なんでも探偵部!

きとまるまる

文字の大きさ
上 下
246 / 330

246話「海!海!!海!!!⑩」

しおりを挟む

綾小路「あははは...このままじゃ、咲ちゃん不足で...咲ちゃん不足で......さ、咲ちゃん...!」

新沼「名前連呼するな、気持ち悪い。」

綾小路「あだぁっ!? さ、咲ちゃん!? 背中蹴らないでくれよぉ!」

新沼「そんな強く蹴ってないでしょ。いちいち大袈裟。ってか、いつまでウジウジしてんの? ウザいんだけど。」

綾小路「そ、そんなこと言わないで...って、咲ちゃんが僕とお話ししてくれている!? さ、さささ咲ちゃん!!」

新沼「傑先輩が仲直りしてあげてって言ったから。傑先輩に感謝してよね。」

綾小路「うぐっ...!? ぼ、僕が間宮 傑に感謝を...!? そ、そんなことは...!」

新沼「あとさ...私は別にいいけど、傑先輩には迷惑かけないで。わかった?」

綾小路「そ、それは、時と場合にーーー」

新沼「わかった?」

綾小路「も、もちろんさ! 咲ちゃんの言うことは、絶対だからね!」

新沼「もし傑先輩に迷惑かけたら、マジで一生口利かないから。」

綾小路「そんなことになったら、僕はきっと...! あっ、さ、咲ちゃん!」

新沼「なによ?」

綾小路「か、確認なんだけども...間宮 傑とはお付き合いしてないってことで、いいんだよね!? そうだよね!?」

新沼「......付き合ってないわよ。」

綾小路「い、いやったぁぁぁぁ! 今夜はパーティーだぁぁぁ! いやっふぅぅぅ!!」

新沼「...まだ、ね。」

綾小路「...へ? まだ?」

新沼「そう。まだ。」

綾小路「つ、つまり...それは、その...!」

新沼「残念だけど、私はあんたに振り向くことはないから。」

新沼「あんたが私のこと、本気で好きなように...私も傑先輩のこと、本気で好きなの。」

新沼「私の想いは、本物だから。」

綾小路「んなぁぁぁぁにぃぃぃぃぃ!?!?」

新沼「そういうわけだから。じゃあね。」

綾小路「さ、咲ちゃん!!」

新沼「なによ?」

綾小路「き、君は、間宮 傑に一直線なのかもしれない...! でも、僕だって君に...咲ちゃんに一直線なんだ! 僕も、君のことが本気で好きだし、この想いも本物なんだ!」

綾小路「だから、僕は諦めないよ! 君が間宮 傑を好きな気持ちの、倍...さらにその倍、もっともっと何倍も、僕は君のことが好きなんだ! だからーーー」

新沼「好きなだけじゃ意味ないのよ。」

綾小路「え...?」

新沼「どんだけ想っても、振り向いてもらえなかったら意味ないでしょ? 好きなんて言葉、いくらでも言える。それが嘘でも本当でも、何度だって言える。」

新沼「だから、本気で私のこと好きなら...振り向かせてみろ。」

綾小路「あ、あぁ任せてくれ! 振り向かせるよ! 僕は、絶対に君のことを振り向かせて見せるよ!」

新沼「あと、私が傑先輩を振り向かせることができたら...その時は、男らしく諦めてよね。私のこと本気で好きなら、私の幸せを祝福して。」

綾小路「...わかった。その時は、悔しいだろうけど......く、悔しいけど、君のことを祝福するよ! 祝福します! しゅ...祝福、してやる!! それが、咲ちゃんの願いだから...! ぐぅぅ...!」

新沼「...ふふふっ!」

綾小路「咲ちゃん...?」

新沼「あんた、ホントに私のこと大好きだね。その一直線なとこだけは、尊敬してあげる。」

綾小路「え!? さ、咲ちゃんが僕のことをーーー」

新沼「調子に乗んな。クソ綾小路。」

綾小路「あだぁ!? だ、だから蹴らないでってば!」

新沼「次、調子乗ったら本気で蹴るから。」

綾小路「そ、それだけは勘弁!!」

新沼「ほら、さっさと帰るわよ。クソ綾小路。」

綾小路「クソとか言わないでくれよ、咲ちゃん! 僕はクソとは程遠い、素晴らしい...って、咲ちゃぁぁぁん! 待ってよぉぉぉ!!」
しおりを挟む

処理中です...