なんでも探偵部!

きとまるまる

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313話「何事も準備してる時が一番楽しい③」

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 放課後となった探偵部の部室。関が一人で部室内を軽く掃除している。


張間「こんにちは~!」

関「こんにちは、張間くん。学祭の準備は、進んでますか?」

張間「着々と進んでますよ~! 部長、遊びに来てくださいね!」

関「もちろん。楽しみにしてますよ~!」

張間「あっ、そうそう!部長、私だけじゃなく、羽和ちゃんのメイド姿も、楽しみにしててくださいよ!」

関「そういえば、君たち同じクラスでしたね。羽和くんは、メイド服すごく嫌がりそうなイメージありますけど、着るんですね。」

張間「本人めちゃくちゃに抵抗してましたけどね。「俺は絶対に似合わないから無理っす!!絶対に着ないっす!!俺は、執事の格好するっす!!」って。」

関「でしょうね。そこからよく承諾しましたね。」

張間「いやもう、すごかったですよ~。「そんなこと言わずに!狗山さんはすごく可愛いんだから、メイド服絶対に似合うよ!」派と「何言ってるの、あなたたちは!?狗山さんは、執事の格好一択に決まってるでしょ!?ほんとわかってないわね、あなたたち!」派が、バチバチしてまして。話し合いの半分以上がその話題でしたから。」

関「兎にも角にも、羽和くんがクラスのみんなに好かれているということはよく分かりましたよ。それで、メイド服派が勝利したのですね。」

張間「いえ、二日あるんだからどっちも着ればいいじゃんってことで丸く収まりました。」

関「そもそもまず羽和くんの承諾は得てないんですね。可哀想に...。」

間宮「こ、こんにちは...。」

張間「傑先輩、こんにちは~!」

関「おやおや、元気なさげですけど、どうしました?」

間宮「じ、実は...。」



 少し時を遡りーーー学祭の出し物について話あっている、2-A教室。生徒たちは皆、演劇部の白金 麗しろがね うららが書いてきた台本に目を通している。


白金「さぁさぁ、どうでしょうかどうでしょうか!?私の台本、どうでしょうか!?」

口車「いいじゃんいいじゃん!俺は、良いと思うぜ!」

山本「俺も。ってか、これ白金が書いたんだろ?すげぇな。」

泉「日奈子は、どの役やるの~?」

波江「は?私は、やんないわよ。」

泉「え!?なんで!?」

波江「人前でお芝居とか、無理。」

泉「そんなこと言わずに、一緒になんかやろうよ~!」

波江「絶対に嫌。」

暁「冬華、お前はどうする?」

笹原「もちろん、演者として出るわよ!こんな機会、滅多にないしね!」

暁「だよな!俺もやる気十分だぜ!」

馬鳥「俺も、せっかくだしなんかしらやろうかな~?かのっちは、どうするの~?」

鹿野兎「わ、私は遠慮しておこうかな...。」

馬鳥「夏帆ちゃんは~?よかったらなんか一緒にーーー」

不知火「パス。」

馬鳥「あ~振られちゃった。ってことで、かのっちなんかしようよ~。」

鹿野兎「いや、だから私は...。」

間宮(みんな、すごく盛り上がってるな~。意外とやりたいって人多そうだし、これなら候補者少ないから~とか言う理由で選出される心配もーーー)

白金「では、早速役を決めていきたいんだけど...私に、提案があります!間宮くん!」

間宮「え?あ、はい!」

白金「実は、今回のお芝居の主人公をぜひ間宮くんにやってほしいと思っております!」

間宮「...え?」

白金「あのね、七海ななみ先輩にクラスでお芝居するって言ったら「間宮くんすごくお芝居上手だよ~!」って聞いてね!それで、お芝居してる動画も見せてもらったんだけど...ぜひこれはやってほしいなと思いまして!!どうでしょう!?」

間宮「いやいやいや!僕なんて全然だから!というか、動画ってなに!?いつ撮ってたの!?」

白金「なんか屋上で女の子とーーー」

間宮「あーーー!わかったわかった!わかったからそれ以上言わなくていいです!!」

口車「屋上で女の子と...だと?間宮、後で詳しく教えろ。」

山本「ってか、お前お芝居できたんだな。意外だわ。」

泉「七海先輩って演劇部のめちゃ上手い人でしょ?その人に上手いって言われてるって、間宮くんすごくない!?」

波江「意外だわ、ほんと...。」

笹原「間宮くんが主役か~!それ、見てみたいかも!」

暁「俺も俺も!なんだかんだ、合いそうだしな!」

馬鳥「まみー、探偵部でビシバシツッコミしてるし、この役もビシバシツッコミしてるしで、ピッタリだと思うよ~!」

間宮「待って待って待って!なんか僕がやる流れになってるけど、まだやるなんて言ってないからね!?それに、主人公だよ!?主役だよ!?僕以外にやりたい人いるって! ほら、口車くんとかどう!?やりたいでしょ!?」

口車「まぁ正直、やりたくないと言えば嘘になる。主役といえば、一番に目立つからな。俺は目立ちに目立って、この機に一年と三年の女の子たちからも注目されたいと思っている...!」

泉「さすが口車くんだね~。欲望に忠実。」

波江「理由がマジでキモい。ってか、二年女子も注目してないわ。」

口車「つーことで、主役を!って思ったが、お芝居なんてしたことねぇから、この短期間でこのセリフ量覚えられる自信は俺にはない。よって、今回はパスだ。間宮、よろしく。」

山本「お前、意外としっかり自己分析できるタイプだよな。それをモテるために使えよ。」

口車「テメェ山本、どういうことだそれは!?」

山本「モテるために自己分析しっかりして、欠点を見つけ出せってことだよ。」

口車「この俺に欠点なんてあるわけがないだろうが!勉強もできて運動もできる!さらには友達も多い...あれ?そう思ったら、意外とできる気がしてきたぞ!?ってことで、やっぱり俺、立候補します!!」

間宮(よかった...。これでやらなくて済みそうーーー)

波江「えぇ~。私、あんたよりは間宮くんのが良いと思うんだけど。」

口車「なんでだよ!?」

波江「ただ目立ちたいって理由で主役してほしくはないってこと。ってか、これが2-Aの主役って他のクラスの子たちに思ってほしくない。」

口車「辛辣しんらつぅぅ!!」

泉「私も、間宮くん推しかなぁ~!口車くんは、鬼の役のが合ってると思うよ!」

波江「確かに。グルマはやられ役がお似合いよ。」

口車「辛辣ぅぅぅ!!」

馬鳥「でもまぁ、やりたいって立候補してるんだから、勝手に決めずに多数決とった方が良いと思うけど、どうかな~?」

白金「それは、その通りだと思います!あっ、ちなみに、他に主役やりたい人いますか~?」

生徒たち「いませ~ん。」

白金「んじゃ早速、多数決しようと思います!! 口車くんが良い人~!」

口車「はーーーい!!」
生徒たち「......。」

白金「間宮くんがいいと思う人~!」

生徒たち「はーい。」

口車「辛辣すぎるだろ、このクラスゥゥゥ!!」



ーーー



間宮「って感じで、主役になってしまいました...。」

関「あの傑くんが、舞台の主役だなんて...!ビデオカメラ持っていかなきゃ!!」

張間「お化粧して見に行かなきゃ!!」

間宮「親みたいな喜び方するな!!」
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