なんでも探偵部!

きとまるまる

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282話「どすこいっ!紙相撲!恋のつっぱり編⑧」

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 紙相撲の勝負に負け、桜井と温泉に入ることになった花ノ山。

着替えをとってくるから先に入っててと言われた通りに、花ノ山はひと足先に浴場に入り、身体をいつも以上に丁寧に丁寧に洗っていた。


花ノ山「どすこいっ!どすこいっ!どすこいどすこいどすこいっ! どすこいっ!どすこいっ!どすこいどすこいどすこい...はっ!?お、おいどんは、一体何を!? はっ!?ここは、温泉!? なぜ、おいどんは温泉に...はっ!?満さんに連れて来れて...はっ!?全部思いだしたでごわす!」

花ノ山(ま、まさかまさかの出来事でごわす...! まさか、満さんとまた出会えるだけでなく、一緒に温泉もだなんて...! 一緒に温泉...つまり、満さんの...ム、ムフフでごわす...!トキメキが止まらないで...はっ!?な、何を考えているでごわす!? いくらなんでも、それはいけないでごわす!!)

花ノ山(くっ...ダメでごわす...! このシチュエーション...健全な男子高校生が、エッチな考えをしない方がおかしいでごわす...! おいどんの五山海森GTが五山海森GTDXござんうみもりギャラクシーターボデラックスに進化してしまうでごわす...! でも、おいどんの五山海森GTDXなんて見たら、きっと満さんは幻滅してしまうでごわす! だって満さんは、絶対にそんな考えしていない...。)

花ノ山(...待つでごわす。本当にそんな考えをしていないでごわすか? 高校生でごわすよ?満さんも、高校生でごわすよ? 小学生とかなら、まだわからなくもないでごわすが、もう高校生でごわす。大人の一歩手前でごわす。そんな考えがなかったとしても、さすがに温泉には誘わないでごわすよ。)

花ノ山(つまりつまりは、そういうことでごわす...! おいどんたちは、大人一歩手前の少年少女...!これは、満さんからのメッセージでごわす!「一緒に大人になろうね」という、愛のメッセージでごわす! それを断るなど、できるはずがないでごわす! 愛する人の愛のメッセージ...受け取らないわけには、いかないでごわす!!)

花ノ山(言い訳っぽく聞こえてしまうかもしれないでごわすが、誤解のないよう言っておくでごわす...! これは、おいどんではない!満さんから誘ってきたこと!おいどんではなく、満さんから!そう、満さんからでごわす! この先何が起ころうと、満さんが誘ってきたこと!おいどんではなく、満さんでごわす!!)

桜井「お待たせ~!」

花ノ山(行くでごわすよ、花ノ山 川角...! おいどんは、今日をもって男に...いや、おとこになるでごわす!! 大人の階段を、猛ダッシュで駆け抜けるでごわーーー)


 桜井の声に、勢いよく振り返る花ノ山。目の前にいる想い人は、可愛らしい笑顔を向けながら、腰に巻いている小さなタオルを落ちないように直していた。


花ノ山「...ごわす?」

桜井「ん?どうしたの、花ノ山くん?」

花ノ山「ご、ごわす?」

桜井「ん? 僕の顔に、何かついてる?」

花ノ山「タ、タタタタオル...!」

桜井「タオル? もしかして、タオル忘れてきたの? 僕の貸してあげーーー」

花ノ山「タオル!!なぜ腰にしか巻いていないでごわすか!?」

桜井「え? なぜって...上まで隠す必要ないでしょ? 僕ら、男なんだから。」

花ノ山「......ごわす?」

桜井「あっ、男同士だから下も隠さなくて良いってこと? まぁ、今は僕らしかいないから...でも、なんて言うかなぁ...マジマジと見られるのは、男同士でもさすがに恥ずかしいから、やっぱり僕はタオル巻いたままでもいいかな?」

花ノ山「え?あ、え?ん?んお?」

桜井「花ノ山くん? どうしたの? 花ノ山くん?」

花ノ山「え?あ、あれれ?あ、あっれれ~?おっかしいぞぉ~?」

桜井「どうしたの、花ノ山くん?」

花ノ山「み、みみみみ満さんって、女性...では...。」

桜井「僕、男だよ。声高いし、お母さん似だからか、結構間違われるんだよね~。あははは~。」

花ノ山「ご、ご、ごごごごご...ごわすぅぅぅぅぅ!?!?」


花ノ山(M)花ノ山 川角、17歳...おいどんの初恋は、こんな形でスッと散っていったでごわす...!


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