なんでも探偵部!

きとまるまる

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257話「昨日の敵は今日の友③」

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間宮「こんにちはー。」

関「へいへいへい! 待ってたよ、傑ボーイ!」

張間「さぁさぁさぁ! 早く飲み物を持ってくださーい!」

間宮「はいはい。」

張間「それではでは...テストお疲れ様でしたーー! かんぱーーーい!」

関「かんぱーーい!」
間宮「かんぱーい。」


 毎回の恒例行事となりつつある、テスト後の部室打ち上げ。

三人はゴクゴクと大きく喉を鳴らし、地獄で受けたダメージを飲み物で癒していく。


張間「っぷはぁ! テスト明けのイチゴ牛乳は、最高だぜぇ!」

関「今回も、お疲れ様でした~。」

間宮「張間さん、今回はどうだったの?」

張間「ふっ...終わったことだ。次に行こうぜ...!」

関「傑くーん、鍵閉めといて。」

間宮「はーい。」

関「さてさて、次のテストまで勉強地獄と行きましょうか。」

張間「待て待て待て! 冗談に決まってるじゃないですか、もぉ~! ディスイズ張間ちゃんジョークですよ~! わかってくださいよ、もぉ~!」

間宮「張間さんが言うと、冗談に聞こえない。」

関「傑くんに同意です。」

張間「とにかく! 結果が返ってくるまでは絶対に勉強しません!! どぅーゆーあんだーだ、スタン!?」

関「do you understand.ですよ。はい、repeat after me.」

間宮「張間さん、意味わかる?」

張間「バカにしすぎですよ、間宮先輩!!」

張間「あ、そうだ! ねぇ、間宮先輩!」

間宮「なに?」

張間「明日、お昼一緒に食べませんか!?」

間宮「明日?」

張間「はい! 明日です!」

関(おやおや、積極的に動きますね~! まぁ、新沼くんが積極的に動いている今、ボーッとしてるわけにはーーー)

間宮「ごめん。明日のお昼は、新沼さんと食べる予定なんだ。」

張間「...え?」

関「えぇぇぇぇぇぇ!?」

間宮「うるさっ!? なんですか、急に!?」

関「あ、いや、その...私の目の前をUFOがチラリと通り過ぎてね! ついつい驚いてしまったよ! はっはっは!」

間宮「...頭、大丈夫ですか?」

関「私のことは気にしないでくれたまえ。続きをどうぞ。」

張間「あ、明日...咲ちゃんと...た、食べるんですか...?」

間宮「うん。昼休み終わるちょっと前くらいに、新沼さんから「明日お昼一緒に食べませんか?」って連絡来て。」

張間「そ、そう...ですか...。」

関(まさか、新沼くんがここまで積極的に動いてくるとは...! こ、これは、私の予想よりも早い段階で修羅場をーーー)

間宮「張間さんも、一緒に食べる? 明日。」

張間「...え?」

関「えぇぇぇぇぇぇ!?」


N「もう皆様お分かりでしょうが...間宮 傑は、張間 彩香と新沼 咲に好意を抱かれていることなど知りもしないし、考えたこともない。」

N「そもそも彼は、過去の経験から自分自身に全くと言っていいほど自信を持っておらず、何かしら好意をアピールされたとしても「自分なんかを好きになるわけがない」と否定する生き物なのである。」

N「なので、今回の件も「好意を抱かれているからお昼に誘われた」ではなく「新沼 咲にお昼誘われたのは、漫画の件。張間 彩香にお昼誘われたのは、彼女の気まぐれ」くらいにしか思っていない。だからこそ、張間をお昼に誘えたのだ。」


関(女の子にお昼誘われてるんですよ!? 少しくらいは意識しなさいよ、あんた!!)


N「関の思い虚しく、間宮 傑は「どうする?」と張間に聞き返す。」

N「先に言っておくが、彼に悪気はない。むしろ「張間と新沼は仲がいいから、自分と二人きりよりは仲良い子がいた方が楽しいだろう」という気を利かせたつもりである。それがとんでもない悪手であるとは知らずに...。」

N「彼のためにもう一度言っておこう。間宮 傑に悪気は一切ない。全くない。ただただ鈍感で、自分に自信がないだけである。」


関(羽和くん...修羅場は、すぐにやってくるぞ...。)
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