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90話「心理戦には、ポーカーフェイスを装備して挑みましょう①」
しおりを挟む登場人物
関 幸:♂ 三年生。なんでも探偵部の部長。
間宮 傑:♂ 二年生。なんでも探偵部の部員。
張間 彩香:♀ 一年生。なんでも探偵部の部員。
ーーーーーー
東咲高校、体育館内。一年A組とB組の女子が、体育の授業でバスケを行っている。
狗山「させるかっすぅぅ!」
狗山が相手チームのパスコースへと腕を伸ばし、ボールを弾く。
張間「ナイスカットじゃ、羽和ちゃん!」
転々と転がるボールを軽やかに取り、素早くドリブルしてゴールへと向かう。目の前に立ち塞がるディフェンダーたちは、止まっているかと思ってしまうほどになにもさせてもらえず、張間に軽々と突破されてしまう。
張間「はーはっはっは! もらったぁぁぁ!」
「させるか!」
軽々とディフェンダーたちをかわし、ゴール下へと駆け抜けた張間は、力強く床を蹴り飛び上がる。張間が飛び上がると同時に、相手チームの水面 輝も飛び上がり、張間の前に立ち塞がる。腕を大きく伸ばし、ゴールを阻止しようとするが、張間は器用に空中でボールを持ちかえ、力任せにゴールへとぶん投げる。
ボールはリング内端に当たり、ガコガコと大きな音をたてながらもリングに吸い込まれていく。
張間「しゃぁぁぁ! どんなもんじゃい!」
狗山「ナイッ、シュ! 彩香!」
先生「はーい、交代の時間よ~! 各チーム、交代して~。」
先生が笛を大きく鳴り響かせると、コート内にいた生徒たちはビブスを脱ぎながら、ぞろぞろと壇上で待機している生徒たちと交代を始める。
狗山「ほらよ。頑張れよ、新沼!」
新沼「はぁ...めんどくさ...。」
張間「おっ、咲ちゃんや! めんどくさいなら、私が変わってあげようか!?」
新沼「お願い、彩香ちゃん。」
狗山「おい、やめるっすお前ら。新沼も、ちゃんと授業受けるっす。」
新沼「わかってるわよ。」
張間「ちぇ! あーあ、もっとやりたかったのにな~。」
水面「張間ちゃん、お疲れ。」
張間「ん? あっ、水面ちゃん! お疲れ様!」
水面「さっきのシュート、すごかったよ。」
狗山「ホントっすよ。ってかお前、バスケ上手すぎないっすか?」
張間「そう?」
水面「いや、めちゃくちゃ上手いよ。バスケ部の私と同じくらいだと思うけど...中学の時、バスケ部だったの?」
張間「ううん。中学の時は帰宅部だったよ。」
狗山「え!? お前、帰宅部だったんすか!?」
張間「うん。運動部から何度か誘われてたけど、私はスポーツ大好きマンだからね! 一個に絞らずに、いろんなところでスポーツするために帰宅部を選んだのだ!」
水面「そんな理由の帰宅部、聞いたことない。」
狗山「相変わらず、自由な女っすね。」
張間「さぁ、試合に出られない私たちが今すべきことは、応援じゃ! ガンガン応援しよう!」
水面「試合って言っても、授業だから。応援とかいらないと思うよ。」
狗山「お前、うるさいんだから少し静かにしてろっす。」
張間「がんばれがんばれ、ファイトだファイト~! あーこらっ、咲ちゃん! ちんたら走ってないで全力プレーをしろぉぉ!!」
狗山「って、聞いてねーし。」
水面「ホント、自由な女の子だよね、張間ちゃんは。」
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