なんでも探偵部!

きとまるまる

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311話「何事も準備してる時が一番楽しい①」

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張間「それではでは...テストお疲れ様でしたーー!かんぱーーーい!!」

関「かんぱーーい!!」
間宮「かんぱーい。」


 張間の号令と共に、互いに手にした紙コップを軽くぶつけ合う部員たち。
10月の中間テストという地獄を乗り越えた張間は、大きく喉を鳴らしながら紙コップに注がれたイチゴ牛乳を飲み干す。


張間「ぷはぁ! やっぱテスト終わりのイチゴ牛乳は最高だぁ~!おかわり~!」

間宮「仕事終わりのリーマンか、お前は。」

張間「今回は、いっぱいたくさん勉強したんで、疲れが溜まりに溜まってるんですよ! ようやく、ようやく解放された...!私は、自由だ...!」

関「この子が自ら勉強するって言い出した時は、お母さん嬉しくて嬉しくて...! 我が子の成長って、こんなにも嬉しいことなんですね...!」

張間「もう地獄を見るのは嫌なんでね...!へへへ...!」

間宮「まずは母親ぶってるところをツッコんでから話を進めていけ。」

関「ツッコミのお勉強は、もっと必要なようですね。張間くん。」

張間「これからも、色々とよろしくお願いします!傑先輩!」

間宮「今まで一度も教えたことないわ。というか、テストほんとに大丈夫だったの?また赤点だったら、追試まで勉強漬けだからね?」

張間「今回は絶っっ対に大丈夫です!「あれ...?わかる、わかるぞ...!これ、進進しんしんゼミでやったところだ!」状態だったんで、赤点の可能性はナッシングです!褒めてもいいんですよ!?ほらほらほら!」

関「褒めるのは、まだ早い。」

間宮「結果が返ってくるまで油断はできない。」

張間「クソが!使えねぇ男たちだぜ!!嫌になっちまうぜ!!ね、イチゴ牛乳?」

張間「(裏声)本当だよね!少しは僕を見習ってほしいものだよ!よしよし、彩香ちゃんよしよーし!」

張間「ありがとう、イチゴ牛乳くん!張間 彩香、すごく嬉しい! ほら、お前らもイチゴ牛乳くんを見習え!」

間宮「だいぶ涼しくなってきましたよね。」

関「もう十月ですからねぇ。」

張間「あれれぇ~?おかしいぞぉ? 最近、張間 彩香ちゃんの扱いが雑になってる気がするぞぉ? なんでかなどうしてかなー? こんな可愛い可愛い後輩を雑に扱っていいんですかー?」

間宮「そういうこと言ってるから雑に扱われるんだよ。」

張間「部長、今すぐにその無礼者の首をねよ!!」

関「かしこまりました。傑くん、悪く思わないでくれたまえよ。」

間宮「お前なんかにやられてたまるか。」

張間「あっ、そうだ! 部長、傑先輩!もうすぐ学祭じゃないですか!学祭!」

関「えぇ、そうですね。」

間宮「そういえば。もうそんな時期なのか。」

張間「部長たちは、去年何したんですか!?」

関「私のクラスは、飲食店をしましたよ。学祭の王道ですね。」

張間「ほほう!いいですねいいですね!学祭の王道! 傑先輩は、何したんですか!?傑先輩も、学祭の王道ですか!?」

間宮「僕のクラスは、ゴミ箱シュートだったよ。」

張間「......はい?」

関「懐かしいねぇ。そんなのあったあった。」

張間「あの、なんですかそれ? もしかして、ゴミ箱にゴミをポイっと投げ捨てるアレですか?」

間宮「うん。」

張間「...それ、学祭ですることですか?」

関「張間くんや、ゴミ箱シュートは舐めてはいけませんよ。君が思ってる数倍は盛り上がってましたよ。」

張間「えぇ~本当ですか~?たかがゴミ箱シュートですよ~?そんな盛り上がりませんって~。」

間宮「正直、僕も盛り上がらないって思ってたけど、やってみたら意外とすごかったんだよ。」

関「気づいたら、やたらとギャラリーが増えてましたしねぇ~。」

間宮「先輩と投縄なげなわくん、ずっと続いてましたしね。15、6回くらいだったっけ?」

関「そのくらいな気がしますね。ゴミ箱に入るたびに湧き上がる、あの観客の歓声...もう一度味わいたいものですよ。」

間宮「スポーツの試合してんのかってくらい盛り上がってましたもんね。ほんとすごかったよ、あれは。」

張間「こらこらこらこら、こらお前ら!私抜きで盛り上がってんじゃないよ!私も混ぜなさいよ、私も!!」

関「ではでは、話題を変えましょうか。張間くんは高校生活初めての学祭ですが、何がやってみたいですか?」

張間「そうですねぇ~色々と楽しそうですけど、やっぱり飲食店やってみたいです! 学祭の王道は、経験しておきたい!」

関「飲食は準備とか大変だけど、やりがいはありますよ。あと、儲かりますよ~!」

張間「も、儲かるだとぉ!? こりゃ飲食をやるしかないぜ! がっぽがっぽ儲けたるでぇ!」

関「いや~学祭の話をしていると、すごく楽しみになってきますね~!」

張間「そうですねぇ~! ほらほら、傑先輩も盛り上がっていきましょー!学祭、最高ぅぅ!いぇ~い!」

間宮「何にも始まってもないのに、どうやって盛り上がれと?」

張間「もぉ、傑先輩はそうやってすぐテンション下がるようなこと言う!ダメなところですよ!直してください!」

関「落ち着きなさい、張間二等兵。傑くんは「全然楽しみにしてませんよ」オーラ出しつつ、始まれば一番楽しんじゃうタイプなんです。彼が恥ずかしがってしまいますから、そこは察してあげなさい。」

張間「な、なるほど...! それは、失礼しました! 傑ぱいせんの気持ちを全く理解できずに...この張間 彩香、一生の不覚です!」

間宮「あんたらと違って、今も学祭も変わらずこのままだわ。一緒にすんな。」
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