なんでも探偵部!

きとまるまる

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227話「夏と恋と祭りと花火〜北台編〜②」

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北台「あー遊んだ遊んだ~!」

西田「もうそろそろ花火だね。」

北台「ね! すごく楽しみ!」

西田「うん、そうだね。」


 西田と会話しながらも、北台はチラチラとスマホを覗き込む。

張間と書かれたトーク画面に
「そろそろ合流しよ」
「張間?」
「合流しよってば」
「ねぇ?」
と、数分おきにメッセージを送っているが、既読が一向につく気配がなく、北台は小さくため息を吐き出す。


北台(あいつ、ちょっとくらいスマホ見ろっての...。)

西田「北台さん。」

北台「ん? なに?」

西田「張間さんに連絡してるの?」

北台「あー...うん。もうすぐ花火だからさ、そろそろ合流するぞ!って送ってるんだけど...全然既読つかなくて。」

西田「......。」

北台「聖也くん? どうしたの?」

西田「...なんで、そこまでしてくれるの?」

北台「え?」

西田「北台さんはさ、僕のこと好きなんでしょ? このままいれば二人きりなのに...なんでそんなことしてるの?」

北台「......だってさ、花火だよ? 夏祭りのメインイベントだよ? だからさ、その...。」

北台「...好きな人と、一緒に見たいじゃん。」

北台「私は、さっきまで二人っきりですごく楽しかったからさ! 私だけ楽しくても、なんていうか...聖也くんも、せっかくの夏祭りなんだから楽しまなきゃじゃん?」

北台「聖也くんは私よりも、張間といる方が楽しいでしょ? 二人でいられるなら、いたいけど...私は聖也くんにも、楽しくて忘れられない思い出を作ってもらいたいから。」

西田「......。」

北台「私は、もう忘れられない楽しい思い出作ってもらったからさ! 次は、聖也くんの番だよ! というか、聖也くんからも連絡してくれない? あいつ、全然ーーー」

西田「北台さん。」

北台「え? なに?」

西田「せっかくの夏祭りなんだから、スマホばかり見てるのはもったいないよ。」

北台「...え?」

西田「ほら、スマホはしまってしまって。」

北台「え!? で、でも...!」

西田「既読つかないってことは、気づかないくらい楽しんでるってことなんじゃないかな? だとしたら、それを邪魔するのはよくないよ。」

北台「で、でも...。」

西田「今日は、こういう運命だったってこと。と、いうことで...いこ、北台さん。」

北台「...いいの?」

西田「ほら、早く行かないといいとこで花火見られないよ!」

北台「う、うん。」
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