なんでも探偵部!

きとまるまる

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329話「終わりはいつか必ず来る③」

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黄島「ついた。次は、ここだよ。」

牛寅「ようやくあのアホ面をぶん殴れる時が来たのね...!」

青海「ここには、カカ・ワーリ様はいないよ。」

牛寅「はぁぁぁぁぁ!?」

猪山「おい、黄島。これは、いつまで続ける気なんだ?」

黄島「僕、黄島じゃないよ。ソラだよ。」

猪山「...すまない、今はそうだったな。いつになったら、かか...カカ・ワーリの元に辿り着くんだ?言っとくが、長々と付き合えるほど俺たちは暇じゃないぞ。」

青海「安心して。ここのゲームをクリアしたら、会えるから。」

猪山「そうか。」

牛寅「それじゃ、さっさとクリアして次に進みましょう、会長!」

猪山「そうだな。」


 牛寅は、若干イラつきながら教室の扉を開ける。
中にいたのは、五人の女子生徒ーーーそれぞれが、赤、黄、青、緑、ピンクのジャージに身を包み、牛寅たちを見つめている。


泉「ふふふ...ようやく来たわね...!待っていたわよ、生徒会!」

牛寅「...えっと、たしかあなたたちは...。」

猪山「女子バスケ部だな。」

泉「そう!私たちは、女子バスケ部...改めっ!!」

泉「レッドッ!」

沖「ピンクッ!」

氷見士「グリ~ン!」

波江「イエロー。」

水面「...ブルー。」

泉「私たち、五人揃って...せーのっ!」

泉「イロレンジャー!」
沖「イロッレンジャー!」
氷見士「イロレンジャ~!」
波江「レンジャー。」
水面「......。」

猪山「......。」

牛寅「......。」

泉「おいこら、輝!!あんた、言ってないでしょ!?」

水面「言ってましたよ、ちゃんと。」

泉「いーや、言ってない!私は騙されないわよ!そうやって一人輪を乱すやつがいると、チームがダメになるでしょうが!」

沖「まぁまぁ、輝はそういうキャラなんだからさ。居てくれるだけで感謝しようよ!」

氷見士「そうそう。水面ちんはクールな子だからさ~。」

波江「私も、どちらかというと水面側なんだけど...。なんで私までこんな...。」

沖「いやいや、日奈子はこっち側でしょ!私たちと、一緒!」

氷見士「そうよ、ひなちん。仲間外れは、許さないぜぇ~。」

波江「これに関しては、違うと声を大きくして言う!!」

泉「こら、あんたたち!輝を甘やかすな!すぐ調子乗るから、やめなさい!」

水面「泉先輩、輪を乱してるのは、果たしてどちらでしょうね?」

泉「ほれみたことか!もう調子乗ってる! どう責任とってくれんのよ、あんたたち!」

水面「調子乗ってません。事実を言ってるだけです。バカ泉先...泉先輩。」

泉「言い直すの遅いわ!!ってか、バカって言い切ってるわ!!このクソ生意気な後輩がぁぁぁぁ!!」

猪山「...俺たちは今、何を見せられてるんだ?」

牛寅「あの、始めるなら早くして...。」

泉「あっ、そ、そうですね!すみません、お待たせしてしまって!」

水面「ほら怒られた。泉先輩のせいですよ。謝ってください。」

泉「なんで私だけのせいなのよ!?連帯責任よ、連帯責任!ってか、ちゃんと謝ってたでしょうが!」

水面「謝ってませんよ。私に。」

泉「なんであんたに謝らなきゃいかんのだ!?」

波江「あぁもぉ...全然進まないじゃん...。すみません、会長さん。私から、説明しますね。」

猪山「よろしく頼む。」

沖「いよっ!待ってました、日奈子さん!」

氷見士「一発デカいのかましてやれ~!」

波江「うるさいわよ、あんたたち!これ以上、遅延行為をするな!!」

波江「えっとですね...今からお二人でペアになってもらって、出されるお題をクリアしていってもらいます。」

猪山「今度は二人で協力しないとクリアできないゲームか。」

牛寅「簡単なお題だといいんですけど...。」

波江「では、早速始めていきます。まず最初のお題は...「手を繋ぐ」です。」

猪山「手を繋ぐか。簡単なお題ーーー」

牛寅「はいぃぃぃぃぃ!?て、て、ててててて手を繋ぐぅぅぅぅぅ!?」

波江「な、何か問題でも...?」

牛寅「ありまくりだわ!て、て、手を繋ぐだなんて、何考えてるのよ!?」

沖「手を繋ぐくらい、簡単なことですよ?ほら。」

氷見士「私たちは、友達~。」

牛寅「あなたたちは同性だからでしょうが!こっちは異性よ、異性!」

沖「異性でもできますよ?会長さ~ん!」

氷見士「握手握手~。」

沖「ほらほら、こんなもんです。」

氷見士「見えてますか~?」

牛寅(あんな自然に会長と手を...!?う、羨ましい...!)

泉「手を繋ぐだけであんな騒いじゃうなんて、先輩可愛いところあるんですね~!ねぇ、輝!」

水面「......。」

泉「輝、どうしたの?」

水面「波江先輩、一つ質問なんですけど。」

波江「なによ?」

水面「これ、私たちはしなくてもいいんですよね?」

波江「私たちの出番は後半だから、今はしなくていいわよ。」

水面「よかった...!」

泉「輝さん?あなたもしかしてだけど、私と手を繋がなくてよかったと安心していらっしゃいます?」

水面「いやいや、そんなことないですよ泉先輩。」

泉「じゃあ、今から私と手を繋げるよねぇ~?」

水面「もちろん。すいません、アルコール消毒液って、どこにあります?」

泉「あんた、それどういう意味よ!?」

水面「泉先輩は、汚いものを触った後どうしますか?そういうことですよ。」

泉「貴様ァァァァァ!!今日という今日は許さないからなぁぁぁぁ!!」

水面「うわっ。ちょっ、近づかないでください。泉菌が感染うつります。」

泉「泉菌ってなんだ、こらぁぁぁ!!あんた、今日という今日は絶対に許さないからねぇぇぇ!!待てぇぇぇ!!」

沖「ちょいちょい、どこいくの!?私たちの出番あるの、忘れてない!?」

氷見士「鬼ごっこですかい?私たちも混ぜてもらうぜぇ~!」

猪山「......。」

牛寅「......。」

波江「あいつら...なにやってんよ、ほんとに...。」

猪山「これは、続けた方がいいのか?」

波江「あ、いえ。もうやらなくて大丈夫です。このまま次に進んでください。あいつら戻ってくる前に、早く。お願いします。」

黄島「ここも難なくクリアするなんて、さすがだね。」

青海「やっぱりすごいや、生徒会は。」

猪山「俺がいうのもあれだが、お前たちはこれでいいのか?」

牛寅「さぁ、これであのバカの居場所教えてくれるんでしょ?さっさと教えなさいよ。」

黄島「慌てないで。今から教えるから。」

青海「カカ・ワーリ様が教えてくれるから。画面見て。」

関「はっはっは!さすがは生徒会の人間だ。私が用意したゲームを、こんなにも早くクリアしてしまうなんてなぁ!」

牛寅「そういうのいいから、さっさと居場所教えろ!あんた、今どこいんのよ!?」

関「まぁまぁ落ち着いてくださいよ。せっかちな女性は嫌われてしまいますよ?いいんですか?」

牛寅「うっさいわ!さっさとしろ!!」

関「そんな声を荒げないでくださいよ。隣にいるメガネのお坊ちゃんが怖がってしまいますよ?」

牛寅「あんた、会長に対して失礼よ!!さっさと謝んなさい!!」

猪山「謝罪はいいから、さっさと話を進めろ。」

関「やれやれ、どっちもせっかちなんですから。まぁいいでしょう。ダラダラと会話を続けて、途中で飽きて帰られても私が困りますし。」

関「では、あなたたちが知りたい情報を教えてあげましょう...!この私、カカ・ワーリがいる場所...それは...!!」

関「......すみません、少々お待ちください。」

牛寅「は?」

関「なんですか、傑くん?今いいところなんですから、話なら後にしてください。」

関「...え?もう準備終わったんですか?予定よりも随分早いですね。さすが、仕事ができる子たちだ。」

牛寅「おい、なにしてんのよ?さっさと居場所言いなさいよ。」

猪山「というか、会話丸聞こえだぞ?いいのか?」

関「ぐはぁぁぁぁぁ!?やられたぁぁぁぁ!!」

牛寅「...は?」

関「ふ、ふふふ...!さすが、生徒会...!この私が、こんな簡単にやられるとは...!」

黄島「カ、カカ・ワーリ様...!」

青海「そんな...嘘...!?」

牛寅「おい、待て。勝手に話を進めるな。さっさと居場所をーーー」

関「約束通り、貴様のカバンは返してやる...。さぁ、生徒会室へ行け...!そこでお前たちは、真実をしる...こと...に...。」

牛寅「ふざけんなぁぁぁぁぁ!!こんな馬鹿げたことに付き合わせといて、勝手にいなくなんなぁぁぁぁぁ!!さっさと居場所を言え!!私たちは、何のためにーーー」

関「では、失礼します。さよなら~。」

牛寅「ふざけんなぁぁぁぁぁ!!」

猪山「はぁ...あいつには、いつまでも困らされっぱなしだな。」

牛寅「私はこんなの絶対に認めない!!こんな終わり方、絶対に認めない!! あんたたち!あいつの代わりにあのアホの居場所を吐け!側近みたいなことしてんだから、居場所くらい知ってんでしょ!?さっさと吐け!!早く!!」

黄島「終わった終わった。お疲れさん。」

青海「ぱちくん、まだ終わりじゃないよ!これから反省会だよ!」

黄島「そやな。にしても、普段やらんような役やったで、ちょいと楽しかったわ。」

青海「ね! ぱちくん、結構良さげだったと思うよ!今度、またこういう役やってみてよ!」

牛寅「待ちなさぁぁぁい!!こっち置いてけぼりで勝手に話を進めるな!終わるな!!早く言え!!あのアホは今どこにいる!?どこよ!?さぁ、早く!!」

黄島「知らん知らん。アホの居場所なんて知らんわ。」

青海「探偵部の部室にいるんじゃないかな?たぶん。」

牛寅「もうこの馬鹿げた遊びは終わったんでしょ!?なら、早く言いなさいよ!知らないって嘘吐いても、私は騙されないわよ!!」

青海「いや、あの、私本当にーーー」

牛寅「早く言いなさぁぁぁぁい!!」

青海「ひぇぇぇぇ!?ぱ、ぱちくん助けてーーー」

黄島「んじゃ、さいなら~。」

青海「おぉぉぉい!?さいならじゃないでしょうが!!助けてよ!?見捨てないでよ!?私たちの友情はどこに捨てたの、ぱちくん!?」

黄島「そこに落ちとるで。後で拾っといてや。」

青海「ふざけんなぁぁぁぁぁ!!今すぐに拾えぇぇぇぇ!!今すぐにーーー」

牛寅「んなことどうでもいいから、さっさと教えなさぁぁぁぁい!!」

青海「ひぇぇぇ!?ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃぃぃぃ!!」

猪山「はぁ...やはりあいつと関わると、毎度毎度騒がしくなるな。困ったものだ。」
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