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1章《赦されざる者たち》
17話 後編 冬の訪れ凍てつく復讐の吹雪
しおりを挟むセレナはゆっくりと目を閉じ、内なる精霊に心の声を届けた。
(私の望みを叶えて。この国が永遠に凍てつく冬となるように。食物も育たない極寒の地となるように)
内なる声が答えた。
(それがお前の望みなら、我の力は解き放たれるだろう)
その直後、セレナの体を白い光が包んだ。光は放たれるように広がり、国全体を包んで消えた。
皇帝は目を見開いてその光景を見ていた。
どうやって、セレナが閉じ込められた塔から逃げたのか、それだけが不思議だった。今、やっとわかった。あの輝きは精霊の力に違いない。
それも……わが国に伝わる断罪の精霊……
セレナは精霊の力を手に入れたのか、皇帝は理解した。
事実とは少し違うが流石に前世の記憶が蘇ったとは考えつかなかったようだ。
セレナは目を開けると皇帝に伝えた。
「あなたには償ってもらうわ。でも殺しはしない。運よく逃げ出して私はまだ生きている。だけど塔の中での苦しみは忘れることはないわ。」
その時、セレナの頭の中で、再び精霊の声が響いた。
『皇帝は罪を認めた。では、他の者たちは?この国の民、沈黙した家臣たちは……裁くべきではないのか?』
セレナの瞳がわずかに揺れた。かすかに唇を噛みしめる。
「……あの時、私が“本物じゃない”と知ってこの国は、国民は私を処刑しろと叫んだのよね。私を塔に閉じ込める時、兵士が話していたわ。」
「私は、祖国で魔法によって拘束されていてこの国にきた時も自由に話すこともできなかったわ。魔法はこの国で解いてくれたけど話しは聞いてくれなかった。私に一言の弁明さえもさせてくれなかった」
「貴族が『この小娘に与えるパン一切れも水一滴も惜しい』と『勿体ない』と言っていて、それに対して誰も何も言わなかった。皆が当然のように受け入れた……」
『その沈黙もまた、罪だ』
胸の奥で怒りが静かに膨らんでいく。燃えるような怒りではなく、凍てつく氷のように、冷たく、深く、静かに――。
「……民も、国も、私の死を望んだ。誰一人……誰一人、話すら聞いてくれなかった。手を伸ばしてはくれなかった。」
セレナは目を開けると皇帝に伝えた。
「この国はもう暖かな春も夏も訪れることはないわ。いつも凍てつく冬……植物も育たないわ。飢えと寒さに苦しめばいい。私と同じ痛みを感じなさい。あなたはこの国の人々にも、皇帝として、あなたの言葉で真実を語るのね」
「……わかった」
これからの混乱と民の生活を憂い、皇帝の声に後悔が宿る。
それでも立ち上がり民を導かなくてはならないと决意を固めた。
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