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141話「中学生も高校生も、考えることほぼ一緒①」
しおりを挟む・登場人物
狗山 大和:♂ 中学二年生。狗山 羽和の弟。
古瀬 真希:♂ 中学二年生。大和の友達。
向枝 俊成:♂ 中学二年生。大和の友達。
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皆森第一中学校、2-1組の教室。お昼休みとなり、生徒はそれぞれ仲の良い子達と席をくっつけ、楽しそうに会話しながらお昼ご飯を食べ始める。
狗山 羽和の弟である狗山 大和は、同じバドミントン部の仲良い友達二人、向枝 俊成と古瀬 真希と一緒に、お昼ご飯を食している。
向枝「なぁ、お前ら...もうすぐ、夏だよな?」
大和「はい?」
古瀬「もうすぐってか、もう夏だよ? 7月だよ? もしかして、一人5月に取り残されてる?」
大和「それはあり得る。俊成は、バカだからな。」
向枝「なぁ、お前ら...夏と言えば、なんだ?」
古瀬「おぉ、何にもツッコまずに、そのまま突っ込んできたよ。」
大和「バカだからこそできる技だな。」
向枝「さっさと答えろ、バカどもが!! 夏と言えば、なんだ!?」
大和「んな急に言われてもな...。」
古瀬「夏と言えば...あっ、そろそろ部活の大会だね。」
大和「そうだな。」
向枝「違ーーーう!! 部活の大会とか、そんなことじゃないんだよ! お前らは、バカか!? バカだろ!? バカですね!!」
古瀬「トッシーは今日も元気だねぇ~。」
大和「元気じゃなくて、やかましいだけだろ。」
向枝「いいか、お前たち! 夏といえば、祭り! 花火! そして、海!! これ以外に何がある!?」
古瀬「部活の大会!」
大和「家でゴロゴロダラダラ過ごす。」
向枝「もういい...お前たちに話を振っても、ことが進む気配がない。いいか?夏といえば、祭り、花火、海、プール、BBQ...色んな行事がある。おい、大和!!」
大和「なんだよ?」
向枝「これらの行事に、共通して必要なモノって、なんだと思う?」
大和「話し振らないんじゃなかったのか?」
向枝「さっさと答えんかい!!」
大和「共通するもんって言われてもな...真希、わかる?」
古瀬「うーん、なんだろ?」
向枝「ぶっぶー! はい、時間切れ! お前ら、バカ決定! どうして、こんな簡単な問題もわかんねぇんだよ...! 頭が痛くなるぜ...!」
古瀬「で、答えはなんなの?」
向枝「これらの行事に必要なモノ...それは、女の子だぁぁぁぁぁ!! 浴衣に水着に、あの子の私服!! 夏の行事には、女の子が必要不可欠だろうがぁぁぁ!!」
大和「また始まった。」
古瀬「何回目だろうね、この話。」
向枝「俺たちは、青春真っ盛りの中学生だ。恋をしなきゃいけない中学生だ。」
大和「しなくてもいいだろ。」
向枝「恋は義務教育だ!! 必ずしなければいけない!!」
大和「はいはい、そうですか。」
古瀬「トッシー、もしかして恋してるの?」
向枝「ふっ...! 真希よ、良いことを聞いた...! 実に良いことを聞いたよ、君は!」
大和「おい、真希...。」
古瀬「あははは~ごめんごめん。」
向枝「今日、お前らには俺の夏を輝かしいものにするための手伝いをしてもらおうと思ってだな...! お前たちは、俺の大親友だ。当然、大親友である俺の恋を手伝って、応援してくれるよな? ちなみに断ったら、小学生の時に撮った、お前たちのすっぽんぽんの写真を校内中にばら撒くからな?」
大和「脅迫じゃねぇか、おい!!」
古瀬「懐かしいね~修学旅行に行った時だよね?」
向枝「そうそう。みんなでデカい風呂に入った時のやつだ。あと、大和はよだれ垂らしながら寝てる写真もばら撒くからな?」
大和「なんで俺だけ!?」
向枝「こうでもしないと、お前は断るからだ! さぁ、どうする?」
大和「お前、いつか絶対にぶん殴ってやるからな...!」
古瀬「それで、トッシーは誰に恋してるの? もしかして、同じクラスの子!?」
向枝「まぁまぁ、そう慌てなさんなって! それは、放課後のお楽しみさ。」
大和・古瀬「放課後?」
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