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208話「もっと笑ってと言われるほど、笑えない②」
しおりを挟む間宮「笑えない...ですか?」
岩橋「あぁ。笑えないと言うより、笑うのが苦手というか...感情を表に出すのが苦手なんだ。」
張間「ここにきてからも、表情が石のように動きませんもんね。顔の筋肉、生きてます?」
関「張間くん、失礼ですよ。」
張間「すんません! 怒らないでください!」
岩橋「大丈夫だ、怒ってない。」
関「とか言って、本当は怒ってるかも。」
張間「表情が変わらないから、全然わかんない!!」
間宮「そんなやりとりしてたら、マジで怒られんぞ。すいません、話の続きをどうぞ。」
岩橋「普段は気にしてなかったんだが...面接練習を最近やっててな。そこでよく言われるんだ...「もう少し、笑ってみたらどうかな? 今のままだと、結構怖いよ...。」って。」
間宮「な、なるほど...。」
関「面接となれば、第一印象がとっても大切ですからねぇ。無表情では、あまりいい印象は与えられないかもですね。」
張間「こりゃ大変だ! とりあえず、どのくらい笑えないのかを確認するために...がんちゃんさん、笑ってみてください。」
間宮「笑顔が苦手って人に笑ってみては禁句だぞ。」
張間「間宮先輩、お手本を見せてあげてください! さぁ、笑え!」
間宮「話、聞いてた?」
岩橋「笑えって言われて笑うと、怒ってる?って言われるし、自然な笑顔とか言われても、自然な笑顔ってなんだよ?って気持ちで...笑うってなに?って状態になってな。今、すごく頭の中がパニックになっているんだ。」
張間「ほうほう、なるほど。パニクってる感は全然伝わりませんが、よくわかりました!」
岩橋「やっぱり、伝わらないよな。すまない。」
間宮「いえいえ、こちらこそ先ほどからとんでもなく失礼なことを...! 後でちゃんとしっかり叱っておきますので!」
張間「あれ!? もしかして、怒ってます!?」
岩橋「安心してくれ、怒ってない。」
関「つまり、ここで笑う練習をしたいってことですかね?」
岩橋「あぁ。一人でやっててもわかんないだろうし。せっかくだから、なんでも探偵部に頼んでみるかってことで、来た。」
張間「素晴らしい! 素晴らしい判断ですよ、がんちゃんさん! 素晴らしい! なんでも探偵部は、あなたの願いをなんでも叶える素敵な場所! あなたの願い、私たちが叶えてあげましょう!!」
間宮「だから、なんでもって言うのやめろ。」
張間「なんでですか!? 私たちは、なんでも探偵部でしょうに! なんでもできないのなら、名前変えますよ! いいんですか!?」
関「まぁ、できる限りの努力はやりますよ。せっかく我々を頼ってくださるのですからね。ってことで、張間くん。」
張間「はい! 張間 彩香ちゃんでっっす! お任せください!」
間宮「何する気ですか?」
関「とりあえず、どれほど笑えないのかを確認することから始めましょう。」
張間「ふっふっふっ...! この張間 彩香ちゃんの手にかかれば、どんなやつでも腹を抱えて大笑い! アメリカ全土が大爆笑! 全米納得度100%の安心感! さぁ、覚悟してください、がんちゃんさん!」
間宮「自分でめちゃくちゃハードル上げてるけど、大丈夫なんですか?」
関「大丈夫大丈夫。張間くん、精神は強いから。」
間宮「スベる心配をしてるんじゃないんですよ。」
張間「それじゃあ...いきますよ~! がんちゃんさん、よーーく見ててくださいよ~~!」
岩橋「おう。お願いします。」
張間「せーーーのっ! 「コンドルがおけつに食い込んどる!!」」
岩橋「......。」
関「......。」
間宮「......。」
張間「......部長、間宮先輩、がんちゃんさんは、なかなかの強敵でっせ。」
間宮「あれで笑うと思ったお前に驚きだよ!!」
関「さすが張間くんです...! 我々の期待を裏切りませんね...!」
張間「えへへ...! それほどでも...!」
間宮「気づいて、張間さん! 褒められてないから! 最初からダメだと思われてたから!」
張間「どうします、部長? これは、ちょっとやそっとじゃダメですよ?」
関「安心しなさい、張間二等兵。私に考えがあります。」
間宮「最初から教えろよ、その考え。」
張間「それでそれで、部長の素晴らしい考えとはなんでしょう!?」
関「私の素晴らしい考え...それは、これだぁぁぁぁ!!」
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