なんでも探偵部!

きとまるまる

文字の大きさ
上 下
32 / 330

32話「爪と鼻の伸ばしすぎにはご注意を④」

しおりを挟む

鈴田「んじゃ、改めて勝負内容の確認な。今から、なんでも探偵部の三人と一打席ずつの勝負を行います。大賀はスリーアウト取れば勝ち。一人でもランナー出せば負け。ちなみに、審判は俺です。よろしく。」

大賀「けっ! こんな素人どもなんかに打たれるわけないだろ! 全員三振で終わらせてやるよ!」

張間「おーおー、そんなこと言っていいのかな~? 前言撤回は認めませんよ~?」

大賀「あぁ? なんか文句あんのか、ゴラ...! 女だからって手は抜かねぇぞ...!」

張間「女だからって舐めてんじゃねぇぞぉ...! 今すぐ戦闘開始してやろうか...!?」

甲柱「だから、落ち着けって。」

間宮「張間さんも、落ち着いてってば...。」

野球部員A「張間ちゃんって言うのか~! 可愛いなぁ~!」

野球部員B「あの可愛い子が野球するのか~! なんかいいなぁ~!」

野球部員C「わかる~!」

大賀「ところで、キャプテン。」

今本「ん? なんだ?」

大賀「この勝負、俺が勝ったらなんかあるんすよね? わざわざ俺の貴重な練習時間を割いて勝負受けてるんだから、それなりのことはしてもらわないとですよ?」

今本「うーん、それもそうだなぁ...。んじゃ、お前が勝ったら、先輩たち全員「全裸で校庭を走る」でどうだ?」

野球部員たち「「何言ってんだ、お前はぁぁぁ!?!?」」

大賀「後でやめたは無しだからな?」

野球部員たち「「待てぇぇぇ!!」」

野球部員A「バカか!? お前はバカなのか!?」

今本「勝てばいいんだよ、勝てば。てか、お前らのその焦った顔...めちゃ面白い...!」

野球部員A「この状況でよく笑えるな、お前!?」

野球部員B「大賀、考え直せ! お前には人の心があるだろ!? 優しい心があるだろ!? 先輩たちのことを考え...って、マウンドに駆けていくなぁぁ! 待ってくださぁぁい!!」

野球部員C「おい幸...お前、わかってんだろうな...!? 負けたらわかってんだろうな...!?」

関「あははは~、プレッシャーかけないでくださいよ~!」

間宮「あ、あの...負けた場合って、僕たちは関係ないですよね...?」

野球部員A「何言ってるんだ~い、間宮く~ん?」

野球部員B「負けた場合は、君たちの責任なんだよ~?」

野球部員C「僕たちと一緒に、君たちも走るに決まってるじゃないか~!」

間宮「そ、そんなぁ...!」

鈴田「一番バッター、間宮くーん! 早くバッターボックスにー!」

間宮「あっ、は、はーい!」

関「傑くん、肩の力を抜いて楽しんでくるんですよ~。」

今本「リラックスリラックス~!」

張間「ホームランぶちかましてこいよ、ゴラァァ! 初球で打ち砕いてこいやぁぁ!!」

野球部員A「三振したら許さねぇからなぁぁ!!」

野球部員B「バットぶん投げてでも次に繋げろよぉぉ!!」

野球部員C「打てなかったら乱闘だぁぁ!! 気合い入れろぉぉ!!」

間宮「前半と後半の差が酷い...。うぅ...緊張してきた...!」

今本「いや~楽しみだなぁ~!」

関「あなた、負けた時のこと考えてませんね?」

今本「おいおい、勝負では負けた時を思い浮かべちゃダメなんだぜ? 想像するのは勝つ自分の姿のみ。これ、勝負の世界じゃ常識だぜ?」

張間「おっ、さすがキャプテン! 良いこと言いますね!」

今本「だろ~! キャプテンだからな!」

張間「ふぅ! さすがキャプテンです!」

野球部員A「くっ...! 張間ちゃん、めちゃくちゃ可愛いな...!」

野球部員B「俺もお話ししたい...!」

野球部員C「おい、好きな食べ物聞いてこいよ...!」

関「あなたたち、私たちの未来を背負って頑張ってる傑くんを見てあげなさいよ。応援してあげなさいよ。」

間宮「ただいま戻りました。」

関「傑くん、戻ってくるの早くないですか? 私、とても良いこと言ったばかりなんですけど?」

間宮「あんな速い球、打てるわけないでしょうが。」

大賀「これでワンアウト~! あとツーアウトで全裸ですよ~!! 今のうちに、服脱いどいた方がいいんじゃないですか~?」

野球部員A「くっ! 調子に乗りやがって...!」

野球部員B「ヤバイぞ...! このままじゃ全裸まっしぐらだ...!」

野球部員C「嫌だぁぁぁ! そんなことしたら、お嫁にいけないぃぃ!!」

張間「おっ、間宮先輩!「お嫁じゃなくてお婿だろ!」ってツッコミができますよ!」

間宮「負けて帰ってきた僕は、ツッコめる立場にいないから。」

張間「ホントですよ! いくらなんでも早すぎますよ! この負け犬!!」

間宮「なんか言ったー?」

張間「あだだだだ!? 頬が引きちぎれるぅぅぅ!?」

野球部員A「おいおい、幸ちゃん...! 君に全てがかかってるってことは、言わなくてもわかるよねぇ~...?」

野球部員B「無様に三振してきたら、貴様は俺たちよりも酷い刑に処すからな...? わかってるだろうな...?」

関「負けてほしくなかったら、そんなプレッシャーかけないでもらえます? というか、あなたたちよりも酷い刑ってなんですか?」

野球部員C「それは負けてからのお楽しみだ! けけけけ~~!!」

張間「ふっふっふ...! 負けた時のことなんて気にしなくてもいいんですよ、野球部の先輩方!」

野球部員たち「ん?」

張間「なぜかって...? それは、次のバッターが、この張間 彩香ちゃんだからです! 見ててください! この美しい青空に、真っ白い花火をドカーーンッと打ち上げてきますから! 先輩たちは安心して、お茶でも飲んでてください! ではでは、行ってきまーす!!」

野球部員たち((か、可愛い...!))

関「こらこら、鼻の下が伸びてますよ?」
しおりを挟む

処理中です...