部の部員。



ーーーーー



 放課後、なんでも探偵部の部室。間宮は椅子に腰掛けて、いつものことながら漫画を黙々と読み進めている。
張間も椅子に腰掛けているが、腕を組み、頬を膨らませ、指でトントンと腕を叩きながらジッと部室の扉を見つめている。


張間「......暇です。」

間宮「......。」

張間「暇。」

間宮「......。」

張間「...暇暇ひまひまひま、ひぃぃぃまぁぁぁぁでぇぇすぅぅ!!」

間宮「張間さん、うるさいから静かにしてくれない?」

張間「無理です!! だって暇なんですもん! 咲ちゃんが来て以降、だーーれも部室に来る気配がない! どうなってるんですか!?」

間宮「はぁ...張間さん、前に言ったよね? ここに来る生徒は、一ヶ月に一人いたら多い方だって。今月は新沼さんが来たから、運が良ければ来月にまた一人来るよ。」

張間「嫌です嫌です嫌ですぅぅぅ!! 私は、もっと部活動がしたいんですぅぅぅ!! もっと事件を解決したいんですぅぅぅ!!」

間宮「事件って言い方はやめなさい。」

張間「というか、部長はどこに行ったんですか!? ふらっとどこかに行ったかと思ったら、帰ってくる気配が全くの無し!! ま、まさか...逃げたんですか!? 部長のくせに逃げるだなんて、そんなのは許せません! この張間 彩香が、腐った根性を叩き直してあげましょう!!」

間宮「張間さん、だから静かにしてって。」

関「おやおや、とても賑やかになっているじゃないですか? なにか楽しいことでもありました?」

間宮「あっ、おかえりなさい。」

張間「部長、どこに行っていたんですか!? あなたは、部長なんですよ!? 部員を放っておいて一人フラフラと...!! さぁ、早くどこに行っていたのかを言ってください! 理由によっては、この私がーーー」

関「どこって、購買部でお菓子を買ってきたんですよ。」

張間「え!? お菓子!? わーいわーーい! おっかっし! おっかっしっ!!」

関「お菓子一つでここまで喜んでくれるだなんて、買いに行った甲斐がありますよ。」

張間「部長、机の上は綺麗に片付けましたよ! さぁ、買ってきたお菓子を出してください! さぁさぁさぁ!!」

間宮「はぁ...張間さんは、なにしてもうるさいですね...。」

関「こらこら、元気といいなさい。」
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